匿顔メッセンジャー
この国では多くの人たちが、マスクをしている。
未だに…この日本ではマスクだのコロナだのと騒いでいるのだ。こんなの、世界中探しても日本だけである。
尤も、それに気付いている人も多く、さすがに外す人もちらほらと見かけられるようになってきた。
人間以外の動植物や虫たちは、同種なら個体の見かけにさほどの差は見られない。
同種であるにも関わらず見た目が大きく違い、ここまでバリエーションが豊かなのは人間だけだ。
顔をちょいと見るだけで、誰なのか分かる…これは人間ならではの特権であり、「特別な才能」と言っても差し支えないだろう。
マスクは、その「人間ならでは」を殺す。
以前から言っているように、この世の森羅万象を「波(リップル)」と比喩した場合、当然その波が静まる時こそがこの世の終わりだ。
すなわち、均一化である。
マスクのせいで皆、同じに見えてしまう。人間ならではの才能である「個性」ってやつが消失しようとしているのだ。
この事実を思うたび、私は世界が着実に終わりへと近づいているのを感じる。
…と同時に、この宇宙は本当によく出来ているなぁとも思う。
生まれ出たものは必ず滅び、さらにその輪廻・サイクルを形成する…人々の行動やブーム、現象を観察していると、そこが強く理解できるようになる。
だから、私的にマスクブームは単なる観察対象であり、別にマスクをする人をバカにするわけでもない。
ただ…一つだけ、言わせてくれ。
もう付き合ってだいぶ経つ、私とリアルに仲の良い人たち…特に接客をしてくれる店員の方々…
あんたら、何者なんだ?
だって…私はあなた方の顔を、未だに見た事が無いんだよ。私から言わせれば、あなた方は私にとって「まだ正体不明の存在」なんだ。
こんな関係を「知り合い」などと言うわけがない。お互いの顔が知れているからこその「知り合い」である。
だからふと、思ったのだよ。
マスクを外さない人はもう、厳密に言えば「この世の住人」ではないのかもしれない…とね。
これも別に、ネガティヴな意味で言うわけではない。もちろん、ポジティヴでもない。
結局、全てはひとつ。そこから出た波がこの世を創った。そして最後には「ひとつ」に戻る…それだけのこと。
…その時はそう遠くない。
マスクをする人を見ていると、何となくそう感じるのだ。
捉え方によっては、彼らはこの世において、重要な意味を発信する「メッセンジャー」と言えるのかもしれない。
尤も…どんな顔をしているのか、未だに知らないがね。
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