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ぼんやり寝たふり

気持ちの波が安定しない。

好きという気持ちは一瞬で変わったりもする。

ちょっとしたことで、

あれは、なんだったんだろうって。


恋人がめずらしく朝から出かけていった。
部屋でひとりになると、
ああ今なら、普段出来ないあれができるんだな、とか
これができるんだな、とか
考えてしまう。

たとえばタバコを吸うことや
鼻歌をうたうこと

そんな感じの
ちょっとした小さなこと。

本当は他にもっと
恋人に知らせていないことがあるのに。
いざ、好きなことができる時間がうまれると
思いつくのはなぜかタバコ。

喫煙者ではないので、普段タバコを欲することはないけど。
(でも香りはすき)

恋人は自分は吸うけど、わたしが吸うことには良い顔をしないから、
前にちょっと吸ってみたくなったときは
仕事が早く終わったまだ明るい夕方にひとりベランダで吸ってみたり。
でも、もともとそんなに欲していないから、結局何本か残ってしまったり。


子供の頃から、誰もいないときにひっそりとなにかをする癖がある。

眠ったふりをしながら、親が出かけていくのを布団の中で待っていたり。

大人になった今も
歯磨きをしながら、恋人が身支度をすませて出かけていくのを待っていた。


こういうときに

自分は本当は
誰のことも好きではないのだろうか
なんて考えて、

途方に暮れたような気持ちになる。


ひとり暮らしを始めよう、と年始に動き出して
早い段階で住む家は決まっていたものの
前の住人がまだ住んでいたり、
住人が出たあとの部屋のクリーニング待ちだったりで
気づけばもうすぐ春。

今週やっと一通りが終わり、明日には入居が可能になる。

待っている間にいろいろと気持ちがぐらぐらしていた。
波立っていた。
何回も「なぜわたしは出ていくのだろう」と考えて。

今の家にもきっと
ちょくちょく帰ってくると思う。
それでも、やっぱり新しい家は必要なんだと思う。


さいきん気持ちよりも
行動や環境が先に進んでいっているような
そんな感じがする。

自分で決めて動いているはずなのに
ふと立ち止まって「あれっ」って思うような。


ここ最近続く、残業終電帰りのぎゅうぎゅうの中
ふっと数年前の夜のお花見の風景が蘇って
懐かしい気持ちになったり。
そうしてぼんやりしているうちに降りる駅に着いている。


文章もなにもかもがぼんやりしている。
焦点があっていない。
日常にときどき差し込む切ない気持ちを捉えようとすると
逃げられてしまってさらに切ない気持ちになる。

形にしたい、どうにか
なんらかの形で表現したい。


とりあえず春なのでお花見がしたいな。

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