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2024年9月17日(火)「未利用魚・佐久の小鮒」

今日の東京は晴れ。
朝の最低気温は23℃、日中の最高気温は34℃弱。朝は涼しかったけれども、日中の気温はまだまだ下がらんですねぇ。でも、今週末辺りから雨がちになり、土曜以降は最高気温もずっと30℃割れの予報です。やっと本格的な秋の到来でしょうか。
今日からは二十四節気白露の末項、七十二候の「玄鳥去(つばめさる)」(燕(つばめ)が南の国へ渡って行く時季)となりました。そろそろホントにツバメもいなくなる時季なんですね。さて、

昨日は「醗酵飲料・シミンアルヒ(モンゴルの牛乳焼酎)」について書いてみましたが、本日は9月初旬に現地に行って買って来た「未利用魚・佐久の小鮒」について書いて行きたいと思います。

佐久
佐久と言えば以前書いた通り佐久鯉が有名なワケですが、9月初旬にだけ獲れる秋の風物詩でもある小鮒も有名なんです。と言えば、全然未利用魚でもナンでも無く、淡水魚の中では鯉と双璧を成す美味い魚であり、古来より人々に親しまれて来たサカナです。が、最近では食用としてフナを食べる地域は可也限定的であり、フツーのヒトの中にはフナなんて食べたコト無い!と言うヒトの方が多いのではないでしょうか。その意味からは、未利用魚であると言えなくもありません(って、少々コジツケ方が過ぎてますかね(汗))。

フナを食べる地域は今でも日本の中でも結構あるのだとは思いますが、この秋の時季に小鮒だけ獲って食べてる地域ってのはあんまりないのでは無いでしょうか。ソレが佐久。農林水産省の「うちの郷土料理」でも長野の小鮒の甘露煮として紹介されているホドのモノなのであります。

ココ佐久には千曲川が流れていて、コレがキレイで豊かなお水を齎してくれているが故に、鯉を始めとした様々な淡水魚の養殖が盛んだし、稲作も盛ん。従って(?)、フツーの養殖池での鯉やニジマス等トラウト系の養殖だけではなく、水田で水稲と一緒に鯉や鮒を育てる「水田養鮒」や「水田養鯉」を行っていると言うのが特徴的。この水田養鮒の場合、5~6月に水田に抱卵した親鮒を放流して水草に産卵させ、稚魚たちは夏の間に人工飼料と共に微生物やミジンコ等の動物プランクトン等を食べてスクスクと育ち、秋になって稲刈りを行う前に5㎝前後にまで育った小鮒を水揚げされ、コレを農協等で集荷・取り纏めされて販売されてるんですね。今年は夏の暑さの影響で小鮒たちがあまりエサを食べてくれなかったが為に、例年よりもやや小振りで、出荷量も昨年の半分程度に留まったようです(今年の販売は9月3日~10日或いは11日迄の1週間のみ)。正に初秋の風物詩、ですね。
尚、その水田養鮒をやっている田んぼで収穫されたお米は「鮒米(ふなまい)」と呼ばれ、無農薬・低農薬米として高値で取引されているのだとか。今回も、その鮒米を探して農協やら道の駅なんかにも行ってみましたが、見付けられませんでしたねぇ、残念(泣)。

で、その秋の風物詩である小鮒の食べ方。
圧倒的に甘露煮ですね。唐揚げにする場合もあるようですが、主流は甘露煮。
今回買ったJA佐久浅間でも、フナを販売すると同時に甘露煮のレシピも配ってましたからね。その甘露煮を作る際には、活きた小鮒はキチンと水洗いをして余計なゴミや汚れを落とすのですが、ウロコも取らなきゃあアタマや内臓も取らない。活きたまんま醤油・酒・砂糖を沸かしたトコロにぶち込む。当然小鮒たちは暴れるので、放り込むと同時に蓋をしないと、煮汁が跳ねる跳ねる。従い、何度かに分けて小鮒を入れて、1~1.5時間ホド煮込む。コレで、アタマもホネも柔らかくなって、そのまんま食べられると言うワケ。結構な量の砂糖を入れるので(まぁ、佃煮じゃなくて甘露煮ですからね)、出来上がりは結構甘い(従って、結構保存は効く)。でも、内臓がそのまんま入っているので、ソレがまたホロ苦さがあって、酒のツマミには良いですねぇ。

活きた小鮒を甘辛く煮る。
自家製甘露煮の完成。甘いが、ワタのホロ苦さで酒が進む~!
JA佐久浅間の甘露煮レシピ。砂糖少なめにしたけど、やっぱ甘い!

秋の、この時季だけの小鮒の甘露煮。
こう言うのも良いですねぇ。

明日は「醗酵食品・出来上がった手前味噌」について書いて行きたいと思います。


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