サッカーが与える絶望と希望。ティトー、ユーゴ内戦、そしてオシム 9/9
#9:オシムが蘇らせた、サッカーという名の希望■ティトー、ユーゴ内戦、そしてオシム
語弊のないように断っておくと、ヴェンゲルはネガティブな文脈で発言したわけでは全くない。むしろこの話題が出たのは、サッカークラブやスタジアムが、いかなる役割を果たすべきか、今はやりの言葉で言えば、地域コミュニティにおいて「共創」のハブになる必要があるというテーマを、ホテルでディスカッションしているときだった。
サッカーが持つ社会的な機能は、むろんユーゴ建国の父であるティトーも熟知していた。彼