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7月26日(水)「醗酵食品・東宝茶屋のサンマの馴れ鮓」

今日の関西地方もほぼ晴れ。
最低気温は24℃、最高気温は大体36℃程度前後かな。
入道雲がにょきにょき、夏らしい天気です。
今日も移動移動で、あんまり外には出てないかな。さて、

昨日は「有害鳥獣・イノシシ(捕獲編)」について書きましたが、今日は昨日訪問した新宮にあるサンマの馴れ鮓の名店「東宝茶屋」について書いて行きたいと思います。

そもそもこのお店を知ったのは、醗酵仮面こと小泉武夫先生の本(確か、「くさいはうまい」じゃなかったかな)。
以来一度は行ってみたいと思い、確か6年ホド前にくじら関係のモノを見たり食ったりしたくて太地町を訪問した際、帰途についでに立ち寄ろうと思って行ってみたトコロ、まさかの定休日。
今回は、そのリベンジ。
ココは1947年に先代が創業されたとのことなので、もう76年。現在は創業者の息子さんにあたる二代目の松原郁夫さんがお店を切り盛りされてます。馴れ鮓の専門店かと思いきや、寿司もウナギも天ぷらも出されるようで、メニュー数は相当多いんです。自分は今修行中の身なので、このメニュー見て、仕込みが大変なんだろうなぁと思ってそのことをお伝えしたら、「そうなんです、仕込みが大変なんです~!」と完全同意(笑)。

お店の由来をお聞きしたら、「創業当時からこの通りの向かいに東宝系の映画館があって賑わっていたこと、相撲観戦時の相撲茶屋みたいに色んなモノを食べられるコトをアピールしたいと思って」とのことでした。オモシロいですね。

この日注文したのは、3品。
名物の新宮沖で獲れたサンマの馴れ鮓と熊野川の支流(恐らく、高田川)で獲れた鮎の馴れ鮓、ソレに近海で獲れたバンドウイルカの子供のお刺身(動物愛護関係者のヒトは見ないでね)。
サンマの馴れ鮓の方は、サカナ自体は3年醗酵モノでゴハンは1ヶ月、鮎の方はサカナもゴハンも1ヶ月。食べ比べをしたいと思ったので両方頼んだのですが、折角なのでドチラかを古いモノで、ドチラかを浅漬けのモノでと所望したら、上述の通りとなりました。鮎の方はあまりに長く醗酵させると、折角のアユの香りが飛んでしまうのだそうで。

お味の方はと言うと、鮎の方は確かにフレッシュで酸味が強いカンジ。でも、鮎の香りは然程残っていないような気がしましたね。ゴハンの方は粒々がほぼなくなっていて、やや硬いお粥を固めたような感じ。コレも結構酸っぱい。
一方のサンマの方はと言うと、酸味よりもまろやかさと奥深い旨味が勝ってる感じですかね。勿論、酸味もありますが。
ドチラに軍配を上げるかと言えば、やっぱり3年モノのサンマかな。以前、常に同じような組み合わせで良くお取り寄せしていた方がおられたそうですが、いつの間にか短期のモノは頼まなくなり、長期醗酵モノのみをお取り寄せされるようになったのだそうです(キモチ、良く分かります)。
以前から不思議に思っていた点、即ち何故めはり寿司にしろ、馴れ鮓にしろ脂の抜けた痩せたサンマを使うのか、と言うコトを今回松原さんに聞いてみたら、「そりゃあ、脂が多いと醗酵させている間に脂が酸化してしまうし、皮が破れちゃうんだよ」とのこと。なるほど!でした。

このお店では、30年醗酵のサンマの馴れ鮓もあるのですが(コレは以前とある飲み会で少々賞味させて貰ったコトあり)、こうなって来るともうドロドロの液体状になっていて、ツマミと言うよりも、もうクスリですね。実際、コレを舐めると大変な整腸作用があるそうですが。
今回は思い切ってお持ち帰り用の壺入りのモノを買いましたので、その感想はまた別途。
松原さん曰く、在庫の中には創業当時のモノ(70年モノ!)もあるのだそうですが、創業当初は失敗作も多かったとのことで、コレらは仕事終わり後にチョイと舐めて酒のアテにされているのだとか。

ドレにするかは分からないですが、ココの馴れ鮓はお取り寄せして自分がやろうとしているお店でも偶には出せたら良いな、と考えています。

おまけ。
バンドウイルカの刺身。クジラ漁で有名な太地町が近いので、この近辺でもクジラは定番メニューかされているのですが、イルカとあったのでついつい注文。日本でも静岡の一部等ではイルカを食べる習慣ありますが、他ではあまりみたことなかったので。まぁ、クジラもイルカもお仲間だし、その区別はあまり明確でも無いようなので、似たようなモンです。
このイルカは子供のだそうで、矢張り大人のよりも子供の方が身が柔らかいのだそうです。皮はやや薄めではありましたが、弾力に富んで美味いモンでした。赤身はサッパリ系で、コレまた美味でしたよ。クジラと同様に、ニンニクや生姜を添えて戴きました。

と言うことで、今日も出先からの更新となったのでリンクは後日貼り付けることとしたいと思います。
明日は「未利用魚・セミホウボウ」についてお届けしたいと思います。


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