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正しく恐れる。|2020/08/27

ここ2ヶ月、下書き保存したままのnoteが3つ。

夏を迎えるにあたってクラウドファンディングを企画・展開したり、集まった資金で実際にプログラムを開催したり、保険業を本格的にオンラインに切り替えてみたり、統合医療の考え方で治療に取り組むにあたり自分なりにも身体や栄養について勉強してみたり。
ぼくにとって、エンディングノートは自分と家族の未来への記録のためだけでなく、読んでくれた誰かにとって人生に向き合うきっかけになればと願いを込めているものなので、満足いく時間を確保できない、優先度を上げられない時に中途半端に書くものではないなあと途中まで書いては保存し、そのままになっていた。

というそれらしい言い訳を並べてみたが、毎日"イマ"が充実していて心身ともに尽き果てていた。パソコンに向かい合ってみるも、記憶がとんでいることがほとんどだ。

それほどまでに情熱を注ぎ、子どもたちと向き合った海遊びのプロジェクトは23日で完結。

鎌倉の子どもたちに向けた今夏の海遊びの機会の確保であり、未来のビーチづくりであり、僕にとっては10歳ほど離れた次世代の仲間たちへの継承でもあったこのプロジェクト。
海遊びを通じて子どもたちに伝えたかったメッセージのひとつが「正しく恐れる。」こと。

コロナ禍で海水浴場のない夏、水辺の事故や利用状況について過度に不安を煽る記事や表現が散見された。
ひとつひとつツッコミを入れたらキリがないが、こういった報道に不安を募らせる人が一定以上いることも事実だし、その気持ちは一切否定するつもりはない。だって誰にも教わって来なかったんだから。知らないことは仕方がない。いまを生きる僕たちにできることは、未来のために一歩を踏み出すこと。
海はとても楽しいし、たくさんのことを教えてくれる。
でも、自然は人間のコントロールできるものではないし、しようと考えるべきではない。当然、危険は付き物だし、時に牙をむくこともある
この前提を理解して遊ぶってことを、子どものうちに身に染み込ませる。
そのキッカケとなる体験をつくりたくてひと夏、全力で子どもたちと向き合い、遊び尽くしてみた。

プロジェクトについては別で振返ることにする。
今回のテーマは海遊びプロジェクトではなく「正しく恐れる。」

エンディングノートのきっかけになった脳腫瘍の悪化。検査結果を告げられてからまもなく9ヶ月。時が経つのってなんて早いんだろう。
平均余命2年、5年生存率10%、治療終了から半年以内の再発リスク50%。
29歳にはわりと絶望的な数値。正直、終わったなあと。診察室では言葉にならなかったほど、ショッキングだった。
でも、いまや統計はぼくにとって重要ではなくて、いつ死ぬかって自分でコントロールできる結果ではないので、いまを懸命に生きるために病気を知り、身体を知り、治療を選択し直した。延命・再発防止が目的の治療は中止して、寛解を目指して取り組んでいる。
病気を恐れたのは、僕の頭の中に抗がん剤と放射線しか選択肢がなく、統計通りの路線に乗っかってしまったんだなあと感じていた最初の数日。奇跡と運を信じるしかないって状態は、いま振り返るとなかなかの恐怖

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「正しく恐れる。」
表面的な情報に惑わされていないか?
その情報がすべてなのか?統計は信じるに値するものか?
ひとりで解決できなければ誰かに頼るなど、思いつく限りのことはやり尽くしたか?
その上で、起こりうることやリスクは何か?
そして、自分のコントロールできる範囲はどこまでか。

海も、病気も、人生も、流行りのコロナも。
全部、大事なことは同じだと思っている。
思考を止めず、学び続け、正しく恐れ、大いに楽しむ。

30歳、人生まだまだこれから。

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