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脱線
前回までのあらすじ
アイドルを目指している優等生でとてもかわいい女の子の内代さんは、内臓君というおバカな男に「いい乗り物に乗せてあげるよ」とそそのかされて行った先が、ゲームセンターで汽車ポッポと言う小学生が乗る様な乗り物に乗ってしまった。
内臓君は汽笛ボタンを押して「ポッポー」と鳴らしあまりにも目立ってしまうので、誰かに写真を撮られて流出してしまうのではないか?とアイドルを目指す内代さんはとても心配しているのです。
脱線
私はこの男に言われるがままに来てしまいました、どこかで断ることは出来たのです。
でも今までの私の人生と同じように、相手の望みどうりに受け入れてしまいました。もう今は私が歩んできた人生の話は後回しで良いのです、何とかこの敷かれた八の字レールの上から今すぐ脱線しなければ、私のアイドルになる夢は潰れてしまうかも知れないのです。
そして私はこの状況を打開するためまず内臓君に「こんなの初めてー」と相手に分かり易いように、嫌そうな感じで言ってみました。
そうすると内臓君は何か様子がおかしくなりました。汽笛ボタンの連弾回数が大幅にアップしだし音が「ポッポッポッポッ」と重なり始め、嬉しそうにボタンを押していたのです。
私は失敗してしまいました、内臓君に私は汽車ポッポから降りたがつていることを伝えたかったのに、逆に私がこの汽車ポッポデートを心から喜んでいるものと本当に思わせてしまったのです。確かにこんなもの初めてなのですが、本当の事をしっかり言葉に出さない私のいつもの悪いクセが出てしまったのです。
そうなのです私は、はっきり相手にものを言う事を常に避けて来た人間なのです。
それよりもなぜだかだんだんと汽車ポッポは揺れ出しました、何だろうと思っていると、内臓君はなんと汽車ポッポの上で喜びのあまり暴れ出していたのです。
これは危ないと思い内臓君をなだめようとしたのですが、もう手遅れでした。
「ガシャーン」と大きな音を立てて汽車ポッポは本当に敷かれた鉄のレールから脱線してしまったのでした。
そして大きな音に反応したデパートの屋上にいる人々は全てこちらを見ているのでした。
「もう終わった」私は天を仰ぎました。誰かに写真を撮られるどころか、何処かのインターネットニュースに載るぐらいのおおごとなのです。
そして内臓君はすかさず「大丈夫ですか?内代さん」と声をかけて来ました。私は内心怒り狂っていたのですが「私は何でもないよ気にしないで」と、反射的に答えてしまったのです。
そうすると内臓君は「本当、よかった‼」と喜んだのです、この男はどこまで心が読めないのでしょうか?何でもない訳はないのです、もう大事故です、私は脚に怪我を追ってしまいました。
もうこの時ばかりは、トンカチで頭を叩いてやろうかと本気で思ってしまいました。
そしてあれだけ偉そうにしていた店員に土下座をしている内臓君を見て、腹が立つやら、情けないやら、怒りがこみ上げてくるやで、この数日あとに内臓君にビンタをしてしまうこととなりましたが、今となればもう終わった話なのです。
私を敷かれた鉄のレールの上に招待し、脱線させることによって、周りの意見なんか気にするな、自分の敷いたレールを歩いていくんだ!内臓君はそう言って私の背中を夢へと向かって強く、強く押し出してくれた。
私は今この出来事をそう解釈しています。そして私は今晴れやかな気持ちでいます。もちろん私の前に立ちはだかる大きな壁は有るのですが。
私は今、長いトンネルから少し抜け出した様な感覚がしたのでした。
そして私は現在、辞表を書いています。
あとがき
誰もがここから逃げ出したい気持ちになった事が
一度はあると思います。
でもその場でそれを口にしてしまうと、
ダメ人間になってしまいます。
それを思っても口にせず頑張る人
直ぐに辞める人等様々いると思いますが
私は辞めてしまった人間なのです。
辞める人を批判する方もいると思います。
やりたいことを仕事にして失敗すると
カッコ悪いのですが
まさに私はそうなってしまいました。
会社辞めて後悔している人等も多くいるでしょうが、私は後悔はしていません。
自分の気持ちに正直に生きることは、
社会では批判の対象になることは多いですが、
嫌だ嫌だと言いながら
人生を生きていくよりかは
まだいいのかなと私は思っております。
ここまで読んで頂きありがとうございました
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