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フリーランスの仕事場事情

noteを長らく放置したのだが、フォロワー数がTwitterに迫る勢いで増えており、最近増えてきたフリーランス市場に食い込むべく、時流に合わせた記事を書いてみたい。

筆者は"自称"AIベンチャーをクビになった末、2019年7月からフリーランス(半無職)として活動を開始した。
2019年12月時点では、なんとか各社から仕事を請けてどんぐり(報酬)をもらいつつ、家賃を払っている次第である。
しかしフリーランス(半無職)である以上、会社もオフィスも仕事場もない。
昔なら「ノマドワーカー」とカッコつけて呼ばれていたが、現実としては「勤務地不定半無職」である。
本記事ではそんな人間が、どこでどうやって仕事をしているのかまとめてみた。
今後フリーランス(半無職)を目指す人は、現実的な意見として参考にしつつ、会社で仕事ができることにジャンピング土下座しておこう。

なお、各仕事場候補は「設備」「コスパ」「アクセス」について★3つを最高評価としており、「備考」も記載して評価している。
総合評価は★の数と連動しないが、解説文を見てもらえれば納得するだろう。

自宅

設備:★★★
コスパ:★★★
アクセス:★★★
備考:仕事場なのに仕事ができない
総合評価:3/10点

設備としてはネット環境も電源もあり、周囲の雑音にも悩まされない(独身なら)。
家賃を払っているので、確定申告でうまく按分すれば経費計上できるし、コスパ的ではある意味無料でもある。
そして朝起きたら0.02秒で仕事ができるというアクセスを誇る、完璧な仕事場と思われがちなのが自宅である。
が、実際には「仕事場なのに仕事ができない」わけで、現実問題として邪魔になる存在が多すぎる。
テレビもスマホもNetflixもYouTubeもPS4もSwitchもあるし、わざわざ仕事部屋を作ってPCを起動してもSNSを眺めているのが関の山であり、とかく誘惑に囲まれて仕事が進まない。
「何があろうと仕事をする」という鉄の意志(by 棚橋弘至選手)が必要だが、そんな意思があればとっくにIWGPヘビー級王者になっているし、フリーランス(半無職)にならずに会社組織で出世するか、起業してIPOでウハウハだろう。
更に家庭持ちとなれば、嫁から世間体で小言を言われ、子供は父親が無職だと誤解し、親戚の集まりでは言い訳に苦労して、近所から謎の不労所得で稼ぐ裏稼業人だと噂されてるわで、まったくもってメリットがない。
そうはいっても色々事情があるので、家で仕事をする時間はそれなりに長かったりする。

安いチェーンの喫茶店・ファーストフード店

設備:★★
コスパ:★★★
アクセス:★★★
備考:客層が悪すぎる
総合評価:4/10点

具体的な店名を挙げると、ドトール、ベローチェ、サンマルクカフェ、マクドナルド、ロッテリア、バーガーキングなどである。
筆者が住んでいる東京都メキシコ区はこれらが近所に揃っているので、日替わりで違う店に行けば気分を切り替えられる。注意点としてセキュリティの懸念がある。ノートPCの画面や机に置いた資料を覗かれたりするのは仕事を請け負う上で問題がある。可能性としては低いが盗難などの危険もあるので、出来る業務が限定される(例えば資格の勉強とか)ことに注意して欲しい。

特記事項として、とにかく客層が悪い
店内各所に注意事項の張りが貼られていても、正面のババアは年金と嫁と旦那と健康の話を大声で喋りまくり、右隣のジジイはスポーツ新聞を広げて、左隣のジジイはラジオを聞きながら競馬新聞に赤ペンを入れ、後ろの建設業者は関係各所に電話をしまくり、斜めにいる金融系営業マンは怪しげな投資信託をハメこんで、不動産賃貸営業は田舎から上京してきた世間知らずをシェアハウスに押し込み、人材派遣会社は有明にある倉庫で軽作業の面接をして、保険の外交員はタブレットをいじってライフプランを語り、うら若き乙女は元カレと地元の友達の話題で無限ループして、キッズはスマホのゲームや動画で盛り上がり、外国人に日本語を教えるボランティア講師は発音にやたらこだわって生徒に「アメェがふるのデェ~カシャを持ってイキまぁす」と連呼させるわで、静寂とは二億光年かけ離れた地獄絵図でしかない。
そんな場所で仕事する自分を棚に上げて、「どいつもこいつもこんな場所でやることじゃねーだろ」とツッコミ入れまくりである。
タイミングが悪ければ客同士が怒鳴り合いのケンカを繰り広げ、電話している客に向かって壁ドン(壁に蹴りを入れる)する始末である。
もっとも筆者が住んでいる東京都メキシコ区は学歴と年収とモラルが低く、飲酒率と喫煙率と生活保護受給率が高い地域のため、致し方ない面もあるのだが。
もっとも慣れてしまえばこれらの喧騒も軽妙なBGMになるので、個人的な評価はそこそこ高い。

おセレブなカフェ

設備:★★★
コスパ:★★
アクセス:★
備考:近所にない
総合評価:5/10点

具体的な名前を上げると、スターバックス、タリーズコーヒーのツートップである。
カフェ・ド・クリエ、プロントはどうにも中途半端な印象があるし、エクセルシオールカフェはドトールと同じ会社で上位互換なので区別が難しい。
チェーン店よりコスパは劣るが、値段相応に美味しい気がするので、気持ち的に晴れやかになる。
慣れるとは言え、毎日チェーン店という見た目は大人で頭脳はキッズな方々が集う環境は精神上よろしくない。
都市伝説扱いされる「スタバでMacBookProでドヤってる人」はもちろん存在するが、大抵はネットしてるかスマホいじってるかである。
欠点は筆者に近所に店舗がないことだが、前述の民度の低さを考慮すれば出店しないのも当然である。
識字率より喫煙率が高い東京都メキシコ区民にとって、スタバのような複雑なメニューは古文書解読より難しいのだ。

ルノアール

設備:★★★
コスパ:★
アクセス:★
備考:いつかはルノアール
総合評価:行ったことがないので未評価

サラリーマンが打ち合わせに使うのでおっさんくさい印象があるものの、実はこだわりのコーヒーに電源とWi-Fiを完備して長時間居座ってもOKという高めな値段も納得のお店である。
行ったことがないので評価は不明としているが、気になる存在である。
なお、一部店舗(新宿区役所横店など)はマルチ商法の勧誘、風俗店の面接、不動産ブローカーの打ち合わせなどに高確率で遭遇し、SSR並の確率ながらでヤクザの襲撃に巻き込まれるらしい(ソースはTwitter)。
ちなみに同店の主な収益源は立ち退き料らしいが、テレビ番組「カンブリア宮殿」では全く触れられなかった。
ワイも「いつかはルノアール」を目標にして、毎日通えるぐらい稼ぎたいものだ。

ファミレス

設備:★
コスパ:★
アクセス:★★★
備考:店舗と時間帯によって評価が変動
総合評価:4~7/10点

筆者の近所ではマイナーメジャーを含めて、ファミレスが乱立している(周辺住民の所得と店舗の家賃を考えれば当然だが)。
食事も兼ねて読書したり、連載記事のネタを考える時などに使っている。
なにより椅子が座りやすく、テーブルが広いのがありがたい。
食事は自炊派だが、たまに外で食べるのも気分転換になるし、フリーランスは単調な生活になりがちなのでこーゆー刺激も必要である。
刺激と言えばファミレスは刺激の宝庫でもあり、走り回るキッズ(仕方ないね)、しゃべりまくるババア(年金と健康と時事ネタでループ)、テーブルに小銭をばらまいてジャラジャラと割り勘するババア(キャッシュレスの道は遠い)、やたら料理に注文つけるババア(店長キレていいぞ)、子供が音量MAXで動画見ててもスルーなババア(お前の耳は生まれつきノイズキャンセリング搭載なのか?)と、漫☆画太郎先生のような笑えるババアではなく、純粋にムカつくババアに遭遇することが非常に多い。
メニューは季節ごとに変わっても客層は一向に変化がなく、こんなのを相手にする店員の苦労を考えれば人手不足も頷ける。
仕事の打ち合わせなどで都心のファミレスを利用すると、こうしたマナーの悪い客に遭遇することはないので、やはり地域性の問題だろう。
個人的には居心地が良いからといって、長居しないように気をつけている。

コワーキングスペース・シェアオフィス

設備:★★★
コスパ:💀(ドクロマーク)
アクセス:💀(ドクロマーク)
備考:利用したくても出来ない
総合評価:判定不可

何かと話題のムダに意識と料金が高いWeWorkを筆頭とした、オフィスビルの一部を間借りして仕事場として提供するサービスである。
料金はビジネス街だと共同利用のオープンスペースで毎月2-3万円、個室なら4-5万円程度が相場だが、一体どんな仕事をすればこんな場所を借りられるだろうか?
自分ならITmedia向け記事を7-8本書いた上で、担当編集に来月の原稿料を前借りしなければ払えないレベルである。
保証金やらサポート料やら共益費やら、何かと理由をつけて追加料金を徴収する圧倒的な地位を行使する様は、水呑百姓を生かさず殺さず年貢を絞りとる江戸時代の領主のごとき振る舞いである。
充実した設備は言うまでもなく、オープンスペースなので一緒に働くスタートアップや起業家やフリーランスやクリエイターとの共創がウリらしいが、悪い意味で意識だけ高くて口ばっかりのやつが大量発生してそうなので、「マイナスとマイナスを足してもプラスにはならねーだろ」と思う(偏見)。
そもそもワイの近所にこんな小洒落た施設は存在しないので、正直なところ実態はわからない。
そもそも場所を選ばずに仕事ができて、通勤が不要なのがフリーランスのメリットなのに、わざわざ都心にあるオフィスビルに移動して仕事をする理由がわからない。
なお、都心でありながら無料で提供されているAWS Loftとヤフーロッジを利用したことはあるが、平日昼間でもほぼ満席でどいつもこいつもスマホをいじっており、「開発してるアプリを熱心に動作確認してるのかな?」と思った。
正直他所でやれよと思うし、本当にこんな場所でコラボレーションやらケミストリーやら共創で新たなビジネスが生まれるかどうかは甚だ疑問である。
同様の施設に自習室もあるが、どのみち近所にはないので選択肢に入らないことを付記しておく。
散々文句言ってるが、こーゆーのが利用できる立場になりたいのも事実だったりする。

図書館

設備:施設による
コスパ:★★★
アクセス:★★★
備考:住民税の元を取ろう
総合評価:2~8/10点(施設や時間帯で変動)

最大のメリットは「近くて無料」なので、住民税の元を取るべく利用したい。
もっとも施設によって設備が異なるので、Wi-Fiと電源とカフェを併設する近代芸術の傑作みたいな図書館もあれば、本の背表紙に貼られた貸出カードで管理してそうな廃墟レベルの図書館まで幅広い。
なお、カフェと同じくセキュリティに注意すべきなのは言うまでもない
Wi-FiがあるとSwitchやスマホの対戦ゲームで大騒ぎするキッズに遭遇するので要注意である。
ちなみに最近の図書館はネットで近隣の市区町村の在庫を含めて本を予約して、最寄りの図書館受取と返却ができるライフハックもあるので、積極的に利用したい。
もっとも人気の本は年金もらう年齢にならないと借りられないぐらい予約が殺到してたりするが。
施設によっては自習室や勉強机もあるものの、予約制だったり学生限定だったり常連で埋まってたりするので、利用するのは難儀である。

ラブホテル

設備:★★★
コスパ:考えてはいけない
アクセス:★★★
備考:意外と穴場かも
総合評価:東京オリンピックのホテル不足解消策

筆者の近所にシェアオフィスやコワーキングスペースはないが、ラブホテルはそこそこあったりするので、意外にも選択肢が豊富である。
平日の昼間ならフリータイムもあるので、コワーキングスペースより安上がり……かどうかは微妙だが。
設備においては電源やWi-Fiはもちろん、机もベッドもシャワーもあるし、風呂もデカかったりするので、漫画喫茶とは別の方向で充実している。
ホテルによっては用途が一切不明な設備や備品もあるが、それを眺めて頭の体操をするのも良いかもしれない。
また、Amazonが絶対デリバリーできないお姉さんが届くのもラブホテルのメリットなので、"色々"手伝ってもらってもいいだろう。
なにが言いたいかというと、「使えるものは何でも使え」ということである。
もう会社員ではないのだから、好きな場所で好きに仕事をすれば良いのだ。

まとめ

記事を書いて思ったことは「ケチなこと言わずに、仕事場に金かけろ」である。
やはりフリーランスたるもの、YouTubeで「フリーランス1年目で年収1,000万円越えないとかギャグなの?」とドヤりながら、Twitterで確定申告の画像をアップして、ワインと寿司と外車の写真をインスタに載せるのがマナーなのかもしれない。
だが自分は、かつて勤めていたAIベンチャーのショッチョの社員にスタバのコーヒーをおごる時は1杯買った直後におかわり無料クーポンを提示して「おかわりも2杯目も実質同じだから今すぐよこせ」というジャイアン理論を振りかざすほどのケチっぷりを間近に見ている(しかも領収書までもらっていた)。
これはシャッチョが創業から数年で開業資金を溶かし、風呂に入ったまま思い詰めて湯船に沈んで窒息しかけたり、不眠症になって自分にあう睡眠薬を試しまくった結果、やたらクスリに詳しくなったというエピソードを聞いているので、独立とカネは重いテーマだと認識している。
つまり会社を離れて独立するなら、臆病なまでに出費に対して意識を張り巡らせろと教えてくれたのだ(根拠はない)。

そこまでやらずとも、独立するなら相応に初期費用もかかる(特にグラフィックや映像関係とか)ので、最低限必要なものから徐々に揃えるぐらいが丁度いいかもしれない。
ともあれフリーランスになれば、寝転がって音楽聴きながらプログラミングしようと自由なので、各々が最大のパフォーマンスを発揮できる環境を目指せばいいかと。
ここらへんは会社としても、エンジニアの作業効率が上がる環境を提供すべきだと思うのだが。

東京の端っこに住んでる筆者の現状を振り返ると、仕事場事情は難儀である。
現実としては自宅の作業が中心で、気分転換にカフェやファミレスに行き、打ち合わせで都心に出ればおセレブなカフェで読書したりする。
理想としてはコワーキングスペース・シェアオフィスを借りることだが、近所にないので、わざわざ電車に乗って”出勤”するのもバカバカしい。
駆け出しフリーランスとして、固定費は抑えなければならず、利用料と定期代という金銭的な負担は大きい。
もっとも、こーゆーセコい金勘定をしている時点で、自分は大成しない気がするのだが。

独立するのは簡単だが、毎月の生活費を稼ぐのは大変なのだ。
仕事をとって成果を出して継続的に報酬を得ることが難しいのは、たかだか半年程度のフリーランスをやった筆者でも痛感している。

まずは毎日ルノアールで仕事ができるぐらい稼げるように、頑張って仕事を取って成果を出すしかなさそうだ。

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