中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)と日本のDCJPY JPYC8

中央銀行デジタル通貨というものは、お金は機能として本来デジタル化と相性が良いので、もっと早く実現しているべきものだったかもしれない。

それに時間がかかってきたのにはいくつもの理由があるのだろうけど、その実装方法によっては既存の民間金融機関がいらなくなってしまうことも想定できてそれをどうするかの議論もあったはずだ。

今の民間銀行は、日銀の当座預金に預金をして、一定の自己資本比率の範囲で、その何倍もの金額をお客さんの通帳に印字できる。
銀行のお客さんの貯金は、主客を逆転して銀行の立場になれば自分の借金になる。

もし、民間銀行が行っていることも含めて個人や企業も容易に利用できる影向銀行デジタル通貨が発行されたら、民間の銀行の仕事は大幅に減るか少なくとも役割がかなり変わることになる。

だから日本の場合だとそれをどのように行うのだろうと思っていた。

その部分をまるで補って説明するかのように、
今月2021年11月24日 日本のデジタル通貨フォーラムから『DCJPYホワイトぺーバー』というものが発表された。
https://about.decurret.com/.assets/forum_20211124wp.pdf

日本の銀行を中心とする大手金融機関等70社以上がメンバーになり、オブザーバーには金融庁、経済産業省も入っている。座長は日本銀行で決済機構局長だった人だ。
こういうメンバーが意見交換して作られたものだけあって、ああこうすれば安全にうまくいくのだろうなと思わせる内容だった。特に2層構造にして、付加価値領域で実際の外部とのトランザクションを担うような構造として、共通領域は、銀行同士の振り替えのようなオペレーションとすることで、お金のセキュリティーをあげられるのかとおもわされたこと。
付加価値領域で妙なことあっても共通領域でロックかけたり、検証しなおしたりできるらしい。

また付加価値領域があるから、NFTみたいな比較的新しい技術もこの中に取り込める構造というか設計にしたということらしい。

さすがだなあ、将来の日本のデジタル通貨はこれに収束するなと読んだ直後は思わされてしまった。

でも、暗号資産のむくめて、お金のデジタル化によって世の中は大きく変わるのに、完全に既得権益をもつ側の会社の団体が作ったものに、全部乗っけられてそれでこれからの大きな変革に最適な社会変化はなされるのだろうかという、より大枠での疑問がでてきた。 銀行はこのプラットフォーム上でどうやって利益を確保するかに集中してくるだろう。

でも、同時にお金ってやっぱり信頼性、信用、確実に決済されること等が基礎になって、お金の価値そのものを支えてくれるから、このくらいしっかり感がある側に、多くに人は付くだろうとも思った。

思えば、ビットコインやイーサリアムは立派な思想や技術的な仕組みがあるにしてもよくここまで育ったものだと思う。それは、自由とか一攫千金とか、人間が本能的に持つ願望を刺激するものであったこともあるのだと思う。

JPYCはイーサリアムの仕様の一つERC20のトークンでそれを日本円のほぼ等価に調整することで、実質ステーブルコインとして機能して経済圏を広げようとしている。しかも自家発行型前倍手段という届け出制で得られる認可の前以前の方法で、法的には暗号資産でないというとりあつかいとしている。

DCJPYが既存既得権益のものなら、自由な発想からでてきたものだ。

そんなJPYC社との契約も今月で終わる私はもっと自由過ぎてどうやって生きていくかなとつい思ってしまった。自由だから良い方向に行くとは限らない。

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