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2024年1月29日(月)「未利用魚(?)・ソウダガツオ」

今日の東京は快晴。
朝方の最低気温は0℃、日中の最高気温は11℃台。まだまだ寒中は続く。
今日は午後から実家のある愛知に移動、約1週間の滞在です。
コチラの方は朝方-1℃迄下がっていたようなので、ほんのチョットだけ気温が低いのかな。さて、

先週末は「漁師料理・ひゅうが飯とりゅうきゅう」について書いてみましたが、今週は「未利用魚(?)・ソウダガツオ」について書いて行きたいと思います。

ソウダガツオ
このソウダガツオ属には2種いて、マルソウダヒラソウダ。このおサカナは一部地域を除く世界中に温帯・熱帯域に棲息してて食用にされてるし、日本でもほぼ全ての沿岸域で獲れ、食用にもされている為、全然未利用魚と言うコトではなく、寧ろ利用魚とも言えるサカナであります。が、その殆どが宗田節とかなまり節とかの加工品として製品・商品化されているコトが多く、鮮魚だったり刺身だったりでお店やスーパーで提供されるコトが稀である(殆ど無い?)為、居酒屋的な観点からすると未利用魚と言えないコトもない、と言うサカナです。
一応、カツオの仲間ではあるものの、カツオほど価値は高くはなく、市場にあってもその価格は安いコトが多いです(まぁ、豊洲等の中央卸売市場で売られてるコトは殆ど無いですね)。
上述の2種の中では、マルソウダよりもヒラソウダの方が脂の乗りも良く、味も良いとされているコトもあり、若干高値を付けるカンジでしょうか。

名前の由来としては、カツオに似ていて「カツオだそうだ」のソウダから来ていると言う説(可也ムリあるような…「カツオじゃないそうだ」じゃないの?とのツッコミを入れたくなりますが(笑))、もう一つには小魚を群れで集まって捕食する際に「騒々しく騒ぐコトが多い」為に騒多鰹と名付けられた説があるようですが(大抵小魚を群れで捕食する魚は騒々しく、ソウダだけじゃないよ!とのツッコミは要らんか…(笑))、ドチラかと言えば後者の方がしっくり来るカンジがします。しかし、じゃあ宗田節の宗田とか別の漢字表記の宗太はドコから来てるんだ?との疑問も無いではありませんが。

また、ソウダガツオは日本全国至るトコロで漁獲されているコトもあって、地方名も非常に多いんです。マルソウダの場合はメヂカ・ウズワ・コガツオ等、ヒラソウダの場合はヒラメヂカ・スマガツオ・ソマガツオ・フクライ等。ヒラの方がスマと呼ばれているのはヤヤコシイですね。スマは別にチャンとした白身のトロとも呼ばれる高級魚がいるので。

宗田節には、脂が少ないマルソウダの方が向いているらしく、ヒラソウダで作られるコトは余りないらしいです。宗田節はイノシン酸等の旨味成分がたっぷり入っている為、通常のカツオで作る鰹節よりも濃厚で且つコクのある風味が特徴的で、麵つゆやタレに用いられたり、きしめんの出汁に使われたりするコトが多いようです。
では、生食の方はどうかと言うと、兎に角鮮度落ちの早い(所謂、足の速い)サカナであり、その原因ともなっている血液に含まれるヒスチジンが変性して発生するヒスタミンによるヒスタミン中毒を引き起こすコトもあるようなので、コレには最大限の注意が必要です(鮮度の悪いソウダガツオは食わないに限る)。
ただ、鮮度の良いソウダガツオの生食は、どうやら随分と美味いようなんです(自分もソウダは何度も食べてますが、感動するホドの美味いヤツには当たったコトがないなぁ…)。ソウダガツオの一大産地である高知では、水揚げしたてのマルソウダの幼魚を「メヂカの新子」と呼んで珍重し、8~9月下旬の僅か約1か月間だけ、刺身で食べる食文化があるってんだから、オモシロいですね。
 
実は、この間ご紹介した小田原市公設水産地方卸売市場には、秋になると西湘地域の定置網漁でこのソウダガツオが漁獲高上位にランク付けされれうホド獲れるのだそうです。あの辺りでは「ウズワ」と呼ばれていて、大量に獲れた際に塩で漬け込むあの地域一帯の伝統保存食「塩うずわ」なんてのもあるようで、コレまた醗酵食品(塩蔵品?)としてもオモシロいですね(以前ご紹介の田子の塩鰹と同系統の醗酵食品ですね)。
何れにせよ、時期の小田原市場に鮮度の良いソウダガツオが入ったら、刺身など生食出来るモノをご提供出来たら良いな、と考えています。また、塩うずわも良いですね。
 
と言うコトで、本日はコレにて。
明日は、「内臓料理・もつ焼」について書いて行く予定です。


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