雑文:読書感想文~みんなプロティアンに走るので、わたくし、クランボルツを独占させていただきます~

クランボルツに学ぶ夢の諦めかた

かつて読書会に参加し、調子こいて主催もしていたことがあった。
コロナで会場確保がままならず、休止していた(実は参加者ゼロの会があってふてくされて以降止めちゃったんだが)。
今回はその中で結構反響があった本を紹介する際に、私が用意した下書き原稿を一部改訂して掲載することにした。

因みに冒頭の「みんなプロティアンに走るので~」は
「みんな格闘技に走るので、私、プロレスを独占させていただきます」
という全日本プロレスのキャッチコピーから拝借した。

(紹介ここから)
私はかねてから「夢を持とう」とか「諦めなければ夢は叶う」なんていう安っぽい理想論が大嫌いだった。

なぜ嫌だったのかを考えたら、何もせず、結局は何者にもなれなかった自分を卑屈に思っているだけだったことを認めたくなかったからだ。
そして、「ほんとは〇〇をしたかったけど、〇〇が〇〇だったからできなかっただけだ」とか、他人のせいにして、あとあとまでグダグダ言っている奴も知っているから(本書ではこれを「夢の生煮え」と表現している)。

本書は、夢を持て、なんて大仰に構えず、やりたいことをやり、実現していきながら、豊かな実りある人生を歩むための方法について考えさせてくれる。
そこで登場するのが、クランボルツの「planned happen stance theory」である。
計画的偶発性理論といわれ、キャリア理論を学んだ人なら必ずお目にかかる人物と理論である。
筆者はリクルートで学生の進路相談を受けていた経験から、すでに学んで知っていたのだろう。私もキャリアコンサルタントの資格を取得するにあたり、おおまかな定義だけは知っていた。

曰く「偶然に起きる予期せぬ出来事からでもキャリアは形成され開発できるものであり、むしろ、その予期せぬ出来事をおおいに活用すること、偶然を必然化することが必要である」

早くから目標を一つに絞って、それ以外のことには目もくれないのが、成功の秘訣なのか?挫折してもあきらめずに頑張れば成功できるのか?
本書ではお笑い芸人を例に挙げている。下積み何十年でもやっていれば、必ず売れるのか?10年やってブレイクしたとか、何十年も下積みでようやく売れただなんて、目指す人の中のほんの僅かだ。
どこかで諦めることを決断するに迫られる時が来る。
クランボルツの理論の本質は、「気持ちよく諦め、次の夢に進めるか?」であり、「夢を見つけるきっかけは、実は偶然の出会いなのだ」ということだ。
本書では、悔いなく、気持ちよく夢を諦めることを、「夢を供養する」といい、新しく出会う次の夢に進むことを「夢を熟す(こなす)」と表現した。
冒頭で私が抱いていた「夢への嫌悪感」が大きく解決できたと思う。
そして、クランボルツの理論を実践するために、偶然の出会いを増やし、その偶然の出来事をうまく受け止めるために必要な姿勢について説く。
曰く①好奇心②持続性③柔軟性④楽観性⑤冒険心 だと。
面白いと思うこと(好奇心)を勇気をもってやってみて(冒険心)うまくいかなくても大丈夫と大きく構え(楽観性)、納得いくまで続け(持続性)、うまくいっているときでも周りの意見を忘れず、自分の立ち位置を確かめつづけること(柔軟性)
新しい出会いは、新しい自分が見つかり、自分の能力を発見できるのである。

ここで、クランボルツの理論の暗記法
①好奇心②持続性③柔軟性④楽観性⑤冒険心
は「こーじ 君、銃を持って楽しく冒険」である。これは重要。






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