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文化生活一週間 -One Week- ③



何も起こらない日々をかき集めて一本にまとめる閉店セール的投稿の第三弾。年がら年中、閉店セールしてる店ってあるよね。



〇月✖日

いつものヘアメイクチームと仕事。

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今のところ一週間日記は、毎回、彼女たちで始まっている。マスコット的存在ではあるが、最近、あからさまに僕より人気があるので、現場のエピソードはカットさせてもらう。僕は本質的に嫉妬深い。


そんな嫉妬深い僕にLINE。差出人は、日本を股にかける敏腕営業マンにしてダンサーでDJでもある鎌切くん。


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どこからツッコめばよいのか。

1曲目からスイスイと喜色満面で気持ち良くなる、さすがの敏腕鎌切くんといった趣き。Gussy & Delgado から Hall & Oates とか気持ちよくて肉焼くの忘れそうですよ。でもな鎌切くん、焼肉屋は肉を焼くところなんだ。本質を忘れちゃいけない。




〇月▲日
能楽堂で撮影。

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引き込まれる。


能にはまったくあかるくない僕だが、いとも簡単に魅了される。理解できなくとも納得させられる。本質が不変なものは美しい。そしてもちろん夜道では会いたくない。




なお、舞台上では白足袋着用が義務です。



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白い靴下なんて中学生以来。浮かれる。本質的にお調子者。







■月〇日

大分に向かうため博多駅に。やたら人が多い。鬼滅の刃SL「無限列車」なるものが熊本から到着するそうだ。ホームに入ってきた特急も鬼滅車両。キメツキメツとかしましい。本当に流行ってるな。


よもやよもやと呟きながら、到着までに note 1本書いてみた。

乗り物での作業が苦手だ。


作文なんてもってのほか。note の投稿も、自宅の使い慣れたパソコンの前で、手元にレオニダスのプラリネチョコでも用意しないと書けない。音楽流すのも駄目。無音必須。



これが写真の画像処理なら、無限列車で焼肉屋Mix聞きながらでも平気だ。どれだけ肉体化しているかの違いなのか。或いは頭の出来なのか。両方だろうね、こればっかりは。



電車内で、修行さながらに書いてみたけど、600文字程度の雑記にも手間どる始末。漸くまとまりかけたタイミングで目的地に着いてしまい、力技の駄洒落で終わった。ひどい有様だが、自宅でのんびりレオニダスつまみながら書いても多分同じレベルだろう。実力って、そういうときにこそ出る。これも本質。レオニダスってなに?



大分のこじんまりした神社で七五三の撮影。依頼人は10年ちょっと前に現場で知り合った美人さんで、当時はまだ学生だった。今では2人の子供がいる。君がママとはね。


「わたしもびっくりですよ」


そういって大分特産の紙袋を持たせてくれた。土産まで用意してるとは。僕もびっくりですよ。

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湯布院・無量塔の調味料。大分の柚子こしょうなんて美味いに決まってるじゃないか。無量塔と書いてムラタと読む。あらおしゃれ。びっくりおしゃれ。






■月▲日

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仕事仲間にして友人の職業音楽家・井之頭くんと焼鳥。この店のBGMは有線のド演歌だ。こういうのがいいんだよ。井之頭くんさ、日本を股にかける敏腕営業マンにしてダンサーでDJでもある鎌切くん知ってる?


「知りませんよ、そんな人。『日本を股にかける』はどこにかかってるんです?兄さんの知り合いですか?」


3つ年下の井之頭くんは僕を「兄さん」と呼ぶ。


「昔、イベントで一緒だったじゃん。鎌切くんは『コヨーテ・アグリー』みたくバーカウンターの上で踊ってた。ヴォーギングだったけど」


「コヨーテ・アグリー?女性?」


「男」


「バーカンの上でヴォーギングする男なんて知りませんよ」



鎌切くんが焼肉屋Mixでボツを出された話をする。店舗のサウンドデザインもこなす職業音楽家・井之頭くんは少し嬉しそうに笑う。



「その人いいですね。それってギャラ出るたぐいの話じゃ無いでしょうし」


「金は出ないね。肉が出る。限定部位が冷蔵室の奥から出てくる」


「肉じゃ手癖は抑えられないですよ。兄さんなら出来ます?」


「出来ない。慇懃無礼に好きなもの撮る。仕事じゃないんだから」


「仕事じゃないですもんね」


「そっそ」



とか言いつつ仕事でも好きにするだろうな。僕も井之頭くんも鎌切くんも。手癖は作り手の本質。抑えきれるようなものじゃ無い。





■月◎日
昨日の焼鳥屋で井之頭くんと話した創作にまつわるあれやこれやが頭をめぐる。ここで書くには長くなりそう。独立した投稿に書こう。そう言って書いた試し無いけど後にまわそう。さもないと現場に遅刻する。




とあるデパートの新春打ち出し用に撮りおろし。

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新春だってさ。
もうそんな時期か。





■月◇日
日本を股にかける敏腕アパレル営業マンにしてダンサーでDJでもある鎌切くんよりLINE。

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なんで3稿までいくの?バカなの?
どんだけハイエンドな焼肉屋?


出だしから Stetsasonic に Martine Girault 。何故、焼肉屋でオールドスクールから入ろうとするのか。


第3稿まで全て聴かせてもらった。毎回、曲もジャンルも丸ごと変えながらしっかり作っている。僕は第2稿が好きだけど3つとも全部いいよ。でもな鎌切くん、焼肉屋は肉を焼くところなんだ。焼いて食べるところなんだ。


このまま焼肉屋さんがボツを出し続けてくれれば、僕のブックマークに良質な Mix が揃っていく。

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僕だけが得をする幸せな世界。





■月☆日
妻がnoteをはじめた。


職業柄、勘違いされやすいのだけれど、僕は芸術的な人間では無い。自分が好きなことの中で、一番お金を得られそうなのが写真だったから仕事にした。金銭と承認欲求をガソリンとする僕は、芸術からは遠い場所を安全第一で走行する。

あくまでマスダ家と言うスモールサークルに置いてだが、ウチで一番芸術家肌なのは妻だ。我が家のクリエイティブは彼女の双肩にかかっている。

そんな彼女の note が

気持ちわるい
沼のよう
夢に見そう

と、的確な感想を頂きながら目聡い方々にちょっとづつ読まれ始めているようだ。ありがたい。自分の文章読まれるより嬉しい。お暇なときにでもどうぞ。




以上、そんな一週間。
本質的に悪くない。

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