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プロが教える作詞のコツ

「作詞」というのは
「作曲」「編曲」「DTM」と違って
形にすることは誰にでもできます。
その中で少し手をくわえれば
耳に残る心に残る」ができてきます。

僕は長年メジャーでたくさんの
作詞を提供してきました。
そこで感じたこと、経験したことを
「note」に書いてみます。

「歌詞を一曲完成させるために」

note見出し歌詞を一曲完成させるために

歌詞が書けない

歌詞が書けない人共通点
「何から書いていいかがわからない」
「書こうとしても手が止まる」
という人が多いです。

そんな状態でなんとか書き終えても
結局まとまりがなく
何を伝えたいのかがわからないものができます。

そうならないための
ひとつの方法をお教えします。

テーマを決める

歌詞の本文を書く前に
「この曲はこれが言いたい」
というテーマを決めてから
書き始めることは大事です。

曖昧(あいまい)な感じにならないために
「見出しを作る」という感覚で
テーマを決めると効果的です。

「猫の可愛さは鳴き声にある」
「夕日を見ると子供の頃を思い出す」

など、日常なことでも構成を決めて膨らませれば
立派なまとまった歌詞ができあがります。

「空を飛んだら星に手が届きそう」

こんなぶっ飛んだ見出しでも
テーマが決まっていれば曲の中で
ストーリーはまとまります。

とにかく単語を書き出す

テーマが決まれば
そのテーマに関した単語や一文を
箇条書きで良いので
とにかく書けるだけ書き出し
「単語リスト」を作ります。

せっかくなので
「空を飛んだら星に手が届きそう」
を例にすると、

「羽」「風」「大地」「雲」「雨」「月」「太陽」「地球」「スピード」「ジャンプ」「眩しい」「鳥に挨拶」「空を駆け回る」

などなど、
書こうと思ったらたくさん出てきます。
少しネタがなくなってきたら
雑誌を見ながら書くなどすれば
関連したヒントの言葉が出てきます。
この時点でテーマに沿った歌詞
スタートしています。

構成(台本)を決める

言葉がそろったところで
構成(台本)を考えていきます。
言葉集めをしていると
背景がうっすら見えてきます。
それらを描きながら、まず
言いたいこと」を中心に考えます。

この段階では
細かい台本作りではなくて大丈夫です。

・ 言いたいところ
・ 言いたいことのきっかけ
・ 言いたいことの理由

また先ほどのテーマを例にすると

一番言いたいところ

「空を飛んだら星に手が届きそう」

言いたいことのきっかけ

「自分の居場所は
 みんなと違うところにある気がする」

「みんなと離れて
 あの星に行ってみたい」

言いたいことの理由

「空を飛んでみんなと離れれば
 自分の世界がきっと見つかる」

テーマを膨らませていくと
裏テーマなどが出てきます。

「星に手が届いた時、
 足先を見ると人々が輝いて見えた」

曲とテーマを合わせていく

大まかにテーマの分割ができたらここで初めて
メロディに言葉を合わせていきます。
その時、先ほどの
「単語リスト」を見ながら作ると
アイデアも出てテーマの統一性も取れるので
効率よく進めます。

メロディの構成にもよりますが
「Aメロ」「Bメロ」「Cメロ(サビ)」
に分けてブロックごとに合わせていきます。

「Aメロ」
 言いたいことのきっかけを膨らませます。

「Bメロ」
 言いたいことの理由を膨らませます。

「Cメロ」
 言いたいところを膨らませます。

ここで、やはりなので
メロディに合った言葉を選びながら
テーマを膨らまさなければいけません。
いろんな聴き手の耳に残る手法はありますが
これは経験で上手くなっていきます。

まずは一曲を通してしっかりとした
テーマで書き終えることが大切です。

何から書いていいかわからない時は
こういったルールできっかけを作り
出てきた言葉でさらに言葉を生んでいく。
これをくり返せば、手を止めることなく
楽しく歌詞が作れます。

<POINT>
テーマを膨らませる時は
視点をしっかり考えながら文章を作ります。
映画と違って、映像(えいぞう)は
聴き手頭の中にあります。
どれだけ映像が浮かぶ言葉を使っても
誰がどこに向かっていっているのかが
バラバラだと浮かんだ映像
主人公が出てきません。


「心を動かす言葉のテクニック」

note見出し心を動かす言葉のテクニック

母音の役割

にとって母音はとっても重要で
曲の印象も変えてしまいます。

声は楽器です。言葉は音色です。

楽器も音色が変われば曲の印象が変わります。
歌も言葉が変われば表情が変わります。

母音それぞれの特徴

「あ」(a)
 大きくインパクトのある声が出せる

「い」(i)
 キャラクターが出しやすく響く声が出る

「う」(u)
 大きさ、高さが出にくいが、裏声は出しやすい

「え」(e)
 発音が難しく優しい響きになる

「お」(o)
 低音が出しやすく響きやすい

なかなか上記をふまえながら
歌詞を書くのはむずしいですが
歌いながら作れると
自然に良い使い分けができるようになります。


母音の使い分け

母音「Aメロ」「Bメロ」「サビ」 
場所によってうまく使い分ければ
曲に抑揚(よくよう)ができて
印象にのこりやすくなります。
特にサビの最初や最後の決めゼリフなど
聴こえ方の言葉選びは大事です。
母音を意識して単語を選んでいる作家さんは
たくさんいます。

例えば‥‥
Aメロは大人しく低音を響かせる
「う」「お」母音を多めに使う・・・
「ぼくのことを」「このおもいを」「そっとうたおう」など

サビ頭などはインパクトをつけるために
「あ」母音を使う・・・
「あいしてる〜」「さぁ、いこう!」「まけないで」など

盛り上がりの高い伸ばすところで
「い」母音を使う・・・
「嬉しい〜」「君が好き〜」「始まり〜」など

最後は優しく包む
「え」母音を使う・・・
「大好きな君へ‥」「笑って‥」「前へ進め‥」など

曲調にもよるので
上記にあげたものは一例ですが
母音の使い分けによって
「出しやすい言葉」「雰囲気を作れる言葉」というように
使い分けることができます。

歌をイメージしながら作詞をしてみれば
意外と自然にできているということもありますが
意識して作詞すれば
メロディの良さを引き出すことができます。

<POINT>
母音」によって言葉のリズムが作られています。
たくさん歌詞を書いている人には
自然にできていることですが
行き詰まった時に少し母音の位置を変えてみると
そこから新しい言葉が生まれてきます。

韻を踏むコツ

韻を踏む」とは
同じ母音リフレイン(くり返し)させて
印象付けることをいいます。
くり返すことで
歌のリズムアクセントがついて
強い印象をつけれます。
曲を聴いた人の耳に残ります。

ラップ、HIP HOPなどのジャンル
よく使われる印象があるかもしれませんが
POPROCK、アコースティックな曲にも
重要な技術になります。

最初はダジャレを作るように作っていけば作れるのですが
母音だけ合わせると
さりげなくノリが伝わるのでとても効果的です。

例えば‥‥
「逢いたいけど毎回(まいかい
 予定が合わない

のように母音(a)(i)で揃えることで
アクセントが付きフレーズにリズムが出ます。
そして曲を聴き終わった後でも耳に残ります。

テレビもねえ
ラジオもねえ
車もそれほど走ってねえ
ピアノもねえ
バーもねえ

ここまでいくと一回で頭から離れません。


韻を踏む=スリップビート効果

「韻を踏む」を利用して
言葉でスリップビートの効果を
作ることができます。

ドラムが一定のリズムで刻まれていて
その上でいろんな楽器が音を出す
というのが基本の音楽ですが
一定のリズムの中で時々拍をずらすことを
スリップビート」といいます。

2拍目と4拍目でスネアが入るリズムの中で
たまに2の裏拍、4の裏拍に
スネアをズラしたりします。

note作詞03_図01-2

「スリップビート」を入れると
単調な曲に動きができてアクセントが付きます。

それと同じ効果を言葉で作ることができます。
韻を踏んだ言葉が2の裏拍4の裏拍に入ることで
歌に動きができます。
これは「スリップビート」と同じような
耳の引っ掛かり方をするのでとても効果的です。

<POINT>
「韻を踏む」

作詞をしていく上で必ず通るテクニックです。
フレーズリズムが作れる
ということは表現力につながります。
意識して取り入れるようにすれば
とても有効なのでどんどん試してみてください。

ぎこちない譜割りはNG

言葉リズムです。
単語ひとつひとつにリズムがあります。
メロディリズムに合う単語を選ぶと
歌に気持ちを込めやすいです。
聴き手側も、リズムバラバラの単語が並ぶと
とても聴きづらいです。
それを改善するには「譜割り(ふわり)」を
意識してあげることです。

例えば‥‥
「あー楽しかった」という歌詞には

タン・・タタタタン・・タン!

というリズムが合うと思います。これが

タタン・・タタン・・タタン!

だと、「あたーのしーかたー」
になって何を言っているのかわからないし
違う言葉に聞こえてしまいます。

J-popのなかでは英語のように聞こえる
言葉遊び的な歌詞もたくさんありますが
言葉メロディ
コントロールしながら歌詞を作ることができたら
それは素晴らしいアートだと僕は思います。

自然なイントネーション

単語ひとつひとつに
「イントネーション」があります。

方言などで違いはあるとは思いますが
メロディに合うイントネーションにすることで
抑揚(よくよう)が自然な聞こえ方になり
スッと入ってきます。

これは以外と大事なことで
自然な言葉のイントネーションが出来ていると
フレーズの説得力が増します。
イントネーションが噛(か)み合ってないと
説得力も薄れるし、歌いにくくもなります。

経験上、歌を歌っている人が歌詞を作ると
イントネーションが自然にできるのですが
歌っていない人が作ると
違和感(いわかん)のある
歌詞ができあがります。
(もちろん歌い手さん以外で
 素晴らしい歌詞を書く方はたくさんいます)

言葉メロディ
同時に降ってくるということがありますが
その時は「譜割り」「イントネーション」
ピッタリの状態で降りてきます。

<POINT>
「歌」
というものは本来
「聴いている人に言葉、フレーズを伝えたい」
これが原点なので、自然な言葉の力を
「リズム」「イントネーション」
で邪魔(じゃま)をしてはいけません。
これができていれば、言葉メロディになり
強調されて相手に伝わるる歌詞ができます。

言いたいことを先「倒置法」

倒置法(とうちほう)」とは
結論を先に言ってしまう手法です。
頭に結論を持ってくると
聴いている人の耳をつかみます。

例えば‥‥
「夜空の星が輝いた。」
 ↓↓↓
「輝いた、夜空の星が。」

「あの街へ行ってみたい。」
 ↓↓↓
「行ってみたい、あの街へ。」

「キミのこと愛してる。」
 ↓↓↓
「愛してる、キミのこと。」

例文のように
「◯◯です!◯◯だから」と言われると
聴き手は「えっ!?あぁ、はいはい!」
となって心が動かされます。
ということは気付かないうちに
心に残りやすいということです。

例えば‥‥
咲いた咲いた   (えっ!?)
チューリップの花が(あぁ、はいはい!)
並んだ並んだ   (えっ!?)
赤白黄色     (あぁ、はいはい!)

チューリップで例をあげましたが
J-popのなかでも「倒置法」が突然出てくると
聴き手が自然と耳をかたむけます。

//注意///
乱用禁物です!
使いすぎると文章全体で
何を言いたいのか伝わりにくくなります。

耳に残る「反復法」

反復法(はんぷくほう)」とは
同じ言葉を繰り返して
インパクトをつける手法です。
一度聴いたら耳に残る、とても有効な手段です。

例えば‥‥
僕は何度も何度も言った。
それは辛い辛い出来事だ。
キミのことをとてもとても愛してる。

例文のように2回繰り返す程度は
歌詞の中で使いやすく
たくさんの人が取り入れています。
たくさん反復させるのは
いざ歌詞に合わせようとすると勇気がいります。

例えば‥‥

Let it be, let it be, let it be, let it be
Yeah, there will be an answer let it be

リンダ リンダ リンダ リンダ リンダ リンダ リンダ リンダ リンダ リンダ

飛んで 飛んで 飛んで 飛んで 飛んで 飛んで 飛んで 飛んで 飛んで
回って 回って 回って 回る


//注意///
例にあげたの歌は
言葉とメロディーが気持ちよくハマっていて
とても良い例ですが
言葉のチョイスと
イントネーションに気をつけないと
いい印象になりません。

<POINT>
日常の会話の中で
「出来たー!難しい問題なのに!」など
興奮すると先に結論を言って
自然と倒置法を使っています。

「それはない、ない、ない。」
「いや、いや、いや、待って、待って、待って」
という風に興奮すると単語を繰り返し
自然と反復法を使っています。

ということはこれらの手段を使うと
感情が伝わりやすいということです。

「倒置法」「反復法」
ポイントポイントで上手く使えば
料理でいう調味料的な役割をしてくれます。
使いすぎると濃くなってしまうので
お気をつけください。

センスの良い「比喩表現」の使い方

比喩表現(ひゆひょうげん)」とは
何かを表現する時に
他の物に例えて説明する手法です。

比喩表現の中には
直喩法(ちょくゆほう)」
隠喩法(いんゆほう)」
擬人法(ぎじんほう)」
などいろいろ分けられます。

これらの表現は共通して
言葉を置き換える効果です。

例えば‥‥
「君の笑顔は太陽のようだ。」
ドラマのような1日だった。」
白いじゅうたんの上を歩いた。」

例文を聴くと
一瞬でも頭で考えて意味を探します。

「太陽」→「明るい」「まぶしい」
「ドラマ」→「めまぐるしい」「うそのような」
「白いじゅうたん」→「雪の積もった道」

この一瞬が頭の中に映像を生み出します。
ありきたりの言葉を使って
何も映像が浮かばずにさらっと曲が終わるのと
映像が生まれながら曲を聴いた後とでは印象が違います。
比喩表現を使うなら
映像が浮かびやすい言葉をチョイスすると
さらに効果的です。

やりすぎて骨組みが見えなくなると
効果が薄れるので、注意です。

<POINT>
コツとしては、歌詞の中で
「この辺の言い回しを比喩で表現しよう」
と決めたら、そこの文章の回答に対して
なぞなぞを作る感覚で作ると
いい表現が浮かびます。


みんな生きている「擬人法」

擬人法(ぎじんほう)」とは
人間以外のものを人間の行動のような
表現をする手法です。
擬人法を使うことによって
ありきたりな文章ではなくなり
イメージもスムーズに伝わるので
とても効果的な手法です。

例えば‥‥
「街が眠った。」
「森が歌う。」
「空が泣いている。」

例文のように人が普段使う行動を当てはめると
すぐに映像が浮かびます。

「街が静かになったんだぁ」
「森が風に揺られているんだぁ」
「雨がふっているんだぁ」

直感でわかります。
中には考えないとわからない
擬人化した表現もあるとは思いますが
人の行動は共通のイメージができる表現なので
伝えやすい手法です。

<POINT>
言葉の伝え方はいろいろありますが
言葉を置き換えることによって
歌の中の世界観がグッと広がります。

歌詞というのは
作り手と聴き手のイメージが混ざり合って
何億通りもできるアートです。
そのアートをより深いものにするための
キーワードは「世界観の厚み」です。

比喩表現、擬人法
それを作り出す効果的な手法です。


「 ま と め 」

僕が書いているのは
作詞」というより「歌詞」です。
メロディの良さを引き立たせるには
歌詞がとても重要になってきます。
今回書いたの作詞のテクニックを使うだけで
メロディが何倍も生き生きしてきます。

作詞をしているみなさんの
少しでもお役に立てればうれしいです。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

マサツム

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DTMer 。フリーランスの作曲・編曲家として活動中。 ブログ「言葉と音」 → https://masatsumu-dtm.com  オーディオストック → https://audiostock.jp/artists/515/audios?audio_category=0

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