股関節138 特発性大腿骨頭壊死症と壊死範囲
おはようございます!
ドラえもんの世界で生活してみたい塗山正宏です。
「もしもボックス~~~♪」
今日のテーマは、
特発性大腿骨頭壊死症と壊死範囲についてです。
特発性大腿骨頭壊死症とは、大腿骨頭の一部が、血流の低下により壊死に陥った状態です。
ここでいう壊死とは骨が腐ってしまった状態ではなく、血流が途絶える事によって骨の組織が死んだ状態です。
骨壊死が起こる事と、痛みが出現する事には時間的に差があります。
骨壊死があるだけでは股関節の痛みはありません。
骨壊死を起こした部分の骨が潰れることにより、痛みが出現します。
大腿骨頭壊死症の発生から、股関節の痛みの症状が出現するまでの間には、数ヵ月から数年の時間差があります。
また、骨壊死はあっても、壊死の範囲が小さい場合には、痛みが出てこない可能性もあります。
それでは本題です。
たまに外来で患者さんから質問されるものとして、
「骨の壊死の範囲ってひろがっていきますか?」
答えとして・・・
壊死の範囲は拡大しません。
大腿骨頭の血液循環の悪いところだけが壊死するので、その壊死部周囲の比較的血液循環の良い部分は時間が経過しても変化は基本起きません。
したがって、細菌感染のように壊死が周囲に拡大する事はなく、ほとんどの場合、壊死の範囲の大きさに変化はありません。
反対に範囲が小さい場合は修復されて時間の経過とともに縮小する場合があります。
ちなみに、大腿骨頭が圧潰するかどうかは、体重のかかる荷重部における、壊死範囲の大きさによります。
壊死範囲が荷重部に対して3分の2以上の大きさになると、圧潰する危険性が高いと報告されています(50~86%の報告あり)。
大腿骨頭の圧壊が進んでしまうと、手術が必要になる可能性が高いので要注意です。
以上、特発性大腿骨頭壊死症についてお伝えしました。
本日のまとめ
特発性大腿骨頭壊死症の壊死範囲は基本的には拡大はしない。
「ストレッチ、ストレッチ!」
ハムストリングスの柔軟性には気を付けていきたい整形外科医の塗山正宏でした。
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