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ちょっとだけ話したいことを掬い取る

もう社会人になって3年が経つ。入社したばかりのころは3年って遠いなあと本当に遠い目をしていたが、意外とたどり着いてみると遠くもなかった。関東での生活は、休学中の1年もあるので通算すると4年になる。東北から出てきたという意識も薄れつつあり、おおよそ東京・神奈川での生活のほうが自分の基準になってきた。

ちょうど10年前、大学に入るかどうかの時期、慶應大のSFC(湘南藤沢キャンパス)に入学した友人たちを見ていてそのキラキラした姿に憧れという名の嫉妬心をもち合格した大学(結果的には母校)に入っても仮面浪人しようかと考えていた。家庭の事情的にも実家から通える仙台の大学にしてくれと言われていたものの、合格してから少し視野が広がり、東京の友人たちがSFCに合格している投稿をSNSを通して見ていて羨ましくなったのだ。

そこには、地方よりも大学生のうちから東京に出られることへの憧れが多分に含まれていた。18歳の人間が考えることなので、今ふり返るとそんなものである。

10年経ってみると、結局社会人になって東京に出てきたしあのころ焦る必要なんて1mmもなかった。もちろん、東京に出てきてから都心にいることのメリットは享受しているが、それも大学生のころに受け取る必要があったかは微妙だ。社会人になって、受け取るようになってからも自分の思うままに受け取ることができているかもわからない。

そんな具合に当時を眺めながら、現在の話に戻る。社会人になって3年。自分はだいぶ遅れて大学を卒業して25歳で社会人になったので、周りの同い年は社会人6年目の年代だ。

東京・神奈川での生活も当たり前のものにはなってきたが、なんだか物足りない部分もある。それが人間関係。もともとの性格的に陰キャで友達をつくるのが苦手だというのもあるが、でも気心の知れたひとは近くにいてほしいもの。

ひとりでいるのが好きではあるけれど、ずっと孤独に生きていたいわけでもない。ハードルなく自分の話したいことをさらけ出せるひとがいてほしいことにはいてほしい。

その点、前ほどすっごく恋愛したいというわけではないが、やはりずっとひとりでいるのは寂しい。映画の感想、仕事でよかったこと、あるいは大失敗して凹んでいること、最近不調なんだと思っていること、今まで黙っていたこと。30代を目前にした自分の人生や日々の暮らしなどなど、わざわざ誘ってでもないけれど、ちょっと話したいことはたくさんある。

ひとりでいることに慣れすぎて、昔に比べてそういう小さなことを思い浮かんでも言葉にしなくなってきた気がする。苦しみへの対処は少しだけ上手くなったというか、やり過ごせるようにはなったけれど、苦しみが消えたわけではない。それはやはりどこかに溜まっているのだ。

そんな上澄みが沈んでいく前に1つひとつ掬い取って、ちゃんと言葉にしたい。

マッチングアプリをまたやればいいのか?とも思うけれど、これまでことごとく上手くいっていないのでそれでいいのか?と疑心暗鬼である。いったいどうしたらいいものか。悩むもの。

そんな人間関係ができてきたら、もう少しこの場所に居るのが楽しくなってくるのかもしれない。もうすぐこの街で5度目の春を迎える。

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