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感想:『AI DRIVEN』

伊藤穰一さんの『AI DRIVEN』の感想。今話題になっているOpenAIなどの生成系AI(ジェネレーティブAI)が社会にどんな影響を与えるのかを具体的に解説していた本になっています。

「AIは人間の仕事を奪う、奪わない」という考えは議題によく上がりますが、伊藤穰一さんの考えとしては、「今まで「AI」と呼んできたものは、知能のネットワークを拡張するもの「EI(Extended Intelligence = 拡張知能)」ではないか」という考えを本著では示されていて興味深かったです。

本書の構成として「仕事」「勉強」「イノベーション」「リーダーシップ」の4つの分野について、生成系AIが与える影響を解説していますが、「人間の得意なこととAIの得意なことの線引き」と「AIが返してきた結果を人間が検証することの重要性」が共通していたと思いました。

AIはインターネット上の公開情報を元に答えを作成して返すような仕組みになっているので、その答えが返した「意味」まではAIは理解できず、人間が自分の判断や知識で答えを検証することが必要なのだと理解しました。ただそうしたAIが「ときどき間違えたり、嘘をつく」欠点を考慮しても正しく活用すれば、これからの仕事や自分の活動を効率化して、より多くの事ができるようにサポートしてくれる強力なツールになるだろうと改めて感じました。

本書を読んで自分なりに考えたのが、今はChatGPTやMidjourneyなどは「公開情報」を元に判断を下していますが、より「個人情報や非公開の情報」を元に答えを出してくれる生成系AIが登場してくるだろうと思いました。

ChatGPTなどの生成系AIは多くの情報を集めて、そこから「平均値」のような答えを出してくれますが、まだ実際にAIを使っている人物がどんな人間であるか、どんな状況に置かれているかを判断して、言語化されていないニーズを含めて答えを返す、ということまではできないので、近い将来、そうしたことができるAIが登場するのではないかと思います。

こうした生成系AIの進化がさらに続くと、今はスマートフォンやパソコンを経由してインターネットにある情報にアクセスする、という人間と情報の関わり方から、「個人に特化したAI」が人間が検索する前から検索結果をある程度用意してくれて、もっと状況や趣味趣向に応じた情報を「コンシェルジュ」のように返してくれるようになるのではないかと思いました。

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『AI DRIVEN』


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