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【定点観測】投資熱は過熱状態?現状の定点観測と、ここからの投資戦略を考える。

年始からここまでのマーケットを振り返ると、昨年末には誰も予想できなかったような環境が訪れている。
昨年末、今年のアメリカは利下げの年になると想定されていた。
これは2022年からアメリカのインフレ対策として歴史上最も厳しい利上げの連発を行ってきたことが終了し、今度は利下げを行うことで平常運転に戻すという考えであった。利上げ政策の結果、アメリカの中小金融機関の破綻が相次ぎ、金融不安の再燃までもが訪れた。また、昨年のイスラエルとハマスの戦争は、ユダヤ系民族の多いアメリカ人の不安を高め、これがもろに経済活動を委縮させた。その結果、アメリカに蔓延していた高いインフレも落ち着きを取り戻していった。
アメリカの金融政策を司るFRBの高官からもこの状況を受けて、利下げを思わせるハト的発言が相次いだ。その流れを受けて2024年が開始したということを振り返れば、今年のアメリカは、インフレが落ちつくこと、景気の鈍化も配慮せねばならないこと、ということが大衆の考えであり、「利下げ」が実施されると考えられていた。
利下げが実行されれば、日米金利差縮小を招き、ある程度のドル安円高傾向が訪れ、逆にそのことが日本の株式市場にプラスに働くかどうかは懐疑的であった。
ところが、蓋を開けてみると、経済、そして、株式市場は想像しなかった展開で進んでいる。
今年の日本の株式市場は、2月22日は一時3万9千円の株価を更新し、1989年以来の日経最高値更新となる記念すべき日となった。また、3月4日には日経平均が4万円の大台を超えるという記録ずくめのマーケットが続いている。
そして、アメリカ経済は利下げが行われることが考えられていたものの、その観測はどこ吹く風のように、全く消え去っている。

今回は現状の経済の定点観測を行い、今後の経済展望、相場展望を行っていきたいと考える。

アメリカ経済の現況

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