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2024年4月11日(木)「未利用魚・鯉」

今日の東京は晴れのち曇り。
朝方の最低気温は6℃、日中の最高気温は19℃迄上昇。昨日と今日の気温上昇もあって、桜ももう花吹雪に葉桜モードですね。さて、

昨日は「醗酵食品・がん漬け」についてお届けしましたが、本日は昨日富山からの戻り途中で立ち寄って来た佐久で見て来たコトもあり「未利用魚・」について書いて行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

鯉。
日本人で知らないヒトはいないと思われるホドにメジャーな魚。でも、食用としては一部の地域とか特別なトコロじゃないと食されていないサカナのひとつでもあると思うので、取り敢えず未利用魚カテゴリーでのご紹介とさせて戴きます(利用されてないワケじゃあないので、チト言い過ぎ感ありアリですが(汗))。

日本にいる鯉には実は2種類がいるとされていて、日本古来の在来種であるマゴイ(現在では非常に稀少種となってしまっているらしい)と、明治以降になって中国大陸や台湾から移入されたヤマトゴイ(ん?固有種じゃないのに、何故ヤマト??)がいる(実はヤマトゴイは外来種なのです)。現在日本で食用にされているのは、そのヘンの野池にもいるし川でも沢山見られ、また養殖もされているヤマトゴイの方なのだそうです(豊洲市場でも養殖鯉を扱っているお店がありますね)。

あまり知られていないコトなのですが、鯉は古来より日本では親しまれていたサカナだし、重要な蛋白源でもあったワケです。輸送手段やら冷蔵・冷凍手段が未発達であった時代に於いては、身近にある蛋白源であって、しかもとっても味が良いと言うコトもあって、昔から珍重されていたワケですし、伝統的行事に使われたり、鯉のぼりになったりもしてますね。
実際、自分も結構多くの種類のサカナを食べて来てますが、良い環境で育てられた鯉と言うのはホントに美味いんです。脂も乗ってるし、旨味も強い。個人的には、海水魚を含めた魚類の美味さランキングの可也上位に属する魚であるとの認識です。不定期で訪問する赤羽の「まるます家」と言う大衆居酒屋では一般的な「鯉の洗い」以外に、「鯉の生刺し」やら「鯉のうま煮」等はもう海のサカナを完全に凌駕してしまうホドの美味さ。洗いなんかにして脂を意図的に落としてしまっては勿体なく、両者を比べたら圧倒的に生刺しに軍配なんですよね。ホントにスバらしいんです。

ただ、どんなサカナもそうですが育てられた環境によって味は左右されるワケで、日本でも養殖鯉の最高峰とも言われるのが長野の佐久で育てられている佐久鯉千曲川の冷たくそして清冽な水で丁寧に育てられているので、普通の養殖鯉よりも生育の期間も1.5~2倍ホド掛かってしまうのだとか。この地での鯉の養殖は1780年代に大阪の淀川から移植されて始められたと言うコトなので、約240年もの歴史があり、その間の試行錯誤により品種改良を行い、通常の鯉よりも体高があり、脂の乗りが良く、締まった身質の美味しい鯉が出来た、と言うコトらしいのです。

昨日のお昼に、佐久市にある「割烹 花月」さんと言う佐久鯉の老舗で鯉の定食を戴きましたが、そりゃあとっても美味かったですねぇ。今回、佐久を訪問した目的はこの佐久鯉の仕入ルート確立の為でした。幾つかの加工販売業者・養魚場・養殖漁業協同組合・水産試験場等の方々から色々とお話を聞かせて戴き、今後の仕入ルートも出来そうな感触を得られましたので、不定期になるとは思いますが、開店後には美味い鯉をご堪能戴けるようになると思います。尚、この地域では水田で鮒も養殖していて、コレまた甘露煮なんかにしたら矢鱈に美味いらしいのです。コレも入れたいですね(季節限定みたいですが)。シナノユキマスも食べてみたいなぁ…。

と言うコトで、本日はコレにて。
明日は「開業準備・メニュー作りと価格設定」についてお届けしたいと思います。

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