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2024年4月16日(火)「醗酵飲料(日本酒)・月の井」

今日の東京は曇りのち晴れ。
朝方の最低気温は15 ℃、日中の最高気温は24℃。天気はソレほど良くはないものの、気温的には安定しつつあり、もう10℃を下回るようなコトにはならず、本格的な春の到来ですね。さて、

昨日は「内臓料理(動物)・ハチノス料理」についてお伝えしましたが、本日は「醗酵飲料(日本酒)・月の井」についてについてお届けしたいと思います。

月の井。
茨城は大洗のお酒です。蔵元は1865年(江戸末期、慶応元年)創業の「月の井酒造」さん。ココの初代のお方が徳川家の命を受けて酒造りを始めたらしいのですが、ソレ以後は港町である大洗港にて漁船の出船や入船の際の祝酒として地元で愛飲され続けているお酒を造っておられるようです。
現代の酒造りに於いては予め目指す酒の味や香りを決めておき、その酒を目指しての酒質設計を行うのが最重要とされているらしいのですが、この蔵では敢えてソレを行わないとのコトです。太平洋に面した温暖な気候、ミネラル豊富な中硬水、厳選された酒米を使い、この大洗と言う環境でその土地の個性を活かし、自然の持つ力を存分に発揮させるコトで素材本来の引き出し、伝統的な酒造りの手法でココでしか造れないお酒を造っておられます。

この蔵の現在の杜氏は石川達也さんと言う、ある意味伝説のお方。
早稲田大学在学中に神亀に出会い、「なんだ、この酒は!?どうやったらこんなに肉体や精神の深いところ迄響く酒が造れるのか?」と思い、在学中に神亀酒造に飛び込み、修行して酒造りを学ぶ。その後広島の(あのマッサンで有名な)竹鶴酒造で永年杜氏として酒造りに携わったアト、2020年から月の井の杜氏に。年齢的には自分の一つ上なので、同じ時代に学校に在籍されてたんですなぁ。もしかしたら、どっかの飲み屋で会ったコトもあったですかね(笑)。
そんな名杜氏が、確りとした哲学(考え方?)を持ち、日本の古来から伝わる生酛造りと言う伝統的な技法によって造る酒なので、間違いようが無いですね。「生きるチカラの湧くお酒」を造る、良いですね。コレを書く為にネットで色々見てて、石川さんの哲学に踏み込んで書かれていたネット記事を見付けたのですが(前編後編)、中々に深いですね。一読の価値ありと思います。共感しました。

そんな石川杜氏率いる月の井酒造で造られた(大洗の蔵・大地から授かった?)お酒、様々なタイプのお酒があるけれども、日本酒度10度を超える辛口のモノもあれば、アルコール度が20度超えのモノもあったりして、ちょっと他の蔵には無いようなモノもありますね。コレらが敢えて狙ったモノ(酒質設計したモノ)ではなくて、基本に忠実に、そして伝統的製法に則って造った結果として授かったモノってのもオモシロいですね。
石川杜氏の言葉の中で良く「緩衝力」と言うコトバが使われていますが、コレは「味や刺激を和らげ、まとめる包容力のこと」で、「どんな料理もどんな飲み方もうけとめる懐の深さがあり、体になじみ、飲み疲れを抑える」とされていて、だから毎日でも飲みたくなる。この考え方も、オモシロいですね。

熱燗にしても旨いし、常温でもイケる。勿論冷やでも美味しいお酒も多いので、これは中々に佳い銘柄だと思います。リスト入り確定だな(笑)。

本日はコレにて。
明日は「漁師料理・イカナゴのくぎ煮」について書いて行きたいと思います。


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