見出し画像

ブロックチェーンについて詳しくなってしまう記事

1.5G時代の4種の神器

5G時代に欠かすことができない4種の神器について紹介していきます。

1.ⅠоT(データを集める):Internet of Thingsの略称。
従来インターネットに接続されていなかったモノ(センサー機器、家電製品など)がネットワークを通じて、インターネットに接続され、相互に情報共有ができる仕組みのことです。
例として、Dysonは人工知能機能搭載の掃除機の開発を行っています。
また、ベンチャー企業の例として、南アフリカのルムカニが挙げられます。この企業は、スラム街の火災を事前に防ぐ為にIoTを組み合わせた火災報知器を開発し、低価格で販売しています。

画像1

2.クラウド(データを保存する)
ネットワーク経由でユーザーのデータを保存し、また、ユーザーにサービスを提供する形態のことです。

~クラウド市場のシェア率~
1位:AWS(amazon)45%←ダントツでTOP
2位:Azure(Microsift)18%
3位:アリババ 9%

画像2

3.AI(データを活用する)
AIはIoTとクラウドで集めたビッグデータを社会の中で活用するための手段として注目されてきています。

画像3

そしてこの記事のメインテーマである
4.ブロックチェーン(データを管理する)

2.ブロックチェーンって何?

ブロックチェーンって一体全体なんなの?

実は、ブロックチェーンは4つの技術が組み合わさってできています。

1.暗号化技術
1回ごとの取引の記録が暗号化されることを意味し、セキュリティ対策に不可欠な技術です。ブロック管理によって暗号化されています。

*ブロック管理
簡単に言えば、それぞれ安全に梱包した一つ一つのもの集めて1個の箱にまとめて、箱にまた封をすることです。
また、箱に封をした順番を誰にでもわかるようにするためにチェーンでつなぐ。これがブロックチェーンです。
例えば、ビットコインだと、1ブロックに4200件の取引データが入っており、ブロックに封をするのに約10分掛かります。

2.コンセンサスアルゴリズム
箱に封をするときに、その箱の中に正しい情報が入っているかみんなから確認してらう「合意形成」の作業のことです。
これによって、取引の連続性を保ち、過去のデータの改善をふせぐことができます。

3.ピア・トゥ・ピア(P2P)技術
コンセンサスアルゴリズムを行うのを可能にするのが、個々の参加者同士が通信するピア・トゥ・ピア(P2P)技術です。
この技術で分散型ネットワークをつくると、どこか一か所のPCやサーバーが故障(単一障害)したとしても、ほかの参加者が同じ情報を持っているので大丈夫となります。

4.DLT(分散型台帳技術)
P2P技術でつくる分散型モデルの中の、1か所1か所に台帳を持っている状態です。例えば、銀行の口座データに問題が起こったとしても、もし、みんなが預金通帳のデータを持っていれば、大丈夫となり、データの改ざんにも強くなります。
しかし、預金通帳を他人に見られるのはかなりの問題です。この点がブロックチェーンのデメリットです。あくまで、プライバシーに直結しない情報を入れるのがブロックチェーンの正しい使い方となります。

3.ブロックチェーンの最大の運用例「ビットコイン」

画像4

ブロックチェーンの最大の運用例として、ビットコインが挙げられます。

仮想通貨はブロックチェーンのテクノロジーによって実現しています。(ブロックチェーン≠仮想通貨)

まず、ビットコインというのは2008年にサトシ・ナカモトという人が論文で仕組みを公表しました。そして、2009年の1月3日にブロック管理上に最初のブロックが作られ、ビットコインが初めて発行されました。

ビットコインの特徴は、発行主体を持たないが、ブロックチェーンによって誰でも利用者または参加者になることができ、そのプログラム自体や取引履歴が検証できるようになっていて、透明性・信頼性が高い仕組みになっているところです。

「発行主体がいないなら、どうやって新規発行するの?」と思いますよね。
答えとして、ビットコインは分散型で管理者がいないため、ビットコインのプログラム自体が、マイニング(ある値を導き出す非常に複雑な計算クイズのようなもの)の勝者のインセンティブ(取引毎の報酬と新規発行されたビットコインをもらえること)として自律的に新規発行する仕組みとなっています。

発行量の限界
ビットコインは非常によく練られていて、インフレを防止するために発行量が最初から決まっています。タイムリミットについて言うと、2140年に発行予定量100%になります。限られた数量しかないビットコインには稀少性がでるため、価格が上がります。このようにビットコインは値上がりしやすい構造になっているのです。
ビットコインブームと「大馬鹿理論」
2016年~2017年にかけて、ビットコインが投機商品として、注目され価格が上昇しました。
なぜ、人々はビットコインを買ったのか?
これについて、ビル・ゲイツ氏は「大馬鹿理論」と評して話題になりました。これは、値上がりしているものを実態に関係なくひとまず買って、遅れて買おうとする馬鹿な人(さらに馬鹿な人)に高く売るという構図です。
売買されるもの事態に本当の価値があるかは関係ないというわけです。
ビットコインの大暴落「ラストデイ」
ビットコインには2017年の暴落の比にならないほどの大暴落が来る危険性があります。というのも、ビットコイン発行量の9割を上位1%が保有しており、特定の人に偏っています。
なので、ビットコインが発行される間は値上がりする構造にあるが、その後は永遠に値上がりするとは限りません。
もし何かの要因で大口保有者が売り出したら、大暴落するでしょう。
ビットコインは通貨になりえるのか?
2017年4月に日本で世界で初めて「決済手段に使える財産的価値」と国レベルで定義されました。ここで$PYPLや$SQといった銘柄が注目されますが、先述した通りビットコインの9割は上位1%が保有しているので、決済に使われるビットコインはせいぜい2%ほどでしょう。
あくまでボラティリティ(価格変動)の高い金融商品の1つとして考えています。
仮想通貨のシステム
これを理解するために、お金を2種類に分けようと思います。
・オープンループ型
今の世の中で一般的に流通している一般的なお金です。
発行は管理するけどその先どう流通するかは管理しないのが特徴です。
・クローズドループ型
電子マネーが典型で、発行と、それがどう流通しているかを管理できるのが特徴です。
仮想通貨はオープンループ型なのに流通が記録されるという点でお金としては理想的な面を持っています。

ビットコインについてまとめると、発行量に限界があるため値上がりしやすい構造で、また、オープンループ型なのに流通が記録される点でお金として理想的だが、保有者が特定の人に偏っており、大暴落する危険性があるため、通貨ではなく「決済手段に使える財産的価値」である。

4.ブロックチェーンの普及を阻むもの・障壁

画像5

まず、ブロックチェーンは今の段階ではビジネスとして成り立っていません。

なぜなら、ブロックチェーンの非中央集権型・分散型は現代社会の中央集権型に適合するのが困難で、また、ブロックチェーンを利用したサービス運営の基盤となるオープンソースを作るのにはかなりのお金がかかるからです。

なので、今までの技術で問題なく動いてきたシステムを無理にブロックチェーン技術に変更する必要はないのです。

法律は越えられない
不動産を例に挙げましょう。「ブロックチェーンで所有権の管理を効率的にやる」という話があります
しかし、現時点で土地の管理を行っているのは、政府の法務局です。
既存のやり方で法的に管理されているものは、ブロックチェーンを導入しても無理です。
ブロックチェーンに向かないこと
①1件あたりのデータが大きい場合
②特定のデータのみを検索してすぐ取り出したい場合
③管理対象が個体管理に向かない場合

5.ブロックチェーンが拓く未来

画像6

自律分散型組織(DAO)とは
DAOは、ブロックチェーンやAI、ロボットなどのシステムが、私たち人間を自動的に使う世界です。
例えば、ビットコインでは、あるシステムが運営しているわけではないが、その中でとても大きなお金が回っていて、人々はビットコインをめぐってざわざわと心動かされています。
自律して分散されたシステムや技術(スマートコントラクト)に人間が動かされているわけです。

スマートコントラクト
ブロックチェーンのシステムの中に、ルールやレギュレーションを組み込んで、自動的に動かす技術のこと。人間の介入がなく自動的に取引が行われるため、スマートコントラクトと呼ばれています。
RPA(業務効率改善)
RPAはパソコン内のソフトがロボット的に人間の働きをしてくれるという意味です。

3つのコミュニティのパターン

画像7

左の図は中央集権型で、GAFAのやっているビジネスモデルや現代社会の仕組みがこれです。
ブロックチェーンには不向きです。

真ん中の図は非中央集権型で、DAOの世界がこれです。
LINEが例として挙げられ、大枠の中に様々なサービスが小さな中央集権となって、散りばめられています。

右の図は分散型で、ビットコインの世界がこれです。
管理主体が完全に存在しません。

組織はヒエラルキーからホラクラシーへ
これから、組織は私たちが慣れているピラミッド型組織(ヒエラルキー)から各自が独立・自律していて、各自に権限がある形態(ホラクラシー)に変わっていきます。
トークンが作る社会
みんなで決めるのがブロックチェーンの本質なため、多数決を成り立たせるコンセンサスアルゴリズムが重要になります。
ブロックチェーンは分散型に近い社会・組織を形成するのに向いていて、それを実現させるためにリアルマネーの代わりにトークンによって金融がなりたち、その上にサービスを設計して社会・組織を生み出しるようになります。

6.ブロックチェーンの実用例と想定ケース

1.医薬品の在庫販売プラットフォーム(調剤薬局)
調剤薬局とは病院の診断後、医師の処方箋をもっていって薬をもらう薬局です。調剤薬局は大半が個人経営で、小さな店が全国に散らばっているイメージです。医薬品にも販売期限があり、期限が過ぎたら処分しなければならないため、在庫管理は大変です。
そこで、各薬局を在庫の融通を目的としたコミュニテの枠に入れました。
この仕組みは、例えばAの薬局である薬がなかったとしたら、Bの薬局にくすりを配送してもらいます。その対価としてAの薬局はトークンや仮想通貨をBの薬局に払います。

2.EV充電スタンドをネットワーク化する
これからの時代で、車はガソリン車から電気自動車にかわります。
しかし、現段階ではEVの充電には結構な時間がかかります。なので、充電しながらほかの用事を済ませられる場所(スーパー、コンビニなど)の駐車場にEV充電スタンドがもっと増えて、「ながら充電」というスタイルに変わります。そうなると、一定時間駐車できるたくさんのスペースにEV充電スタンドが散在する状態になります。
このEV充電スタンドをブロックチェーンでつなげて、利用者がEVを充電すれば、その代金を家庭の電気台と合算して請求できるようになり、利便性が向上します。

3.クラウドファンディングとブロックチェーン
クラウドファンディングのなかでも特に伸びているソーシャルレンディングについて簡単に説明します。ソーシャルレンディングというのは、個人のお金を集めて事業会社に融資し、事業会社から利息.を得て儲けを出そうとするものです。
現状、ソーシャルレンディングには融資する会社の情報が不十分という欠点があります。そこで、ブロックチェーンを使って企業と個人をつなぎ、お互いのニーズを管理することができるようになります。

7.最後に

どうだったでしょうか?ブロックチェーンに詳しくなりましたか?

ブロックチェーンは様々なビジネスに応用が利くため、今後発展していくでしょう。

しかし、ブロックチェーンはいまだあまり普及しておらず、インフラ整備の段階に立っているため、短期的にはもうからないでしょう。

インフラとしてブロックチェーンが経済を成り立たせるようになれば、様々な利益を生むサービスが展開されるでしょう。

今後、社会に不可欠となるブロックチェーンの先行きが楽しみです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?