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神宮枠について語ってみた

明日、センバツ甲子園の出場校が発表される。
今大会は新基準のバットが導入されるだけでなく、21世紀枠が3から2に、中国四国が5から4に減る一方、浮いた2枠が東北と東海地区に1枠ずつ割り当てられるといった、変化の大会の様相を呈している。
東海地方で生まれ育った人間としては、地元の枠が増えるのは喜ばしい。愛知と静岡を抱えていて枠が2つなのはあまりにもきついと思っていたからだ。

ただ、その中で変わらないこともあった。そう、今日のテーマの「神宮枠」である。
まず私の意見としては、神宮枠は不要だ。何故なら、通算成績が大幅に負け越している上に、センバツ大会は実力で勝ち取るものと考えるからである。

「神宮枠とは?」と思う方も多くいらっしゃるかと思うので、ここで神宮枠について簡潔に記そう。

神宮枠とは、前年の神宮大会で優勝した学校が属する地域に1つ与えられる枠のことであり、03年大会から導入された。一般選考の当落線上にいる学校が選ばれる為、「敗者復活枠」と表現すればピンとくるかもしれない。今大会は前年の神宮大会で星稜が優勝した為、北信越に割り当てられる。北信越ベスト4の日本航空石川と北陸の一騎打ちになるだろうが、日本航空石川が選ばれると見る。

センバツ大会で必ずと言っていいほど挙がるのが21世紀枠不要論であるが、その理由としては単純に初戦敗退が多いからである。事実、21世紀枠の学校が一般枠の学校に勝ったのは9年前の松山東まで遡る(相手は二松学舎大附)。
21世紀枠同士での対戦を除けば、一般枠に勝ったのは9年前が最後なのだから、このような議論を呼ぶのは自然なことと言える。

では神宮枠の成績はどうなのか。実はこちらも最後に勝ったのは奇しくも21世紀枠と同じ9年前である(八戸学院光星。相手は九州学院)。又、21世紀枠と神宮枠の過去最高成績を調べてみると、前者は01年の宜野座と09年の利府(いずれもベスト4)なのに対し、後者は07年の室戸(ベスト8)である。更に通算成績で言えばそれぞれ0.228(79試合、18勝61敗)、0.230(26試合、6勝20敗)と大差ない。にも関わらず、何故神宮枠不要論はあまり聞かないのか。その理由を考察してみる。

①大きく分類すると一般選考枠だから
前述の通り、神宮枠は一般選考の当落戦上にいる学校が選ばれる。つまり、それなりに実力はあるといえる。21世紀枠で選ばれる学校が都道府県の予選で負け、地区大会に進めないケースがある中、神宮枠で選ばれる学校は少なくとも各地区大会の上位に進出しているのだから、どちらが実力的に上かは明らかだ。
②初戦敗退だったとしても、21世紀枠に比べると大敗が少ないから
成績を見てみると、21世紀枠は初戦での大敗(ここでは5点差以上とする)が17校だったのに対し、神宮枠は5校である。枠の数が違う為、単純比較はできないかもしれないが、それでもこの差は大きい。いくら通算成績が大差ないとは言え、初戦での大敗の数がこれだけ違えば神宮枠不要論があまり出てこないのは当然なのかもしれない。

ただ、先にも述べたように私は神宮枠は不要と考える。それなりの実力があっても、地区大会のあと一歩のところで勝てないようでは、全国で勝てる可能性は低いからだ。
そして何より、神宮大会優勝校には特にメリットはない。であれば21世紀枠も神宮枠も廃止して、一般選考枠を増やせば良いのではないか。そうするとどこに割り当てるかが課題となるが、私なら東北、東京、東海地区に当てる。そうすれば選出で悩むことも揉めることも少なくなるだろう。

出場枠の内訳についてはもう一度見直す必要があると思う。来年以降、どう変わるのかを注視していきたい。

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