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Vol.1 自分にしか無いもの

僕は母子家庭で育った。
小学生に入学する手前の6歳のころ、僕は父親を亡くした。白血病だった。

そこから現32歳になるまでの約26年間、血のつながった父のいない世界で生きてきた。
自分の人生を振り返ると、この父の死は自分にとっては苦しいイベントというよりは、意外と肯定的なただの出来事という方がしっくり来る。しかし、同時にその出来事をタブー化して触れないようにしていた感覚もある。


父がいないことで周りの人との小さな"ギャップ"がたくさんあった。悲しいこと、つらいこと、喜びや楽しさや安心感。
一つ一つは小さな出来事だけど、それをいまだに覚えているし、それが自分を形作ってきたと今は感じる。

自分には誰にも負けない特技や、夢中になってお金や時間を費やせる趣味がない。仕事も一度転職はしたが、就職活動の時も今の仕事も特別やりたい事や興味なく決めてきた。
自分の特徴は分かっていても、熱意を注げる場所や分野を見つけられなかった。


他の人にはない自分の性質は何なのか?

見つけたのが、「母子家庭で育ったこと」だ。

もちろんこの世の中には片親で育った人はたくさんいるし、この要素は強みとか弱みといった誰かと比較して優劣を生じさせるものではない。

ただ、少なくとも世の中的にはマイノリティとなる母子家庭で育った僕として何かを残しておきたいと思ったし、今まで支えてくれた人たちを肯定したいと思った。

というわけで、前置きが長くなったが、このnoteを活用して、僕の母子家庭で育った経験や感情を書き残していきたいと思う。

テキストにして残す目的は下記2つ。
①母子家庭で育っている同じような境遇の人との共感を通じて、誰かの心の助けになったら最高。
②自分の人生を助けてくれた人への感謝と存在の肯定をしたい。


記憶を辿りながら書いていくので、もしよろしければのんびりとお付き合いください。

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