人的資本の情報開示について
2023年3月の決算期から、一部上場企業を対象に有価証券報告書への「人的資本情報」の記載義務化がスタートした。人的資本の情報開示において投資家に好材料を与えるためには、人的資本への投資が労働生産性や財務状況にどう効果を発揮しているのか、明らかにすることが求められる。人的資本の情報開示で重要となる「人材育成」においては、投資家からの関心が特に寄せられている分野だが、投資効果を明確に測定することに難しさを感じる企業も多い。人的資本の取り組みにおいて企業が目指すべきゴールは、有価証券報告書で開示する情報を充実させることではなく、人材活用によって組織の持続可能な成長をどう実現するかだ。人的資本の真の価値を引き出し、企業価値を高めるための「育成の見える化」は、これからの経営の最優先課題だと言えそうだ。
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