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手羽大根は大鍋に限る

「カルシュウム不足」と言われてもう何十年も「カルシュウム」ばかり食わせられている。しかし、骨関係の災厄は私達を苦しめ続けている。リュウマチに骨変形、骨粗鬆症みな「骨の分解と構築」のトラブルである。「政治的に正しい栄養学」は材料の不足や過剰だという。しかし、僕はそうは思わない。骨を再構築する為に必要な代謝系が壊れていると思う。

分子栄養学は必須栄養素の過不足だと断ずる。家を建てる時に材料が足りないと言っているようなものだ。僕は、「良い腕の大工」が足りないと思っている。

骨は毎日分解され構築されている。おおよそ1年ですべての骨は溶かされ作り直される。身体の内側では「粉骨細胞、造骨細胞」と言う2種類の細胞群が「骨」を分解して再構築する。カルシュウムは神経伝達で重要な役割そする。厳密に濃度が管理されつための緩衝帯として「骨」は生まれた。そして、私達のような内骨格の生命は成長に従って骨が大きくなり筋肉も構造が変わる。

昆虫は外骨格なので身体全体が作り直される。芋虫は蛹から蝶になり、ヤゴはトンボに、セミは幼虫から空に飛び立つのだ。そして全く違った食物連鎖のレンジに生きるのである。人は成長に従って骨格は伸び筋肉は追いかけていく。五十肩などという状態もこの律の逆向きのものだと考えればいい。老人になると内骨格は変わり、背骨が圧迫骨折などという状態にもなるが、病気ではない。全体は調和を持ってコンパクトになるが、決してどこかに中枢があるわけではない。個別の細胞が互いの関係性を保つために様々なシグナルを出して補い合うのである。それを医学は検査値などといい、病を見つけることが出来ると言うが大嘘である。僕が『輸液(点滴による体内の海の撹乱)』を嫌うのは、ほんとうの意味の調和が崩れるのである。一度始めたら止められなくなるのである。インスリンを考えればいい。僕の膵臓は未だ基礎分泌を保っていたので食事を変えることで、インスリンは必要なく生きることが出来た。医者(商売人)にとっては困った患者であるが、僕自身は大変「幸運」だったと言える。

「粉骨細胞、造骨細胞」は協力して分解と再構築を行う。しかしそれらの細胞群が適切に機能しなかったらどうなるだろうか?いくらカルシュウムがあってもまともに骨が構成されるわけがない。

ドッグフードのような食事(「乾燥・濃縮・抽出」工程を通った食事)では、食物連鎖の内から受け取るべき「立体構造を維持したタンパク・脂質」が受け取れていないのだ。本当に大切なものは、食事になるまでのプロセスのうちにあるのだ。商品化された食事では破壊されてしまう。

一つの細胞のうちには8億~80億のタンパク質がある。それぞれに相互に関係し合いながら代謝を行う。大事なことは、「粉骨細胞、造骨細胞」は骨を再構築しているなどということは知らないのだ。ただ環境(細胞周辺の海)に対して当たり前の反応をしているだけなのだ。分子栄養学に限らず、政治的に正しい栄養学は「擬人化」が大好きなのだ。擬人化は分かり易さという誤りに陥っている。生命は、「目的」を持ってはいない。ゴールがどこかにあるわけでもない。

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伝統的なプロセスで作った料理は、骨も丸ごとに長時間かけて調理する。商品化された食事はクレームが怖いから魚は骨抜きである(笑)。

自分で食べるものだから「安全・安心」は当たり前。商品化された金で買える「簡単な食事」とは全く異なる。

直接原価は安いが、作るためには時間がかかる。調理の技術も見事に消し飛んだ。それは「子ー嫁ー姑」と言う徒弟的な関係の内にあった。

高額な料理を買えば手に入るであろうが、毎日は無理だ。私達が50年の社会の変化で失ったものは「家族」であり、家族が守ってきた伝統的な調理技術であり、生命の律なのである。

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手羽先をジックリと時間をかけて調理すると滋味あふれる手羽大根ができる。この手羽大根は「骨の周辺の代謝物」をジックリと煮出して大根や豆、高野豆腐、コンニャクが吸って、宝物である。そこらで買えるもんじゃない。まあ、一回食べにおいで、お裾分けしてあげる。

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午前10時のスタートである。保温鍋で3時間おくと先の部分までもみな食べることが出来る。これは驚きである。

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昨日のうちに煮ておいた大豆を合わせてやる。豆をいかに食べるかというのも大事な課題である。「百年のお裾分け」のメニューには多用する。

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保温鍋で3時間である。小ぶりの鍋なのであまり長く保温は聞かない。

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2時位に妻が大根を買ってきてくれたので切って下茹でに入る。

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保温している間に里芋、大根の下茹で、高野豆腐の戻しを済ませる。大根は小さめにすることにした。里芋もしっかりと下茹でする。人参忘れた。

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味は「酒・味淋・醤油」のみ。鍋と材料、そして時間が美味しさを生んでくれる。

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酒・味淋を煮きって醤油を加えて手羽と豆から入れる。少し煮てからほ大根、里芋、コンニャク、高野豆腐が入る。

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大根やっぱ多かっただろうかねえ。300食作ることを考えながら作る。

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おおよそ一時間煮詰めていくと恐ろしく美味い手羽大根ができる。

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大根に味がしみて、手羽先は骨までしゃぶれる。

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今日のお裾分けは、ソウハチガレイの唐揚げ、鳥モモのバリッと焼き、ナスのトロトロである。

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カレイはすぐに捌いて唐揚げにした。これで200円である。

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鶏モモは200円程度であろうか。

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挽き肉とナスと野菜たっぷりのナスのトロトロである。母の得意料理であった。

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これで2.5人前、しっかりと素材から作っている。大層な料理ではない。大事なことは毎日続けることである。

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Sさんも、気に入ってくれた。

今は毎日食事を作りながら、Sさんの身体の状態を見ている。もし僕の「食事に価値がある」としたら何らかの変化が見えるだろう。Sさんは現在骨関係のトラブルに苦しんでいる。(殆どのヒトは80歳を超えるとはそうなっていく。)

魚の煮付けや手羽先と言った部分を骨ごとジックリと煮た料理を作る。もし伝統的な調理方法に価値があるならばすぐに分かる。

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毎日話しをしながら、切り方、硬さ、が丁度いいかお聞きする。昔の話を聞いて記憶や判断力は素晴らしい。ウイットに富んでいるし良いことを言う。体調の変化はこれから変わっていくだろう。僕は食事の力を信じている。

毎日の食事がどう体を変えていくのかのフィールドワークである。

一つ一つの細胞は、何年生きたかなどということは知りはしない。精一杯生きてコトリと死ぬのである。

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僕の食事はこれ、まもなく酒をやめて1ヶ月になる。僕はどんな80歳になっているだろうか?

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#カルシュウム

#リュウマチ

#骨変形

#骨粗鬆症



厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。