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サンダンス映画祭 プレミア部門

前2本の記事ではサンダンス映画祭の「USドラマ部門」「ワールド・ドラマ部門」のプログラムをリストアップしましたが、このシリーズの最後として「プレミア部門」の作品リストを載せておきます。この部門はコンペティションではないですが、特に質の高い作品のワールドプレミアを行ないます。過去には『ザ・ビッグ・シック』『Call Me By Your Name』『6才のボクが、大人になるまで。』『Mudbound』などが、このカテゴリーで上映されました。

プレミア部門

A Futile and Stupid Gesture / アメリカ(監督:David Wain)—アメリカの人気番組Saturday Night Liveを生んだ70年代コメディのカウンター・カルチャーの中心人物で、National Lampoon、Caddyshack、Animal Houseなどの番組を生み出したDoug Kenneyのバイオグラフィー。ワールドプレミア。

A Kid Like Jake / アメリカ(監督:Silas Howard)—G.I.ジョーよりもCinderellaが好きな愛する息子の育て方、自分たちにとって何がベストなのかをめぐって、対立するカップルを描く。ワールドプレミア。

Beirut/アメリカ(監督:Brad Anderson)—1972年に起きた悲劇的な事件の後にレバノンを去ったアメリカ人外交官が、CIAに呼ばれ、過去と共に置いてきたはずの友人の命をかけた交渉にのぞむべく、戦争で破壊されたレバノンの首都、ベイルートに再び向かう。ワールドプレミア。

The Catcher Was a Spy/アメリカ(監督:Ben Lewin)—プロ野球選手、アイビーリーグ出身者、9カ国語を操る弁護士、そして原子爆弾開発でドイツを破ることを可能にしたOSSのトップスパイ、Moe Bergをめぐる実話。ワールドプレミア。

Colette / イギリス(監督:Wash Westmoreland)— 19世紀末のパリ。若い田舎者の女性、コレットが有名な書籍起業家と結婚する。夫の頼みで、コレットは夫の名義でベストセラー小説のシリーズを書き始めるが、それによって自信を得たコレットは、結婚生活、そして自分の周りの世界さえも変えていくことになる。ワールドプレミア。コスチュームものに強いキーラ・ナイトレーが出演しています。

Come Sunday/ アメリカ(監督: Joshua Marston)—実話に基づいた話。国際的にもよく知られた牧師であるCarlton Pearsonが教会の方針に疑問を感じたことから、信仰を疑うようになり、やがて教会や家族を失う危険を犯す。ワールドプレミア。

Damsel/ アメリカ(監督・脚本:David Zellner, Nathan Zellner)—裕福な開拓者Samuel Alabasterが、愛するペネロペとの結婚のため、アメリカのフロンティアを渡るが、シンプルと思われた仲間達との旅路はやがて、予想を裏切る方向に進む。ロバート・パティンソンミア・ワシコウスカが出演。ワールドプレミア。

Don't Worry, He Won't Get Far On Foot / アメリカ(監督:Gus Van Sant, Producers:Steve Golin他)— 酒に入り浸る男が、交通事故で車椅子の生活になったことにより、どん底から這い上がる中で見えてくる人生の美しさと理不尽さの中に存在する笑い。ワールドプレミア。ガス・ヴァン・サント監督の最新作ホアキン・フェニックスジョナ・ヒルルーニー・マラが出演。これだけで既にものすごくいい映画の匂いがします。

The Happy Prince / ドイツ・ベルギー・イタリア(監督・脚本:Rupert Everett)—オスカー・ワイルドの最期の日々。出演はコリン・ファース。ワールドプレミア。これも良さそう。

Hearts Beat Loud/アメリカ(監督:Brett Haley)—レッドフック、ブルックリンを舞台に、カレッジの為に家を出る娘と父親が、二人の最後の夏に、考えもしなかったソングライティング・デュオを組む。ワールドプレミア、クロージングナイト上映。

Juliet, Naked /イギリス(監督:Jesse Peretz)—Annieは、ロックミュージシャンTucker Croweに心を奪われたDuncanの彼女。Tuckerの25年前のアコースティック・デモ音源が発見されたことにより、Tuckerに直接会うチャンスがめぐってくる。Nick Hornbyによる小説が原作。ワールドプレミア。

Ophelia / イギリス(監督:Claire McCarthy)—女性のエンパワーメントというレンズを通じて見せる新しいハムレット。欲望と裏切りが王国を脅かすとき、オフェリアは本当の愛と自分の運命を操ることの間で葛藤する。デイジー・リドリー、ナオミ・ワッツ、クライヴ・オーウェンなどの他に、トム・フェルトンが出演しています。ワールドプレミア。

Puzzle / アメリカ(監督:Marc Turtletaub)—普通の郊外にいる母親Agnesがジグソーパズルにはまり、これを通じて自分で考えもしなかった新しい世界を発見する。ワールドプレミア。

Untitled Debra Granik Project/アメリカ(監督:Debra Granik)—オレゴン州ポートランドにほど近い美しい自然公園で、外部のコンタクトと断ちながら不思議な生活を送る父と娘が、たった一つの間違いから自分たちのものと呼べる場所を探す旅に出ることになる。ワールドプレミア。2016年のサンダンスで上映された『はじまりへの旅』にも似た香りがします。

What They Had/アメリカ(監督・脚本:Elizabeth Chomko)—母親のアルツハイマーに向き合うよう兄弟を説得するブリジットと、大事なパートナーとの生活を失いたくない彼らの父親の話。ワールドプレミア。

プレミア部門は、これまでにもアカデミー賞候補になる作品が多く上映されてきただけあって、面白そうな作品がたくさんありますね。でもやはり「最後の1(2)週間」とか「予想もしなかった旅」みたいなのは、よく映画で使われる設定ですよね。明確な終わりやゴールがあると、ストーリーが組み立てやすくなるし、主人公の心の変化も描きやすくなります。というわけで、「何かの最後の1週間を使って旅に出る」という設定がいい映画になるんじゃないかと思ったりしましたけど、どうなんでしょうか。

ここで一旦サンダンスのプログラムシリーズは終わりにしますが、他にも部門はありますし、今日短編などの残りの部門についてもプログラムが発表になったようです。興味のある方は以下のリンクからどうぞ(英語のみ)

長編の他部門:https://www.sundance.org/blogs/news/2018-sundance-film-festival--feature-films-announced

短編他:http://variety.com/2017/film/news/sundance-announces-2018-indie-episodic-program-shorts-special-events-lineup-1202629877/

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