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宝塚は「三次元の二次元」である

私はいわゆる「オタク」です。

初めまして、読んでくださってありがとうございます。真霜(ましも)と申します。

2018年9月27日、ぼんやりとした無職だった私が本屋でたまたま手に取った「宝塚GRAPH 10月号」から、宝塚歌劇団という大海原への航海が始まりました。

100年以上という歴史が詰まったこの世界、いくらでも潜れば潜るほど底は見えず、漕ぎ進めども新しい景色は日々更新されてゆきます。これは、ジャンルとして果てしないものではないか、と震える毎日です。

最初に私は「オタク」だと書きましたがもう少し詳しく分けると、漫画・小説・アニメが主に好きな「二次元を愛するオタク」です。物心ついたときから特に美少年・美少女を愛でており、己の理想は平面でしか存在しないと長年強く思っておりました。

そんな私が成人してしばらく経った頃に嵌まった宝塚歌劇団。バリバリの三次元じゃないかと父親にすらいまだに驚かれています(親すら私の認識は「二次元漬け」だったのであろう)

何がそんなに私の心を強く惹き付け続けるのか、改めて考えてみたいと思いここに記すことにしました。

1.とにかく顔が良い

こいつ、身も蓋もないことをいったなと思われていそうですが。

宝塚って堂々と「顔が良い」といっていいジャンル、だと思っているんです。

とあるバンドが好きだった頃、顔ファンはどっかいってというコメントを多く目にする機会があったりしました。

あの頃の私はウブな学生で、まあ色々と深く考え込んでしまってその言葉に影響を受けたりもしたのですが……実在する人たちに顔が好き、と思うことは気を付けなければ……となっていて。

しかし宝塚はまずビジュアルありきが前提ではないですか。顔が良くてスタイルが良い人を集めて、更にそれをより良くしていく。

そんなわけで見た目が良い人たちがゴロゴロというのが当たり前。そしてそれを愛でるというのが当たり前。

しかも動いて、喋って、温度がある。

最高じゃないか。

また所属人数が多いため、それぞれの美しさを持つ人たちばかりでまさに選り取りみどり。楽園はここにあったのか、ありました。

つい最近買った雑誌もページをめくれどもめくれども顔の良い人たちばかりで、今一体何がこの見開きに起きている……!?と私の脳は小宇宙へと飛びました。

ちなみに私の好きな容姿の方はぶっちぎりで宙組 芹香斗亜さんです。いつ見ても結婚したいと思います。

2.圧倒的な情報量

多い。とにかくなんでも多い。

私は「タチの悪いオタク」でもあります。何せとにかく飽きやすい。

小さい頃からこの作品大好き!今も嵌まってる!というのがある方が大変羨ましい。私の本棚在住歴で1番長いのは中学生の時から買っている漫画が一作品。小学生と高校生の時に集めていたものはもう存在しない。ほぼほぼ社会人になってからのものばかり。

熱しやすく冷めやすいが極端すぎて、ガーッと嵌まった後にサーッと手放してゆく。一旦手放したらほとんど未練はないんです。でも興味はたくさんあって色んなものに手を出してしまう。そしてサイクルが早い。

だから宝塚に嵌まった当初もヒヤヒヤしていました。いつ熱は冷めるのだろうか……まずチケット自体手に入るものではないから、しばらくしたら落ち着いてしまうのではないか……と。

しかし、初めて興味を持ってから約1年半。熱は引くどころか温度がどんどん高くなっています。意外とチケットは入手出来るというのもありますが、まず情報・種類がわんさか溢れているというのが大きいです。

花・月・雪・星・宙という5つの組に約80名ずつ、そして専科というベテラン勢が所属するところがあり劇団全体では400名以上が在籍しています。辞める方もいますが毎年約40名が入団されるのでどんどん新しい状態に。

その大人数を追っかけるのに加えて、上演される作品も増えるばかり。各組がぐるぐると回りながら年間スケジュールが展開され、宝塚・東京の専用大劇場公演の合間に各地の小劇場でも実施されます。1年間の中で同じ作品を繰り返しはやりません。厳密にいうと大劇場でやったショー作品を後程の小劇場でもやる、というのはありますがメンバーが異なり、構成も一部変わりますので別物として楽しめます。

そんな感じでひたすら追いかけるものでパンパンになるわけです。1人の方、1つの組をずっと応援する方法も勿論ありますが、こんなんなので全組を追いかけたい。特には星組、とりわけ礼真琴さんが好きですけど、皆さんが大好きです。

今月はまず初旬にこの作品を観たから○組が熱かった!次にこの作品を観たから中旬は△組が熱かった!最後にこの作品を観たから下旬は□組が熱かった!と切り替えられるのも、長く嵌まっていける理由だと思います。

3.美しきタカラジェンヌの絆

オタクは関係性ってやつが大好物じゃないですか。

漫画で特に会話してなくても同じコマの中に入れば、いくらでも考えることが出来る。相関図で矢印が何かしら向いていればひたすら深読みする。まさかここに来てAの仲間にBが加わるだと……!?ってなるとテンション爆上がりですよ。ええ。

そんなさまざまな関係性を堪能することが出来るのが……宝塚の怖いところですよ……。

先輩後輩の期待してるよ、お慕い申し上げます、な上級生×下級生もあり。

本当の兄妹(姉弟)・恋人・夫婦のような男役×娘役もあり。

賑やかさとフランクさがたまらない友人!な同期×同期もあり。

組替えをすればまた新たな関係性が生まれるし、接点がなさそうに見えて実は仲良し、なのもあったりしOGと現役生というのもあり…………もう誰かと誰かが話しているだけで尊い。インタビューをむさぼるしかないです。

私は普段見せることがないような素顔が見れてしまう同期トークが大好きで、宝塚GRAPHの同期紹介コーナーを楽しみにしています。

あと最近のおすすめは専門チャンネル タカラヅカ スカイ・ステージの「ゆるりふんわりふたり。」!!!とにかく!観て!ほしい!

4.芸名と愛称のギャップ

ギャップってずるいなってたびたび思います。私ギャップ大好き。なんせツンデレがとても好きだから。

舞台上ではキリッとパリッと格好良く、美しくなタカラジェンヌたち。しかし舞台を降りてしまうと、芸名な部分から皆に呼ばれている愛称の部分が姿を覗かせます。

低音が素敵な王子様みたいな男役さんが、実は地声は高くてほんわかしていたり。高音が素敵なお姫様みたいな娘役さんが、実は地声は低くてチャキチャキしていたり。

とっても男らしい姿で料理や裁縫が得意だったり……あんなにも可憐だけどスポーツ万能だったり……公演中はなんでもこなすプロフェッショナルなのに、実はドジっ子で忘れ物しやすかったり……とにかく色んな面が見えてきます。

またタカラジェンヌって、私たちとは違う「俗世から離れたところにいるお嬢さん」ってイメージが強かったんですけど。意外と好みが普通、普通なんですよ。スナック菓子が好きだったり、ゲームに嵌まってたり、流行りの音楽を聴いていたり、ドラマの胸キュンしぐさで盛り上がっていたり。当たり前……なんでしょうけど親近感が湧いてときめきます。

月組 鳳月杏さんの素敵ギャップ加減によくやられています。

5.厚待遇すぎる福利厚生

この作品が好きだけど、まだグッズはない。長年オタクをやっているとよく遭遇するこの状態。連載が開始されたばかりの漫画とか、放送が開始されたばかりのアニメとか、まあ~~よくそうなってしまうわけで。

宝塚はどうかな……と思っていたら、わんさか出るんですよなんでも。

公演初日にはプログラム・写真・各種グッズがドバーーーッと出る。しばらくすれば場面の舞台写真も出る。ポストカードやステーショナリーも出ればキーホルダーやアクリルスタンド、ポスター等もいつの間にか出てる。

雑誌も毎月出るのが2種類ある(歌劇という文字多めのと宝塚GRAPHという写真多め)

BD・DVD・CDもコンスタントに出る。宝塚・東京とまとまった期間でやる大劇場公演なら、なんと公演中に発売される。一体何が起きているんだ。音楽配信サービスもあり1曲から買える。ディスク化されていない作品でも曲は買えたりする、とてもありがたい。

ただし、どうしても下級生になると得られる情報・グッズは限られてくるので血眼になって探してしまいます。最近は雪組 縣千さんが熱いです。


色々と書きましたが、まとめるとタイトルの「宝塚は三次元の二次元」になってしまうなと。実存しているまるでキャラクターのような容姿の人たち。中身は大変興味深くて素敵。

嵌まってすぐの頃、あまりにもこれは駄目だ深いと思いオタクは宝塚はやめておけ、なんて呟いていましたが、もう今は潔く嵌まれ、こんなにもオタクと相性がいいから皆嵌まれ、と堂々としています。

思っていたよりも敷居は高くないので、趣味を広げたいと考えている方、宝塚はいかがでしょうか。さて、それでは私は星組 ロックオペラモーツァルトのBDの続きを観ることにします。


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