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たとえこの命、狙われようとも

友人が死んだ。時々、noteでも話していた牧場主だ。

私の5つ上で、48歳だった。

浜中町グレイトフルファーム、元牧場主である、故・松岡慶太氏。私の数少ない友人だった。

人の話を素直に聞いてるようで聞いてない。結局「自己流」に走り、大きな成功を掴めない。

…まぁ、私も似た様なものだ。だからそこを突っ込むわけじゃない。勉強不足であることに変わりはないし、私も素直になり切れない所がある。

しかしなぁ…何も死ぬこたぁないんだよ、死ぬことは。

何であんた、「ヨネさん」って呼ばれてたんだよ。結局、その理由を聞けないままじゃんか。

…彼は、風来坊の私がふらっと地元に帰ってきた際、必ず声をかける人物のうちの一人だった。数少ない、本当に数少ないうちの…。

やれやれ。まーた寂しくなっちゃったじゃないか。

私の家から浜中のグレイトフルファームまで、車でおよそ一時間半ほど。とある日、線香を上げる目的で、彼の自宅を訪れた。

実は、私がその訃報を知ったのは、つい最近なのである。知人からその話を知らされた時は、本当に血の気が引いた。亡くなったのは4月半ばころらしく、私のおふくろと大差ない。

家に入ると、奥さんが出迎えてくれた。

「こんにちは」

「久しぶりだね…来てくれて、ありがとう」

「あの大きな車は?ヨネさんが乗り回してたやつ。」

「あぁ、あれね…売り払ったわ。私、あれ乗りこなせないし…維持費だけ、掛かっちゃうもの」

「なるほど…そうだよね」

彼の遺影の前に座り、私は線香を上げ、おりんを鳴らして手を合わせた。

「信じられない…本当に」

…私は奥さんを気遣ってそう言ったが、実は「あり得る」とは思っていた。

体も太っていたし、晩年は不自然に体だけ細り、顔は大きくパンパンに浮腫んでいた。妙に赤ら顔で、白目に若干の黄ばみも見られ、血圧も高い時で180あったらしい。

彼から「やってみたい」と言い出したハーバライフ・プログラムも、最後の方は全くやめ、ストップしていた。ハーバライフは魔法じゃない。それじゃあ、助けられない。

奥さんは、「突然過ぎて、何が何だか…。別にそこまで、悪い所なんて無かったのに」と言う。

しかし…残念だが、無情にも彼の体は確実に蝕まれていたのだ。

アルコールに。ニコチンに。そして、化学調味料に…。

彼は、この世を去る前に大きな功績を残した。

家族に対し、彼は「頼むからワクチンを打たないでくれ!」と懇願していたらしい。

その甲斐あって、家族全員、ワクチンを接種していない。

ヨネさんは常に、イルミナティや世の「ディープステート」と呼ばれる影の支配者の陰謀を追いかけていた。

そして私がその話に対し、「それは解釈として合っている部分もあるが、間違っている部分もあるんだよ」と言った。しかし…強情なところもあり、理解してもらえなかった。

まぁとにかく、彼は彼なりに陰謀を理解していたのもあり、ワクチンは絶対に打たない方が良いという考えだったらしい。

奥さんと子供たちは、そういった話にはてんで疎いので、特に子供たちからすると「ただの怪しい父親」みたいにしか思われていなかったそうだ。

事実、子供たちとかなり大きな衝突になったみたい。三人の子供がいるのだが、末っ子の三女は高校生で、クラスでワクチンを接種していないのは彼女だけなんだとか。

おかげで、クラスでは時にハブられ、差別的な目で見られる時もあるとのこと。

…悲しい時代になった。しっかりしろよ、日本人。

ともかく…だ。そんなヨネさんのおかげで、今のところ家族は無事だそうだ。

私ができるだけ詳しく、奥さんにワクチンのことを伝えた。もちろん、奥さんにもわかるレベルで、だ。つまり、陰謀レベルで、ってこと。

ヨネさんの言っていることは「ほぼ」合っているということ、打たないに越したことはないこと、実際に私の目の前でおふくろが死んだこと…。

それらを聞いて、奥さんは「打たなくてよかった」と思ってくれたみたい。どうか子供たちも、そう思うことを願う。

そして…時間の余った私は、奥さんに私の「本領」を展開した。

…奥さんは呆気に取られ、何が何だかわからない様だった。

だが、凄まじいことを聞いてしまった…というのは理解できたようだ。

この世が逆さまの世界…逆転の世界であること、ワクチン接種の否定すら「ウソとホント」であり、私に何かしらの成分が注射されていること、恐らく生きている間に「カギ」と「カギ穴」に到達できること…。

そして…この世の全てが、大したことではないこと。

ヨネさんの死も、おふくろの死も。

それは死ではなく、ある意味では生であり、全てはひとつ。大いなる流れの中の、「ただの出来事」に過ぎない。

…奥さんは私にポツリと、こう言った。

「命とか狙われないの?」

私は「今のところ、大丈夫だね。」と言った。

もし私がここで殺されたとしても、それは最初からそう台本に書いてあったというだけで、別に大したことではない。

でも…そんなつまんない台本、誰が書くかね?私なら、書かない。

この世を作るチャンスなんてものがあったら…私ならもっともっと、ファンタスティックなものを作るよ。

だからきっと、私の物語はそうそう簡単に終わらないのさ。

この世が私主観で見る限り、私が作ったものであること、そのエビデンスなどなど…その辺も話した。

奥さんは、思った以上にその話を受け入れてくれた。とても聞き上手で、ヨネさんが惚れた理由が何となく分かる気がした。

「我が松岡家には、約束事があってね。」

「?」

「あのね、タイムマシンなんてものがあるなら、もう未来から人がやって来てないとおかしいでしょう?」

「ああ、うん。そうだね。」

「だから、家族で約束事をしたの。もしタイムマシンが出来たら、大晦日の夜、未来から『出来たよー!』って教えにこいよ、って。」

「ははは。」

「だから…期待しちゃうのよね。大晦日の夜、玄関のドアを叩かないかなって。過去とか未来から来てくれないかなーってね。」

「…」

「だって、マサヤンの理屈だと、旦那が生きていて健康な世界っていうのもあるんでしょう?」

「あ、いや…そういうことじゃない。この世と反転したもう一つの世界がある、ってことじゃないんだ。」

「あ、そうなんだ…」

「うん。結局、全部ひとつだと思うんだよね、俺は。」

…心配すんなよ、奥さん。また、あんたらがいる世界を作ってみせるさ。そしてその世界でも、あんたらは一緒なんだ。

そうこう話しているうちに、ワクチンのシェディングの話になった。

ヨネさんの死因は心臓の大動脈解離。心臓の動脈が破けた。

私は奥さんに、シェディングの可能性を述べた。あくまで「可能性」だ。

牧場内で接種しているのは、フィリピン人の従業員のみ。ならそこまでの影響はない様に思える。

ただ、時折東京などに出張したり、チーズの出展のためにイベントに参加したりしていた。

それに、牧場内のチーズ工房では見学会なども積極的に行っていたようだ。

モツァレラチーズ作成の体験会の様子。地元の学生なども積極的に呼び込んでいた。

そう考えると、ワクチン接種者に近づく機会というのは、それなりにあったものと思われる。

元々高血圧だったことを考えると、間違いなく何らかの疾患…概ね、おふくろの様な心疾患などをわずかでも抱えていた可能性はあるはずだ。

私の思いつく限り、シェディングに関するエビデンスを、奥さんに伝えた。

奥さんとしては、あまり思い当たる節はないようだった。まぁ何とも言えない。相変わらず、尻尾を掴ませないように上手く出来てるからね…。

話し終えたのち、帰り際に奥さんがぽつりとこう言った。

「自殺だけは…しないようにって、我が家の教えがあるから…。」

…私は頷いたが、余計なことは言わなかった。

「死ぬのはだめだ」なんて、綺麗事でしかない。生きるも死ぬも、どちらにも良いも悪いもない。

死にたきゃ死んでいい。どんな結果になれど、それもまた最初から決まっていたこと。全ては、ただの出来事なのだ。

「ねぇ、マサヤン。そういう事ばかり考えてると、頭おかしくならない?私は何なのか、って。何の為にいて、何の為に生まれて、この世がそもそも、何のための空間なのか…って。」

「よく言われるよ。でもね、俺はそれ、ただの一度も無いんだわ。俺を突き動かすのは探究心と、謎の使命感だね。」

「…」

「さっき、いろいろ話したっしょ?普通じゃないんだよね、俺は。色々な意味でね。」

…そんなことをひとつ、ふたつ話したのち、私は牧場を後にした。

奥さんの目が、「お願いだから、また遊びに来て」と言っていた。

お世辞にも経営が順調とは言えない。子供も三人とも出て行ってしまった。牧場の借金を返すために、仕事に追われる日々。商品が生き物ゆえに、休むことも許されない。

加えて、周りには何も無い。辞めずに残ったのは外人の従業員ばかりで、日本人のバイトたちはその環境に嫌気がさし、皆辞めていった。

しかも奥さんは機械音痴で、インターネットサーフィンも出来るかどうかのレベル。せっかく借金して買ったチーズ工房も、奥さんは使いこなせない。かと言って、チーズ製作の経験者など募集しても来てくれない。

孤独、孤独、ひたすらに孤独。

命を削る、女一人の戦い。

この戦いは、あまりにも分が悪すぎる。

もしかすると、クラウドファンディングか何か…またお願いするかもしれない。

その時は皆さん、恐縮ですが宜しくお願い致します。

「命を狙われる」か…。どうなんだろうね。

まぁ私が狙われるとしたら、その時は…世の中が終わる時さ。

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