*ネタバレ*「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」についてその3(完結編)
まずはこちらから。
*ネタバレ*「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」劇場版 感想 真城 悠
https://note.com/mashiro_yuh/n/n435c0551648e
*ネタバレ*「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」劇場版 感想 追記
https://note.com/mashiro_yuh/n/n702d9fec8227
実は恐ろしいことに気が付いてしまいました。
まあ、「分かってしまえば」大したことは無いんですが。
昨今も「エヴァつまらん」とつぶやいてしまったために炎上した有名人が登場する有様となりました。
これは無駄にアッパーだった「破」の時も全く同じ現象が起こっていたものです。
この時に「破」は勿論、エヴァそのものを過剰に持ち上げていた人たちは「Q」についてどう言ってたんでしょうかね。
「裏切ったんだ!僕の気持ちを裏切ったんだ!」
・・・というところなんでしょうか。
まあ、嫌味はともかく先日とあるつぶやきに反応を頂きまして「なるほど」と思ったことがありました。
https://twitter.com/raizou555/status/1373669342714290176
要するに「黒き月」を始めとした一種の「裏設定」に関しては本編中に触れられたことが無い・・・という記述に対し「旧劇場版の台詞に「黒き月」が登場したことがあった」という反応です。
これは余り意識したことがありませんでした。
何しろ伝説のテレビシリーズはともかく、劇場版をそうしつこく見返したりはしませんからね。
まとめますと、実はエヴァには以下の「分岐」が存在します。
ルート1 TVバージョン
24話からの続き。ストーリーも何もかも投げ出して「おめでとー」で終わる。
ルート2 旧劇場版
24話からの続きだが、一応ストーリーは存在する。が、何もかも無茶苦茶になって終わり。「気持ち悪い」で終わり。
ルート3 新劇場版
19話から分岐した「Q」を受けての後始末。
解釈が一定しないが、ほぼ「無かったことにして平和が戻りました」エンドと評していい。
ルート4 コミック版
一応ここまでは「正史(カノン)」としてよいかと。
ざっくり言えば「夢落ちハッピーエンド」。
これ以外にも無数のスピンオフがありますが、まあこんなところ。
実はその全てに共通しているのが「ちゃんとした説明をしていない」ことです。
あの熱狂の1995年~1996年のテレビシリーズ、そして1997年の春と夏を通して一番知りたかったのは「結局何だったんだ!?」ということでした。
実は幻の「ルート0」が存在します。
それが「本来のテレビシリーズ」。
本放送時にはテレビ放送が開始された時点で完成していたのがたったの6話。未編集ながら素材までは一応出来ていたのがたったの8話しかありませんでした。
あの熱狂のテレビシリーズの大半は「放送しながら」作られていたのです。
30分の本編はおおよそ製作に6週間かかります。
その為、6班でローテーションしながら作り続けることになるのですが、いざ「20話」に到達する段階で「とてもではないが、これ以上満足のいくクオリティでは作れない」ことが明白になります。
その為テレビシリーズはここから「消化試合」に入ります。
あの「19話」で「もうエヴァを止めることは出来ないわ」と言っておきながら20話の冒頭でいきなり止まっています(爆)。
ここからあの「ネルフ、誕生」というここに至って過去話を始めたりと露骨な時間稼ぎに入っていきます。
このスタッフに無限に時間を与えると、映画4本14年も掛かってしまうので、そういう訳には行きませんが、せめて後半を「半年後に再開の分割2クール」にしていれば無事に終わったのかも知れないと悔やまれます。
「分割2クール」などという恵まれた製作体制が実現するのは10年以上も後のことになるのですが。
今となっては推測するしかありませんが、恐らくこの「19話」を皮切りに「最後の大展開」に入り、残り数話を全て使って劇場アニメ規模のトンデモない展開が描かれるのが「本来のエヴァンゲリオン」だったと思われます。
「ふしぎの海のナディア」をイメージしていただければいいかと。
ただ、仮にそうだったとして一番やって欲しかったのは「謎の解明」でした。
結局は「シン・エヴァンゲリオン」でもそれは為されなかったのは前の原稿で書いた通りなのですが、冷静に考えれば我々の前にはトンデモないものが既に存在していたのです。
https://www.youtube.com/watch?v=fduVKdHRP0o
どのタイミングか忘れてしまったのですが、いずれにしても「新劇場版」で世間がそれなりに盛り上がっている時に唐突に投稿されたこの動画は、実はPS2ゲーム「エヴァンゲリオン2」の中身を解説したものだったらしいのですが・・・実は、我々が知りたかったことはここにすべて解説されていたのです!!!!!!
それこそ10年は前にです!
「幻のルート0」なるものが仮に実現したとしても、一番難しいのは「過不足なく『謎』を解明し、視聴者を納得させた上、更に驚愕させる」ことでした。
これまで「不可能だ」とばかり考えていた「全ての説明」それは、ありものの素材をつぎはぎして作られた一視聴者の解説動画で全てとっくに行われていたのです。
私もこの動画を何度となく観ていたはずなのに、それに気が付きませんでした。まるで青い鳥は実家にいた!みたいな話です。
「そもそも全く考えていない」と思われていた「設定」は、その巧拙はともかくも「ちゃんと考えられていた」のです。
確かにエヴァは大ヒットし、その後10年いや20年以上アニメ界に影響を及ぼし続けてきました。
ただ、それは「本放送をぶん投げる」という「やってはいけないこと」によって「枠組み」そのものを破壊することで行われたものでした。
私は「あの問題の最終回だったからヒットした」という議論には与しません。
エヴァは出来れば96年のテレビ版の最終回でしっかり終わるべきでした。
どんなに遅くても97年の劇場版で何もかもちゃんと終わるべきだったんです。
ただ、「それは不可能だった」という結論が一応自分の中で出ていたはずでした。
しかし、与えられた「状況証拠」をかき集める限り、「不可能ではなかった」ことが自分なりに納得できました。
遂に自分の中で真の意味でエヴァンゲリオンが「成仏」出来た気がします。
自分なりにオリジナルの20~26話の脚本でも書いてみるかな。
P.S.エヴァは「ヤマト」「ガンダム」に次ぐ「アニメ第三の波」と言われ続けました。
確かにこの3作の存在は大きいですが、日本のアニメ史そのものをたった3作で語ることなどできる訳もありません。
例えば「ドクタースランプアラレちゃん」などは爆発的ヒットだったわけですが「アニメ〇の波」などとは言われていません。ならば価値が無いかと言えば全くそんなことはありません。
そもそも「スタジオジブリ」一連の作品が「波」とやらにかすりもしていないことからも、これが「一面のみ切り取った」表現であることは明白でしょう。
にも拘らず13年ぶりに語り直しとなった「序」のパンフレットには「この13年の間エヴァを超えるアニメなんか何一つなかったよな?だったら俺たちがもう一度アニメとは何たるかを見せつけてやるわい!」といった意味の「煽り文句」が掲載されていました。
「その意気や良し」と評価することも出来ますが、思い上がった傲慢な言い分だということも可能です。
エヴァは確かに「シリアス」な作品でした。
ならばそれに比べて「けいおん!」や「ガールズ&パンツァー」、「ウマ娘 プリティダービー」が価値が無いとでも?
あくまで「エヴァ的な価値観において、エヴァを超える作品が無かった」(これは事実)と言うだけであって、それ以上でも以下でもありません。
ともあれ、遂に自分の中で決着が着きました。
ここまで読んでいただいて有難うございました!
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