死への願望

この世においては、誰も「自死の理不尽性」を説明出来ない。

なぜ生きるべきなのか。どうして自殺はダメなのか。世間では「生」を強要するにも関わらず、結局死は避けられない…この矛盾性にはどんな意味があるのか。

…ここを説明出来る人間を、私は見た事がない。

例えば、だね…今回のこの記事のタイトルは「死にたい」にしようと思ったのだ。

ただ、これだと普通に誤解を生む。私が自殺願望のある人間だと思われるし、私自身がそういった「かまってちゃん根性」を出すタイプではないので、そのタイトルは控えた。noteの利用規約違反にも抵触するかもしれないからね。

しかし…だ。

なぜこうもこの世は、「死にたい」という願望を表に出せないようになっているのだ？

Xでもそう。「死」について学術的な見解から「悪い事じゃない」という感じのポストを残すと、運営から直接「あなたのポストから、自殺を匂わせる発言が見受けられるとの報告がありました」と注意喚起を受ける。

どこのバカがそんなヒマな報告をしてるのか知らんが、ともかくこの世においては「死」について語ることも、願望を語ることも…それどころか単純に哲学するだけでも憚られるようだ。

YouTubeなどは「死」を「４」や「シ」などといった隠語を使わなければ、規約に引っかかってしまう始末である。

…何だ、これは？

冒頭で述べた通り、誰も「自殺は良くない！」とするハッキリとした根拠を示せないというのに…まるで「禁じ手」の如く、「死」を口にすることが許されない。

この不思議な事象そのものに…一般市民は疑問を持つべきだ。

自殺を完全否定する人は…「死にたい」と言っちゃダメなのだな？

そして、逆に「死にたくない！」と言うのは許されるのだな？

じゃあハッキリ言うぞ。それを「是」とするあなたがたは全て、死後にあらゆる責苦を受ける地獄へと落ちるだろう。だって、自分でそう決めてるんだろ？「死」ってのは「最悪の出来事」なんだよな？ならばあなたは死後、あなたが思い描いた通りの世界へと輪廻するだろう。きっとあなたの魂は、そんな領域をグルグルと回って来たのだ。

「何を言ってるんだ！天命で死ぬのと自殺とは違う！自殺だけはよくない事だよ！」と言うかもしれない。

天命、か…良い言葉だ。

そう主張する人に問うが、じゃあ「自殺は天命じゃない」のだね？

ということは、自殺した人は「失敗を犯した」わけだ。宗教的観点から解釈するなら、「罪を犯した」とも言い換えられるのかな？つまり、「自殺以外の道もあったはずだ」…と主張したいのだろうか。

だとしたら…その主張は間違いなく「自由意志の存在ありき」だからこそ出てくるもの。

故に、もしこの世において自由意志が存在しなかった場合…その主張は全て破綻することになる。

その可能性も当然、視野に入れた上で語っているのだろうか？

いや…決めつけるようで恐縮だが、恐らくそうではないだろう。

ほとんどの人は感情論のみで主張している。

「自殺するくらいなら生きろ！」とかいう、自分勝手なワケのわからん根性論を展開するからこそ、寧ろ自死を望む人を絶対に助けられない。

そして、そういうポジティブな方向に全力で寄ろうとする人ほど…密かに自殺しやすい。これも事実。実はここが一番重要かもしれない。「山」が高い人は「谷」もまた、深いのだよ。

だって、「この世の全ての事象がランダムで発生している」事を前提として生きているんだもの。ビッグバンが起きて宇宙が生まれたのも偶然。全て、たまたま。…そうでしょう？

だからこそ仕事で失敗したり、恋愛がうまくいかなかったり、大切な人を病で失ったりした際、「他の道があったはずなのに…」といった感じで、なかなか立ち直れない。逆にここで「仕方ない。人生だもの…辛い事だってあるさ」的に割と早く立ち直れるなら、「自由意志は存在する！」という普段の考え自体が矛盾している事になるよ。でも立ち直る為には、そう考えるしかないでしょう？なら…答えはもう見えてるのでは？

そんな芯の通っていない、うまく纏め切っていない思考のまま生きても、あなたの「人生IQ」は決して上がらない。

私はそういう人を「口をぽかーんと開けて、何となくボケーっと生きてる人」などと表現する。どんなに口達者でお金を稼げても、それで良いってもんじゃないのさ。

…私たちは死を避けられない。

もう一度、言うよ。絶対に、避けられないんだ。皆、本当にそれを心から自覚しているかね？

なのに、その事実を無視して「せめて生きているうちは明るく、ポジティブに生きよう！」ってのは…何というか…変な表現だと思わないだろうか。

それだと死に直面した時、ほぼ間違いなく「死ぬのは嫌だ…死にたくない…」なーんて考えたりするだろうな。とても辛くて苦しい最期が待っているだろう。先述した通り、「死後（次の世界）」も然り、だ。だって、あなたの宇宙はあなたが決めるのだから（あくまで私の考えだが）。

この世の全ての命は、須く「天命」を全うしている。なぜなら、全てが最初から決まっているのだからね。

故に、どのような死に方をしたのか…長く生きたのか、短く生きたのか…そんな所は重要じゃない。どうでも良い。…ここに至る事で初めて、「この世の全ての命の平等性」を確保出来る。逆に、これ以外の方法は存在しない。

「死」も含め、この世の全ては「ただの通り道」のようなもの。

だからこそ…私は「ここ」に長く居座る気はない。

「その時」がもう、いつ来ても良い。

…楽しみで仕方ないのさ。

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