SF9(에스에프나인)『First Collection』


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 韓国の9人組グループ、SF9の韓国ファースト・フル・アルバム『First Collection』はとても良く出来た作品だ。4曲目の“룰루랄라 (Lullu Lalla)”を除き、全曲がきれいに3分台の尺に収められている。成長したメンバーたちのアダルティーな雰囲気を強調し、それに合わせて曲調も落ちついたものが多い。サウンドはもちろんのこと、イメージ面にもしっかり手が行きとどいている。

 特筆すべき曲は、やはり“Good Guy”だろう。再評価の流れが起こって久しいUKガラージの性急なビートを取りいれるなど、トレンドへの目配せを忘れていない。キャッチーなメロディーは耳馴染みが良く、好意を寄せる相手に迫る男が描かれるシンプルな歌詞も光る。クラブのサウンドシステムでも通用する、ヘヴィーなキックとベースも素晴らしい。あらゆる側面から聴いても、ハイスコアを叩きだす高品質なポップ・ソングだ。

 “나만 그래 (Am I The Only One)”にも惹かれた。肉感的なベース・ラインに、艶やかなヴォーカルとラップが絡む。必要な音だけを配し、高い表現力を伴うメンバーの歌声が前面に出たファンク・ソングだ。
 ファンクの要素は“Shh”でも見られる。だが、こちらは“나만 그래 (Am I The Only One)”よりもヒップホップの匂いが濃厚で、管楽器の音も使ったりと、上手く差別化をしている。こうした細かい芸も本作の聴きどころだ。
 この2曲を筆頭に、本作はファンク、ディスコ、ソウルの香りが随所で漂う。流麗なストリングスが映える“One Love”などは、ブルー・マジックやザ・ジョーンジズあたりのフィラデルフィア・ソウルを想起させるほどだ。落ちついた雰囲気を出すためにソウルというのもベタな気はするが、ひとつひとつの音が上質で耳を喜ばせてくれるのは確か。音楽好きなら、その喜びに抗う必要はない。

 そうした本作において、“타 (Fire)”は少々浮いた曲だ。しかし、悪目立ちはしていない。トロピカルな空気を醸すダンスホールといった趣のサウンドは、アルバムに彩りをあたえるという意味で、良いスパイスになっている。



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