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9月19日(火)「醗酵食品・岐阜の鮎のなれずし」

今日の豊田は夜明け前に小雨、その後は晴れ。
最低気温は24℃、最高気温は32℃近く迄上昇。
まだまだ、暑いです。もう9月も下旬に差し掛かろうってのに。でも、明日の彼岸を控え?田んぼ周りでは彼岸花なんて咲いてますね。あの花って、何となく地獄イメージが強く、陰鬱な感じがするのは自分だけでしょうか?ヤツら、暑くても咲くんですね(笑)。さて、

昨日は千葉は房総の郷土料理でもある「漁師料理・なめろう」について書いてみましたが、本日は先日岐阜に行って買って来た「醗酵食品・岐阜の鮎のなれずし」について書いて行こうと思います。

なれずし
コレは前に行った和歌山は新宮の「東宝茶屋」さんでも食べたし、他の地方にもあるようなので、別に岐阜県の特産品と言うワケでも無さそうで、上述の和歌山・三重・栃木・富山・福井・滋賀・奈良・兵庫・島根等でも作られているようです(生産量的には岐阜が多いようではありますが)。

岐阜に於ける鮎の名河川と言えば、日本三大清流の一つとも言われる長良川。特に、郡上八幡近辺で獲れる「郡上鮎」やその近辺にあり、全国各地の鮎の味わいを競う「清流めぐり利き鮎会」で4度のグランプリ(第5・12・17・22回)に輝いている和良川の「和良鮎」は名実ともに日本一の天然鮎として認められているモノなのであります(因みに、「郡上鮎」の方は第11回のグランプリ)。
そんな長良川で獲れる鮎で作ったなれずしなので、不味かろうハズはありません。

鮎は年魚(生まれてから1年で産卵し、死んでしまう寿命1年のおサカナ)でありまして、晩秋から早春の頃に河口近辺で生まれ、最初は昆虫などを食べながら下流から上流に遡上しながら大きくなり、成魚になってからは石に付着している珪藻類を食み取って暮らしてます。そんな鮎が成熟し、秋になると(丁度今頃ですね)棲み慣れた上流域から産卵の為に下流域に行き、晩秋に産卵をして一生を終えると言う、何とも儚い一生を過ごしています。その成熟して下流域に下って行く鮎のコトを「落ち鮎」と言ってますが、その落ち鮎を利用して作るのが、このなれずしなのです。
従い、なれずしの仕込み時期としては9月頃からで、長良川では「瀬張り網漁」等の伝統漁法で一網打尽にして獲った落ち鮎を開き、塩と一緒に2ヶ月ホド漬け込む。12月の初旬頃に塩抜き後、お腹に炊き立てのゴハンを詰めた鮎を木桶の中に3~4段にして詰め込み、竹皮を敷いて重石を乗せて自然発酵させるのだそう(この作り方は、殆ど新宮のサンマの熟れ鮓の作り方と同じですね)。オスの落ち鮎を使うコトが多いらしいのですが、抱卵したメスの子持ち鮎で作ったモノの方が味が円やからしく、お値段の方も張るようです。
まぁ、言ってしまえば日本全国ドコにでもあるなれずし(所謂、生なれ)の一種ではあり、山間部の伝統的な保存食(即ち、冬の間の貴重なタンパク源)でありますね。ただ、コレを作るのに使っている材料は鮎・ゴハン・塩のみであり、ソレを乳酸醗酵させて作っているモノなので、カラダに悪いハズはありません。

カンジンのお味の方はと言えば、乳酸醗酵由来の酸味、鮎のホド良い香り(と言っても、あまり長く漬け込んだモノだと香りは吹っ飛んでいるような気はしますが)、そして旨味がハンパなく、酒を呼びます(笑)。スライスしたモノをそのままツマミとして食べても良し、鮒鮓のようにお茶漬けにするも良し、変わりドコロとしては焼いた肉(牛でも、豚でも、鶏でも)になれずしのゴハンを少し乗せて食えば美味さ倍増なんて食べ方(今回購入した川原町泉屋さんご推奨)もあるようです。
コレに加えて、長良鮎のうるかなんてアテにして飲んだら、泥酔間違いナシです(笑)。

と言うコトで、明日は「未利用魚・ソトイワシ」についてお伝えして行こうと思います


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