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近況:でもでもだって

「ハードルをどんどん下げましょうね。上げたいと思うでしょうが…ね?」

カウンセラーが両手を上から下へ押し下げる動作を、私は笑いながら真似をした。下げるというのは、自分に対するハードルだ。
勉強したいと思っていたのに結局できていない。日記も続かない。毎日できていることといえば、ご飯を食べて薬を飲んで眠っていることくらい。何かしようと思ってもふわふわしてばかりで。そう不満を打ち明けた私に「今はそれでいいです、それぐらいで十分ですから。」ってなだめる。そしてお互い困ったように笑うのだ。

新しいことが分かった。
私のうつは、反復性うつ病ではないかと医者が考えていること。
その言葉を聞いた時、「はんぷく…」とよく分からずに繰り返した。
要は、うつ状態から抜けても一定期間でまたうつ状態に戻る。
ハイになる躁鬱とはまた違うそうな。躁ほどではないが、波がある。
そして女性の場合は生理周期が関係する場合もあるとかないとか…?
調べてもなんだかうまく理解できないので、何とも言えないけども。
とにかく「調子良くなってきたかも!」と思ってもまた少しすると「むりぃ」となる。それはそう。

いよいよ本当に仕事に就くとしても支障が大きい。こんな未来が待ってるとは20代の自分には想像できなかっただろう。もはやきっかけが何であれ、原因を突き止めて取り除けばOKでは済まない。寛解を目指すというよりは、長い目で見ながら共存していくことが望ましい。

「どうしてこうなっちゃったんだろ」と思い呆然としたが、生きてはいる。お腹だってすくし、排泄だってしたいし、笑うことだってもちろんある。別に何の病気でいようと私が私であることには変わらないし。自分の理想から離れた自分になったことを嘆いても、過去は変えられない。戻れないなら、今の自分を受け入れてさらに新たな理想を目指すしかない。

まあうつを受け入れること自体が難しいんだけど。

だってさ。風邪引いて治ってきた!元気になったら何しようかな!って思って数日過ごしたらまた風邪ぶり返すみたいな。そんな繰り返しだよ。その「治ってきた!」っていう気持ち返してくれよ。何だったら、なんでぶり返すんだよ。元気になってきてたじゃん。だってさ、だってさあ。
やりたいこともやらなきゃいけないことも山ほどあるんだよ。こんなことしてる場合じゃないんだよ。なのにさ?あんまりだよ。

なんてぶーたれながら抱き枕をぎゅうぎゅう抱きしめてはため息を吐いている。

甘えてるだとか、実はだらけてるだけなんじゃないかとか。
言いたい奴には言わせておけ。知らないなら知らなくていいよ。
だって誰よりも自分が自分のこと責めているんだから。
誰かに言われなくても、思われてなくても。

そう。私はずっと怒っているのだ。
持て余してばかりいる自分と、何もできない自分に。


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