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2024年2月29日(木)「醗酵食品・かんずり(唐辛子味噌)」

今日の東京は晴れのち曇り、夜には雨予報。今日移動した豊田は曇りのち雨。
朝方の最低気温は1℃台、日中の最高気温は12℃。
今日でいよいよ2月もおしまい。2月は逃げるとはよく言ったモノで、ホント逃げて行きましたな。今日は4年に一度の2月29日。今日お誕生日のヒトは、毎年どうしてるんでしょうか?(笑)
今日から二十四節気雨水の末項、七十二候の「草木萌動(そうもくめばえいずる)」(草木が萌え出す時季)。寒いのもそろそろ一段落して、草木が芽生え始めてくれませんかねぇ。さて、

昨日は「漁師料理・道具汁」について書いて行きましたが、本日は「醗酵食品・かんずり唐辛子味噌)」について書いて行きたいと思います(冒頭写真はコチラから拝借しました)。

かんずり。
新潟は妙高の特産品で、唐辛子を主成分とする伝統的な醗酵調味料です。まぁ言ってしまえば、柚子胡椒の同類とでも言いましょうか。ただ、柚子胡椒は主として九州一帯で作られているのに対し、このかんずり(コレは有限会社かんずりの登録商標であって、一般的には唐辛子味噌かな)はココ妙高でしか作られていないモノのようです。

そもそもの名前の由来は、コレが一年で一番寒い丁度今この時季に仕込みがされる為、「寒造り」から来ているとのコトです。元々は妙高一帯の郷土食品であったかんずりだったワケですが、有限会社かんずりサンが早々に?(1966年)登録商標としてしまった為、他のメーカーではこの名称は使えずに唐辛子味噌と言うコトで売っているようです。唐辛子味噌と言っても、味噌を使ったモノとそうでないモノがあるようで、有限会社かんずりサンの製品で良くスーパー等でも売られているヤツは味噌の入っていないモノですね。

かんずりの製法としては以下の通りで、柚子胡椒よりも手間暇掛けてますね。そして、熟成期間も長い。

・    夏~秋に収穫した唐辛子を1~2ヶ月ほど塩漬けにする
・    塩漬けしてしんなりした唐辛子を大体大寒の頃から数日間雪に晒す(冒頭写真はその風景)
・    唐辛子を柚子や麹、塩と混ぜて樽に漬け、2年ほど醗酵・熟成させる
・    3年目の冬に漬け込んだ容器ごと蔵の外に出して冷やす
・    最終的にペースト状の調味料として出荷

この製法の中で特徴的なのが、塩漬けした唐辛子を寒い時季に雪の上に晒す、と言う部分でしょうね。ナンで雪の上に晒すかと言うと、ソレによって唐辛子のアクを雪が吸収してくれて、程良く塩分と雑味が抜けるのだそうです。しかも、その雪に晒すコトと言うのがどうやら偶然の産物であったらしいのです。元々はシンプルな唐辛子の塩漬けだったらしいのですが、寒い時季に家の軒先に吊るしていたトコロ、偶々地面に落ちて雪に埋もれてしまったらしく、ソレを拾ってみたら味が円やかになって思いがけずに苦味が少なくなってアクも抜けていた、と言うことなのだとか。オモシロいですね。
ただ、悲しいのは、今年の暖冬のせいで、元々は先々週2月17日(土)に予定していた「一般公開雪さらし」が、例年唐辛子を雪晒ししている場所に雪が無い為に中止となってしまったらしいのです。まぁ、自然には勝てないので已むを得ませんが(泣)。

じゃあ、この醗酵調味料はどうやって使うのか?
まぁ、調味料の一種なので、柚子胡椒とほぼ同じような使い方をするコトが多いようですね。

・    そのまま使う:焼鳥・うどん・蕎麦・ウナギの蒲焼・おでん等に調味料として添えて食べる
・    汁やタレに溶かす:味噌汁・ラーメン・天つゆ・ポン酢等に調味料として少量加えるコトでアクセントに
・    他の調味料と合わせる:マヨネーズや醤油に混ぜるコトでアクセントとパンチのある調味料に
・    料理の隠し味として

とまぁ、使い勝手の良いかんずり・唐辛子味噌ですが、生タイプのモノがあったり、6年等の長期熟成モノがあったり、辛味の強いモノがあったりと色んなバリエーションもあるようです。
使いましょう!

明日は「有害鳥獣・ハシボソガラス」について書いて行きたいと思います。


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