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「あんた、食べてみな!ぼる塾 田辺のスイーツ天国」が名著だった話

スイーツが好きです。

軽く遠出をすれば毎回デパ地下に行き、有名ブランドの看板商品、期間限定の新作、聞き馴染みのない珍しい掘り出し物などをチェックするべくひたすらフロア内を回り続けます。

そんな生活の中で、たまたまテレビ越しに出会ったお笑い芸人カルテット ぼる塾の1人、田辺智加さん。はじめはとある番組でパン屋さんについて色々お話をされているのを見かけて、田辺さんってパンが好きなんだなと軽く思っただけでした。

それから時々おすすめスイーツについて語られているのも見て、自分も好きだから楽しい話題だなとなっていました。そして、田辺さんに対する何気ない感情が一変し、共感とリスペクトにメーターが振り切ったのが、深夜あたりの番組で確か東京のデパ地下かなにかにロケをされていたのを見た時です。


「私、ラデュレのマカロンが好きなんです。こういった魅力があって、本当に美味しい。」


そう、ショップの前で言われていたのを見た瞬間、衝撃が走りました。田辺さん…………なんて良い人なんだ………………!

私はマカロンが好きなんです。真面目に想いを寄せるようになってから10年が経ちましたが、マカロンって気軽に手に取ってもらうのは難しいスイーツだとずっと感じていて。だからおすすめするというのも簡単なことではないなと。そんな状態に色々ジレンマを抱きつつも、マカロンといえばまずピエール・エルメ・パリかラデュレという確固たる信念を持ち続けていました。

そんな私の耳に飛び込んできた田辺さんのラデュレのマカロンは美味しいという言葉。分かる、分かると感情が溢れるのと同時に、強く思いました。きっとこの方の舌はとてつもなく信頼出来るのだと…………!


田辺さんが旬なスイーツ女王としてテレビで活躍される場面が増えると嬉しくなりましたし、番組で特集があれば放送を楽しみするようになりました。そしてしばらくして、田辺さんがご自身の誕生日にスイーツ紹介本を出すという情報を知りました。

すごく…………………気になる…………………!

しかし多少気がかりな部分がありました。私は芸能人の方が発行された本というのを今まで買ったことがなかったのです。話題の人が出した本何冊かをチラッとめくってみたことはありますが、それ以上食指が動いたことはありませんでした。

まあでも、とりあえず見てみなければ評価は出来ないなとなり本屋に行き、グルメガイドの棚にあった発行したてホヤホヤの本を手に取りました。


最初にある「はじめに」と「スイーツの掟」でもう心を鷲掴みにされました。


田辺さんは小さい頃から上質なものをとお母さんの「英才教育」を受けていたと書かれています。ですが、けして数々の立派なスイーツは当たり前ではなくて、今でも特別な存在だと思われているのです。そこにまず田辺さんの中の「上質なものへの価値」を知り、素敵だとなりました。

また「スイーツの掟」では自分が大切にしている部分を田辺さんも同じように掲げられていたり、これは肝に銘じよう!となったところもあったりと、スイーツへの価値観の共通に喜ぶのと共に、田辺さんの想いの真っ直ぐさを感じたのでした。

本作では92品のスイーツが5章に、そしてぼる塾メンバー各自におすすめしたいものを3品ずつ紹介されています。ここぞ!というそれなりのいいお値段のものありますし、お手軽なものもあって種類がバラエティ豊かにあってそんなところも良いなと。

紫野和久傳の西湖やフロインドリーブの大ミミ、たねやのふくみ天平にBABBIのグランワッフェリーニ、そしてVerdierのレザンドレ・オ・ソーテルヌ"貴腐"など、自分が大好きだと思うスイーツにはとにかく胸が踊りましたし、VESTRIのアンティーカ・ジャンドゥイア3 クラッシコはもう一度挑戦したいとなりました。DEMELのクッキーや御座候の赤あんは食べたことがあるので、ぜひおすすめの生クッキーや白あんを食べてみようと固く決意しました。パティスリー・サダハル・アオキ・パリはどのお菓子もクオリティが高くて好きですが、コンフィチュールにはまだ手が届いていなかったのでこれは食べるべきだなと。まだ抹茶スイーツが苦手だった頃、ここの抹茶のショコラを食べたときにこれは!美味しい!って衝撃を受けたので、コンフィチュール マッチャ アズキも楽しみにしています。

お店の名前は聞いたことあるものや、今まで知らなかったものも色々あったので、可能な限り自分の舌で確かめてみたくなって。あとにしき堂の生もみじは数日前に偶然職場でもらって初めて食べたので掲載されているのに盛り上がりましたし、フランス菓子16区のダックワーズは買える機会があったのにうっかり逃したのでやらかした!と悶えたりもしました。

そしてこの本で更に田辺さんへのリスペクトが跳ね上がりました。JEAN-PAUL-HEVINのマカロン キャラメルインを紹介されているページに「マカロンは好き嫌いが分かれると思うけど、おいしいものに出会っていないのでは、と思います。」と書かれてあったのです。


あまりにも…………田辺さんは………私の心の代弁者だ………!


数ページめくった時点で8割ぐらいは本を購入するのを決めてはいましたが、パラパラとめくってこの一文を目にした時に絶対買おうと完全に決定事項になったのです。マカロンは色々難しいゆえに好き嫌いが分かれる、と長年嘆いてはいましたがぜひとも良いものにチャレンジしてほしいとマカロンが苦手な友人に言ってみたり、SNS上で細々と口にしていた中での田辺さんのこの金言。この言葉がたくさんの人に届いてくれると嬉しいなと願うばかりですし、こういってくださった田辺さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

ここのマカロンは私も好きで何度か食べていますし、ガナッシュの美味しさからチョコレートの項目にて紹介されているのにも納得で。そんなところも好きです。

購入してじっくりと全てのページを読みましたが、あれもこれもと食べたいものリストが膨れ上がりましたし、これからもスイーツを愛したいと誓いました。田辺さんは2冊、3冊と出したいといわれていますが、続編を本当に楽しみにしています。

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