煙草の害、モンテ・クリストサンド、酢豚、鳥カツ、オデン
17時に歩いてタバコを買いに出た。
交差点でお年寄りが向こうから歩いてきた。渡るならば交差点に入ってくる車を止めて横断を助けてあげようと思った。渡るのか曲がるのか聞いた。
もうすっかりくらくなっていた。
コートも着ていないし、手には小さなバッグと薬袋のようなものがある。何処から着て、何処へ行くのか聞いてみた。50mほど向こうの眼科病院から歩いてきて、500mほど先の整形外科に行くという。まあまあ雪は除雪されているが、もう暗い。僕でも歩いてはいけない。
チトびっくりして話を聞いてら診察に2時間かかったという。ご自宅は車で40分位の街である。
行き着くのは無理だと思い、一緒に病院まで戻った。10分くらいかかった。
お話をしながらの道のりであった。
年寄りの話は長くて、みな同じ様に懐かしい。僕は大好物だ。
眼科病院に戻り、受付で看護婦さんにタクシーを頼んでもらう様に引き継いだ。お爺さんが次に行く整形外科の病院の場所を聞いたようだった。
その時に歩いては行けないことは分かっていながら看護婦さんはそのままにした。自分でタクシーを呼ぶとか言ったのだろうが、90歳のお年寄りである。看護婦さんも忙しかったからであろうが、気に入らない。
看護婦さんがではなく「そういう世の中」が気に入らないのだ。
老人や子供は自分の姿であり、やがて来る世界の姿なのだ。
後のことを頼んで病院を出た。古代遺跡の文書を解読したら「最近の若者は人情がない」と嘆いていたと聞く。確かに世の常なのであろう。
少し泣いた。
父が亡くなってからもうすぐ丸2年だ。まだ辛い。
この話はまたいずれ。
タバコは体に悪いと言うが、今の世の中のほうがもっと体に悪い。
今日は妻がパートである。晩のお弁当と僕の食事を作る。もちろん娘も帰ったら食べる。
お客さんのところに挨拶に行って、少し泳いでスーパーでパンとカツ丼用のソース(割引)、ぬか床などといろいろと買った。カツ丼用のソースを見て鶏肉があるのでカツを作ることにした。
時々行くと「お買い物」は楽しいものである。
揚げ物をする時に酢豚を作ることが多い。
素揚げの工程が一緒にできるからである。30~40分で一気に片をつけると達成感がある(笑)。
肉を切って油に火を入れるとスタートである。野菜は揚げている間に切っていく。今回はモンテスリストサンドとの「あわせ技」である。腕の見せ所である。3秒位考えて、順番を決める。厨房仕事は何度も繰り返すことで熟練していく他ないのだ。料理教室に行こうと、本当に「大事なモノ」は売っていない。金で買えるものはろくなもんじゃない。
自分で見つけるほかないのだ。
カツは「ドロ(液卵に小麦粉を加えたもの)」の濃さで味わいを出す。今日は薄めにしてカツ丼向けに仕立てた。
火口が2つしか使えないので酢豚とのタイミングが難しい。玉ネギを素揚げしてエキスが外に出る前に中華鍋に入れたいのだ。素揚げしたバラ肉に美味しさが吸われるのがベストである。
後片付けは16時位に汁を作る時に一緒にやっつける。
娘が帰ってくるのは18時過ぎになる、妻は22時が上がりの時間である。
温かい汁があると心が温まる。
毎日必ず夕方に作り、翌朝まで食べる。
イソイソと妻と娘の帰りを待つ。健気なハウスキーパーの姿である。
すこしは仕事しているのですけどね。
このあとタバコを買いに出て、泣かされた。
人様の世話にならないで、ピンコロの人生の終わりを向けられるための食事を見つけたい。
厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。