私の、頭の中の相棒。

私の頭のなか中には、天真爛漫なのに、繊細で気難しく、傷つきやすい、ちょっと皮肉屋な女の子がいます。

たぶん小学生くらいの女の子です。(イメージとしてはちびまる子ちゃんです)

多重人格とか、そういう意味ではありません。あくまで、イメージです。

彼女は私のほんの一部、自我の切れ端ようなものなのかもしれません。



彼女は私が嫌いです。

大人になってしまった私を「あんた、可愛そうな女だね」となんだか上から目線であざけり、笑ってきます。

いつもそうです。訳知り顔で、むかつきます。

子供のくせに。



私の方も彼女のことが苦手です。

いつも欲張りな彼女は、ワガママ、無理難題を私に言っては困らせるからです。

「お菓子を腹いっぱ食べたい」

「かわいい物が欲しい」

「仕事、行きたくない」

「家でゴロゴロしたい」

「やっぱジャージのほうが着心地がいいから。着替えて」

「何でもいいから、やりたい事をやればいいじゃん」

「読みたい漫画はたくさんあるし〜、ウクレレも弾いてみたいし〜、海外旅行もいいねぇ」

いや、いや、いや、いや、全部は無理…


なので、私は、極めて合理的かつ理性的に、自分の行動を決めて実行します。すると、彼女はだいたい、私の決めた方針が気に入りません。スネたり、駄々をこねたりします。

やれ、「あれが欲しい」だの

やれ、「これがしたい」だの

頭の中で暴れまわり、悪態をついてくるのです。

正直、うるさい。

うるさくて、うるさくて、たまらない。おとなしくして!


そう思っていました。




だけど、いつからか彼女の声が聞こえなくなっていたことに、最近気がつきました。


私がうつ病になり、3ヶ月が経ち、症状はだいぶ回復してきました。

うつ病から回復するためには、楽しい事を見つけて、思いきり楽しむのが良いとのことで、私は、ひさびさに彼女に問いかけました。

「何か、したい事はない?」

「………」

私のその質問は、誰にも届く事なく、消えていきました。


「これは?前は好きだったよね?」

彼女が、かつて好きだった、本や音楽、やりたいと言っていたウクレレを与えてみますが、反応はありません。


私は焦りました。あの子がいないと、楽しい事がわからないからです。

彼女は欲の塊です。

好奇心の塊です。

私の楽しい事センサーなのです。

彼女無しに、私が楽しめる事を知ることなどできないのです。



「今まで、無視して、ごめん!」


「これからは一緒に楽しい事をしよう!!」



そう語りかけて、私は、気がつきました。

これは、BLEACHのソウルソサエティー編の剣八状態じゃないか!?と。




まだまだ、私は大丈夫です。(BLEACHを知らない方はこれを機に

ぜひ読んでください)

自分の力を過信して、斬魄刀の力を蔑ろにしていた剣八が、主人公の一護に負けて、自分の斬魄刀に初めて語りかけるあのシーン。泣けますよね。




私、今、あの状態なんじゃね?


そう思うだけで、元気になれる。

本当にオタクをやっていてよかったと思います。


そうんなふうに、元気になると、私の頭の中の相棒も、くすくすと笑っている気がしてきました。




私の頭の中の相棒は、まる子じゃなくて……お前だったのか。



(追記)

結論

落ち込んだ時、救ってくれるのは、いつだってオタク魂。

だからもういい。私はオタクとして生きていく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?