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【小説】骸骨探偵は死の理由を求む

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死者の記憶から死因を探る冥界探偵ミステリー
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記事一覧

骸骨探偵は死の理由を求む 第16話

 私がそういうと皆の視線が集まった。もちろん骸骨探偵も。  ふふん! たまには助手だって…

骸骨探偵は死の理由を求む 第15話

「ねっ! もうこれは幽霊に呪い殺されたとしかいえないでしょ!?」  一通り事件のあらましを…

骸骨探偵は死の理由を求む 第14話 ~河原木の記憶2~

 辺りが真っ赤に染まり始めたころ、ようやくN市の廃病院についた。  実は打ち合わせがてら…

骸骨探偵は死の理由を求む 第13話 ~河原木の記憶1~

 僕は金曜日、いつもどおり大学の授業に出てから部室へ向かった。  文化部の部室が集まる部…

骸骨探偵は死の理由を求む 第1話

目覚めると、私は広大な川岸にぽつんと一人で立っていた。 「ここ……どこ……?」  慌てて…

骸骨探偵は死の理由を求む 第2話

「そんなわけないんですけど」  衝撃の出会いから30分。私はまだこの船着き場にいた。  気…

骸骨探偵は死の理由を求む 第3話 ~私の記憶1~

「今度の祝日、一緒に映画とかどう?」  ここは、サッカー部の部室。  部活が終わったあと、マネージャーの私は部室の片付けをしていたところ、もう帰ったはずの早川先輩が部室に戻ってきて、この一言を放った。 「祝日は練習休みじゃん。だからどうかなって」  続けざまにそんなことを言われた気もするが、あまりにも急な誘いに私は返事もできず、呆然と早川先輩を見た。  こちらを見つめる少し切れ長の目に、高めの鼻。  薄い唇からは爽やかな笑みがこちらに向けられているかと思うと、かあっ

骸骨探偵は死の理由を求む 第4話 ~私の記憶2~

 待ちに待った土曜日。  晴れてはいるが、空気は少し冷たくて秋の気配が感じられる。  普…

骸骨探偵は死の理由を求む 第5話

 私の記憶はそこまでだ。  それ以降は暗闇が広がっていて、どうしても思い出すことができな…

骸骨探偵は死の理由を求む 第6話

 えっ、終わりじゃない……?  既に先輩に殺されて、その先輩も死んだというだけでもショッ…

骸骨探偵は死の理由を求む 第7話

 どれくらい経ったのだろう。  ようやく私は立ち上がった。  そうだ、私は死んだんだ。 …

骸骨探偵は死の理由を求む 第8話

「お別れは終わったか?」  気がつくと、スマホをパーカーのポケットに入れながら骸骨がこち…

骸骨探偵は死の理由を求む 第9話

 あれから2週間。  現世の私はまだ頑張っているらしく、未だ冥土に留まっている。  咼論…

骸骨探偵は死の理由を求む 第10話 ~幕間1 報告~

――コンコン。  扉からノックする音がして、宰相補佐の棄駆《すてく》は書類から目を離した。  「入れ」と伝えると、すぐに部下の夜臼《やうす》が入ってきた。  相変わらずキビキビとしたいい動きで机の前に立ち、キレのある敬礼した。 「報告します。  例の生者ですが、今のところ特に変化はなく、相変わらず船着き場で業務をこなしているとのことです。  こちらが本日の報告書になります」  両手でビシッと差し出されたシワひとつない報告書を、棄駆は片手で嫌々受け取った。 「そ