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デスクメッセのリラクックマ08

 贈り物
 
「こんばんは。1行メッセの返信ね。私の好きなものは、リラックマです。もうめっちゃオススメ。
 きっと君もハマると思うよ。
んんん私もね。君に会いたいよ。どうしたら会えるか、考えたんだけど。机の中に連絡先を入れても、風で吹き飛ばされたり、誰かの手に渡ったり、するかも知れないので怖いし。私の代わりに、それと、お守りにもなるので、コリラックマのぬいぐるみをあげるね。
 私は、君の代わりに、リラックマを持つよ。でね。リアルに会いたくなったら、胸ポケに入れておいてほしいの。私達が出会う目印にしようね。」
 

リラックマ❤️コリラックマ

 机の物入れに、可愛いコリラックマのぬいぐるみが入ってた。彼女からのメッセージとリラックマ効果でモノクロの世界が、フルカラーに変わったんだ。顔も知らない、見たこともない、名前も知らない人に、こんな感情が湧いて、自分ながら驚いたんだ。目に見えない糸で引き寄せられるような感じだな。この不思議な引力がこれからも続きますように、祈る思いが込み上げた。    


 彩乃が教室に入ってきた。 
「おはよう。」
「拓也、おはよう。あれっ。机のメッセないね。終わったんやね。」
 悪い笑みを浮かべながらそう言った。
「俺は、干渉されるのめっちゃ、嫌いやからさ、おかんみたいな事されたら、無理。それだけ覚えといて。」 


 彩乃は、少し、しゅんとなって、そこで会話はおわった。 これで、一件落着。彼女に何を書こうかな。めっちゃ楽しみでしかない。   


 夜間部の学校は、日没と重なるので、グラデーション効果のように、明るい世界が、夕闇にスライドしていく光景が大好きなの。 私は、今日も、デスクメッセを心待ちに、一日を過ごして、この教室にやってきたのね。 


 よしっ。「いないないばあ〜〜。」  
 「俺の好きなものは、コリラックマ。今、好きになったよう。なので、好きなものを贈ってくれて、ありがとう。めっちゃ大切にするね。
 でね。いつかは嫌だな。正直、いますぐにでも会いたいな。」 


 待ってよ。ドキドキが止まらない。だってね。このメッセを見たら、もうめっちゃ恥ずかしいよう。だって、私のいち推しのコリラックマは、私の代わりだよ。コリラックマを好きって、ことは?ん?いやーん。やば。うーーどう返信しようか?
 (続く)


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