伝えたいのは文字じゃないの、気持ちなの。
話を文字としてインプットしてる限り、
人の話を聞くことはできやしない。
言葉を暗記して繰り返す。
それが聞くことだと思っていた。
話というのは、
伝言でも連絡でもなく、
会話なのだ。
伝えたいのはね、気持ちなの。
だから、
悲しかったね。
寂しかったね。
ツラかったね。
苦しかったね。
嬉しかったね。
楽しかったね。
相手の気持ちを鏡のように映せたときが、
話を聞けたときなのだ。
相手が犬や猫の場合は、
気持ちを探ろうとするのに、
人間になると話を文字として記憶する。
そして、なまじ言葉が通じてしまうために、
理解できていると勘違いしてしまう。
犬がワンワンと言ったこと。
猫がニャーニャーと言ったこと。
それをちゃんと聞いている。
と言ってるようなものだ。
あえて断言するなら、
会話に言葉は必要ない。
むしろ邪魔になるといえる。
言葉を過信しすぎてはいけない。
人は本当に伝えたいことを口に出さないもの。
本当は辛いのに大丈夫って言ったり、
怒ってるのに怒ってないって言ったり、
不満はあるのに別にいいよって言ったり、
そんな気持ちと言葉が一致しないことは、日常にありふれている。
好きの言葉も、
愛してるの言葉だって、
なかなか言えるもんじゃない。
だから、
特別な笑顔を見せたり、
手をにぎったり、
頬を染めたり、
肩に寄り添ったり、
抱きしめたり、
そうやって伝えてるんじゃないかな。
皮肉なことに、
言葉の通じない者同士こそ、
相手の話をよく聞こうとするものだ。
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