2024年2月28日(水)「漁師料理・道具汁」
今日の東京は晴れのち曇り。
朝方の最低気温は4℃弱、日中の最高気温は13℃迄上昇。
最高気温はソコソコではありますが、まだまだ春になった感はありませんですね。さて。
昨日は「空腹は最強のクスリ?」について書いて行きましたので、本日は「漁師料理・道具汁」について書いて行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました。
道具汁。
名前だけ聞くと、どんな汁やねん!?と思ってしまうのが人情であるコトは良く理解出来ます。
コレは基本的には青森は下北半島の郷土料理で、あの辺りで良く獲れるミズダコの内臓を使って作られる漁師のまかない料理のようです(実は、自分食べたコト無いんです)。
ミズダコは大抵の場合、デカ過ぎるコトもあって頭と足を切り分けて出荷するコトが多いワケですが、そうするとどうしても内臓は残る。コレを捨てるには忍びないし、タコの内臓ってのは美味くて栄養価にも富んだ食材でもあるので、コレを有効活用する為に生まれて来た料理、と言うことなのだそうです。ソレを何故また「道具汁」等と言うかと言えば、あのヘンでは魚介類の内臓を「生きるための道具」と呼ぶコトから来ているのだとか(オモシロいですねぇ)。
作り方は至ってカンタン。
頭から取り出した内臓をマズは塩を入れたお湯で下茹で。茹でたアトに部位ごとに分けて適当な大きさに切り分けておく。醤油・酒・みりん・水を入れた鍋を一旦煮立たせてアルコール分を飛ばした後に、切り分けた道具類・豆腐・ネギ・その他野菜等を投入したら出来上がり。
基本的に使う道具類は、ほぼ全てでササメ(エラに該当する部位)・心臓・胃袋(表面に付いている殻状のモノは手で剥いておく)・腸・卵巣(ヤナギダコの場合のタコまんま、マダコの場合の海藤花、ミズダコは???)・精巣(白子)等。
ミズダコの場合、そもそものガタイがデカく、内臓だけでも相当量になると思われるので、鍋物としても中々にボリュームたっぷりのモノになるのだと思われます。
ただ、道具汁はマダコでもヤル場合もあるようですが、その場合には1ぱい分だけではとても鍋にはならないんでしょうから(小鍋立て程度なら大丈夫かも)、数はい分を用意する必要がありそうです。となると、マダコでヤル場合にはタコ釣り等に行って複数はい釣れた場合にのみ出来るのかな?と思います(最近じゃあ、マダコもエラい値上がりしているので、市場で数はい分のタコを買って来るのは居酒屋でもやってなきゃあムリですね)。でも、ネットで「ミズダコ 道具」で検索してみたら、通販で内臓だけでも買えるようですね(モノ自体よりも送料の方が高いケースが多い(笑))。
で、肝心のお味の方はと言うと、矢張り内臓だけあってタコ特有の旨み成分が豊富に含まれていて、色んな部位の色んな食感を愉しむコトも出来、しかも栄養価も高く特にキモ(肝臓)に至ってはコレステロールを下げる効果もあるそうなので、文句の付けようがありませんね(って、自分はまだ道具汁を食ったコトが無いので、全て受け売りですが)。想像ではありますが、酒を呼ぶ鍋物なのだろうと思います。特にタコ好きのヒトにとってはタマラン逸品なのでしょうね。
タコの内臓を使った鍋物なんて日本でも限られた地域にしか無いモノだとは思うモノの、このように郷土料理として定着するには相応のワケがあるのだと思いますので、この伝統的食文化は大切に守って行かねばならんのだと思います。
良いタコの道具類が入手出来ましたら、お店でも出せたら良いなと思います。
明日は「醗酵食品・かんずり(唐辛子味噌)」についてお届けする予定です。