19 バタフライハグ
少しさかのぼって2023年9月のことです。
神戸で映画のエキストラに参加しました。フードコートの客の役でしたが、相席した50歳前後の女性が休憩時間に「バタフライハグ」をしていました。「セルフハグ」とも言うようです。
6月に読んだ日本グリーフ専門士協会の井手敏郎さんの著書『大切な人を亡くしたあなたに知っておいてほしい5つのこと』にこの「バタフライハグ」が推奨されていたことを思い出しました。
以下、この本から抜粋します。
まず、身体の前で両手を交差させます。頭の中に自分にとって心地良いものを思い浮かべます。安心できる人、場所、物など。心地良いイメージを思い浮かべながら、交差させた両腕で、自分自身を優しくハグします。そして、両肩を交互にトントントンと優しく刺激します。そのまま2分ほど続けます。
「バタフライハグ」はPTSD(心的外傷後ストレス障害)をケアする一つの方法として、1998年に考案されたそうです。PTSDに陥ると、右脳がネガティブな感情を過剰に作り出すため、前向きな意欲を作る状態が働かなくなります。一方で左脳は感情を抑制する働きがあるとされています。そのため左右に交互に刺激を与えるバタフライハグは、右脳と左脳のバランスを整え、気持ちを落ち着かせ、トラウマ、悲嘆、不安、怒り、抑うつなどの解消に効果を発揮すると言われます。(抜粋ここまで)
もう少し調べてみると、「日本セルフエスティーム普及協会」という団体が自己肯定感を高める普及活動に取り組んでいて、その一環として「セルフハグ」を広めているようです。ちなみに8月9日は「ハ(8)グ(9)」=「セルフハグ」の日だそうです。
たまたま相席した女性がしていた「バタフライハグ」。彼女がこれをどこでどんな経緯で知ったのか聞いてみる機会もなかったですが、何か不安を抱えていたのかも知れません。
この「バタフライハグ(セルフハグ)」はいろんな場面で使うことができる便利なお守りであり、おまじないのようです。私のようなオヤジには似合いませんが。