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天沢ましろ
2021年9月6日 04:30
記憶とは厄介なものだ。忘れたくないことほど零れ落ち、忘れたいことほどこびり付いて離れない。時間が経てば薄れるはずのことも、なぜか体の中が痛むほどまでに。たった今、私の目の前にいてくれる人が、直接耳の鼓膜を震わせ言葉を伝えているというのに。勝手に記憶から呼び起こされた過去の誰かの言葉が、私の脳内を駆け巡りキレイに掻き消してしまうのだ。そのうち気にならなくなるよ。自信がつけばどうってこと