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2024年2月7日(水)「未利用魚・カゴカマス」

今日の東京は晴れ。
朝方の最低気温は-1℃、日中の最高気温は10℃迄上昇。
昨日迄の南岸低気圧による寒波は恐らく終了、やっと多少暖かくはなって来ましたかな。さて、

昨日は「醗酵飲料(日本酒)・立春朝搾り」をお届けしましたが、本日は「未利用魚・カゴカマス」について書いて行きたいと思います。

カゴカマス。
多分、一般の方々はあまり馴染みのないサカナだろうし、殆ど見たコトもない方が多いのではないでしょうか?
カゴカマスはクロタチカマス科カゴカマス属に属するおサカナでありまして、以前ご紹介したクロシビカマス(スミヤキ)や、食べるとワックスエステル分の影響でお尻からそのワックス分がダダ漏れしてしまうと言われているアブラソコムツバラムツのお仲間ですね(左記2種はヤバ過ぎて流通禁止です)。ただ、そんなヤバいおサカナのお仲間ではあるものの、このサカナにもワックスエステル分は含まれてはいないようなので、ご安心下さい(笑)。でも、深海に棲むサカナだけあって脂は充分に乗ってますので、とっても美味いんですよ。
また、このおサカナもクロシビカマスと同様に皮目に向かって生える(?)ホネがあるのが、少々厄介な点でありますかね。ただ、その厄介なホネについては、クロシビカマスよりも大きいので、敢えて骨切り等をしなくても食べる時に取り除くコトが可能であるのがまだしもの救いでありましょうか。

彼らの棲息域は北海道・東北を除く日本の沿岸の割と深め(100~500m程度)となっているようなので、主として深海トロール漁定置網漁で漁獲されるケースが多いようです。棲息域が割と深めであるコト、一般的にあまり知られていないコト等もあって、中央の卸売市場に出て行くコトは殆どなく、深海漁をやっている地方で細々と売られたり、食べられたりしていると言うのが実態でありましょうか。彼らのカオはタチウオに良く似ているし、カラダは短め乍らクロシビカマスにも似てますね。如何にも獰猛なお顔付をしているワケで、The Fish Eater!と言うカンジの通り、中深層~底層を泳ぎながら、アゴの鋭い歯で魚類や頭足類等の小動物を捕食して生きているようです。
今回は、地元の一色さかな村で25㎝大のモノが7匹200円で売られていたので、ついつい購入(1匹30円弱!)。

でもですね、このサカナ実に美味いんです。ナンでココ迄の安値が付けられなきゃイケないのか、理解不能です(まぁ、多分皮目のホネが敬遠されているのだとは思いますが)。
刺身にしても美味いのですが、上述の通り皮目のホネがあるので、漉き身にしてなめろう風にして食うのは良いですね。焼いても美味いし、煮てもイケる。ハッキリ言って、こんなにも美味いおサカナが安値放置で、中央にも進出出来ていないと言うのは悲しい状況にあると言えるかも知れません(以前ご紹介のカゴカキダイなんかも似た状況でしたが、最近ではその旨さが段々と認知されて来つつあるようで、この間は豊洲市場で割と良い値で売られており、ウレシイやら悲しいやら、やや複雑な感情を抱きました…地元のマイナーだった推しバンドがメジャーデビュー果たしてしまうみたいな?(笑))。

と言うコトで、このサカナが入手出来たら、皆さんにも食べて戴きたい一つでありますね。
明日は、「漁師料理・どんこ汁」をお届けしたいと思います。


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