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元本割れのリスクを取って個人年金を解約するか試算した話

人間は自分の失敗を認めたくない生き物です。

良かれと思ってやったことが実は不利益だと知ったら…大人である人ほど頑なになってあれこれと理由を探して自分の行動を肯定しようとしてしまいます。

ですが、失敗がなければ成功もありません。

子どもの頃を思い返せば、一度で上手くいかないことなんてたくさんありました。大人になった途端、選択をひとつも間違えられないなんてあり得ないですよね。

間違えても、失敗しても、損してもいいんです。

損したらちょっとは落ち込むけれど、次は成功しようと切り替えればいいだけです。

という訳で、今回は新卒で契約した個人年金・終身保険を解約するか続行するか、私が決断した際の思考の一部始終をまとめてみました。

※あくまで個人の試算・考察です。


そもそも個人年金を契約した経緯

私は一度目の転職で外資系に入って、給料がどかーんと増えました。

それこそ中年の役職持ちのおっちゃんくらいの年収に。六本木ヒルズで4万円のパジャマとか普通に買っていました(黒歴史)

そして「節税」に関して調べはじめたのです。

ファイナルシャルプランナーの無料セミナーに行き、関連本を読み漁って、投資と節税を同時にはじめました。

このとき知った情報が、生命保険や個人年金が所得税の控除の対象になるということ。つまり所得税が安くできるという知識を身につけ「すごく良いことを知った!」と意気揚々と保険会社を訪れました。

保険を直接契約しなかったのは、畑違いのものはプロに任せた方が良いと思っていたからです。保険の窓◯に行って、節税ギリギリになる値段で試算してもらい、2つの保険に入りました。

担当者に「節税のために入りたいので、最高控除額の8万円がもらえるぎりぎりに設定したいです」と言ったら「若いのによく知ってますね」と言われて調子に乗っていました。

(*´σー`)エヘヘ←こんな心境だったことを認めます。

しかし、今になって思えば保険屋さんにとってはすごく良いカモだったことでしょう。

それに気づいたのは数年たった2021年のことでした。


投資のリターンと年金で得られるリターンの話

きっかけはリベラルアーツ大学というYouTubeで「個人年金保険は不要」という内容の動画を観たことでした。

※YouTubeは鵜呑みではなく参考程度にみています

『個人年金を節税効果でお得だと思ってはいった人は間違っている!!』

「え、私のことじゃん!」と思いました。

個人年金なんて超低利回り。入る価値はない。

そう言われても、冒頭で述べたとおり人間は間違いを認めたくない生き物です。少しでもリターンが得られるなら悪いことではないと思っていました。

しかし冷静になって今得ている投資のリターンと年金のリターンを比べてみることにしました。


年金の節税&リターンと投資運用の試算をしてみた

まず、保険が年間どのくらいの節税効果があるかです。

私は2つの保険に入っていて、それぞれ控除が受けられる最高額ぎりぎりを支払っています。実際に年間支払っている金額は17万円ほど。

これで節税できている所得税は年間4,000円でした。

想像以上に少ないです。保険にはいる当初も試算はしたと思うのですが、当時は少しでも安くなることに目が眩んでいたのでしょう。

よくよく考えれば、経費になる支出を月7,000円ほど増やせば同額の所得税を減らすことができます。


続いて、今後保険を払い続ける14年間のことを試算します。

このまま保険に加入し続けると

・14年間所得税が4,000円/年節約できる → 56,000万円のお得

・14年間で238万円払って、24年後に440万円受け取る →総合リターンは30年で約100万円

何もしないで銀行に預けておくよりは確かにお得です。

比較的金利の良いネット銀行に定額で預けたって10年で5,000円程度しか増えませんから。

もし今保険を解約した場合、必ず元本割れします。

解約返戻金は大体50〜70%で、私の場合はおよそ30万円損をするという結果になりました。


さて、ここからは投資のリターンの話です。

全く投資をしたことがない状態ではどのくらいのリターンをだせるのかは運用の仕方や人によって異なります。私はすでに5年ほど投資の経験がありました。

これまでの資産運用の結果を改めて計算すると、投資収益率が14〜20%であることがわかりました。

つまり100万円を1年間置いておくと114〜120万円になっているということ。決して高いリスクは取っておらず、基本放置です。それでもこのくらい。

これらを踏まえて、今後支払う予定の年17万円を投資で複利運用した場合、14年後にどうなっているか。

15%の収益率で運用できた場合、252万円が846万円。594万円の利益がでる。

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20%の収益率で運用した場合、252万円が1300万円。1,048万円の利益がでる。

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つまり今の投資スキルでそのまま投資額を増やせば、14年後に500〜1,000万円の利益が得られるということです。

保険を解約して投資運用に変更した場合、現在の運用成績と同じくらいでこのような試算になりました。

30万円の損失と5万円程度の節税効果を差し引いても圧倒的にリターンが良いです。


このまま個人年金を支払い続けるメリットとしては、

☑︎元本割れしないこと

☑︎自動的に貯蓄できること

☑︎確実に100万円増えること

解約して投資運用に切り替えるとメリットとしては、

☑︎かなり資産を増やせる可能性がある

☑︎自分で運用できる金額が増える

こんな感じの結果になりました。

もちろん失敗するリスクはあります。しかし、予想以上に大きな違いがでたことに驚きました。


まとめ

今回試算してみてわかったのは、確かに個人年金や生命保険を"控除目的"で入るメリットはほとんどないです。

年4,000円の節税のためだけに入るなんて、それこそ保険会社さんの思うつぼだったなと反省しました。

しかし貯金を積み立てるのが苦手な人、資産運用を考えることに時間を取られたくない人にとってはとても良い仕組みだと思います。

私はここ5年ほどで投資の勉強をするのが楽しくなってきて、たとえ損失をだしても大ごとになる前に損切りできる判断力が自分に身についたこと、ゆとり資金のみで運用していることが自信に繋がりました。もちろん油断は大敵ですが。

なので、自分で資産運用することを楽しめる人、損しても特になんとも思わない人(ちゃんと生活費と別にして「ゆとり資金」で運用できる人)は保険に入るよりも自分で運用した方がいいのではないかと思います。

今回の試算はあくまで一例なので、参考までに留めてください。

投資を運用するか、保険に入るかなどは人によって状況が違うので、自分が納得できる範囲で結論づけるといいと思います。

ではでは。


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数ヶ月ずつ滞在して「どの国に住みたいか」を考える自由研究をしているフリーランスの考察・感想です。このnoteは移住計画の頭の中を綴っています。よろしくお願いします。