2024年1月11日(木)「漁師料理・マダラの鍋料理」
今日の東京は曇りのち、夕方から晴れ。
朝の最低気温は2℃、でも日中の最高気温は8℃台迄しか上がらず。やや、肌寒い一日でありましたかな。
今日、1月11日は関東では鏡開きの日で、お正月に歳神様に供えた鏡餅をおろして戴く日。でも、地方によっては4日だったり(京都)、松のウチが15日の地域は20日とされていたり、地方によって日にちにバラ付きがあるようですね。さて、
昨日は「未利用魚・クロシビカマス」についてお届けしましたが、本日は「漁師料理・マダラの鍋料理」について書いて行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。
マダラ。
コレは冬のメジャーなおサカナの代表選手のようなモノで、未利用魚とは対極にある魚と言っても過言じゃありませんね。まぁ、一般的にはスーパー等で切り身にした身だけを買って来て、鱈鍋やらホイル焼き、ソテーなんかにするコトが多いでしょうかね。
でも、漁師さん達は切り身だけ食うなんて贅沢はせずに、チャンと頭やホネ等のアラ、エラや肝臓、胃袋や白子なんかも余すコトなく、食べるんですよね(アンコウの肝も美味いんですが、タラ肝も引けを取らぬ位美味いんですよ)。
マダラは日本では北海道や東北等の比較的寒い地域の、やや深い150~250m程度の海域に棲息しているおサカナであり、特に冬場に白子(精巣)や真子(卵巣)が大きくなって美味くなるので、丁度今この時季に旬を迎える魚ですね(でも、実は白子や真子に栄養を取られない夏場の鱈の方が身は美味いとも言われてます)。
漁獲方法としては、底引網・定置網・延縄・釣り等でしょうか(場所によっては、ジグでマダラを釣らせてくれる遊漁船もあるようですが、掛けてしまえば然程暴れるコトなくヌボーっと上がって来てしまうので、釣味的にはツマランらしいです(笑))。
一般的には日本全国たら鍋(タラちり)で食べられるコトが多いワケですが、大抵は昆布なんかで出汁を取り、豆腐やネギ、旬の葉物野菜なんかを入れてポン酢で食す、と言うケースが多いのではないでしょうかね。コレはコレで美味いですね。
マダラを使った郷土料理的な鍋料理と言うと、矢張りマダラの水揚げが多い東北地方に多くあります。代表選手を挙げてみれば、山形は庄内地方の「どんがら汁」・秋田はにかほ市の「鱈汁」・同じく秋田は男鹿半島の「ざっぱ汁」・青森の「じゃっぱ汁」など。
コレらの鍋料理は、大体似たようなモノであって、上述の通り身だけでは無く、アラや内臓系も全て入れて食べるケースが多く、主には味噌を入れて食べるコトが多いようですね(元々が漁師料理なので、出汁を取ってポン酢でなんて手間暇の掛かるコトはせずに、出汁の出るアラや内臓も味噌と一緒にブチ込んで豪快に食す、と言うモンなんでしょう)。青森のじゃっぱ汁も、津軽地方は味噌ベースのようですが、下北地方では塩ベースらしいです。東北の鱈系鍋料理での塩仕立てはチョット異色なカンジありますね。
ただ、チョット面白いのは、庄内のどんがら汁の「どんがら」は主としてマダラのアラや内臓を指し、ソレらをメインに食すようだけれども(にかほの鱈汁も)、青森の「じゃっぱ」はマダラに限らずサケ等のアラや内臓も指し、鍋に入れたりしてるようですね。また、男鹿の「ざっぱ」汁になると更にマダラやサケだけにも限定されず、マダイやキンメダイ・アイナメなんかも使われているみたいです。元々「ざっぱ」は色んなモノと言う意味の「雑把」から来ているようですからね。また、北海道の三平汁なんかに至っては、主としてサケやニシン、あればタラやホッケも入れるみたいな扱いのようです。トコロによって変わるモンですね。
と言うコトで、今の寒い時季にはマダラの鍋料理で温まるのもエエですね。
明日は、「醗酵食品・手前味噌」についてお届けしたいと思います。
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