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世界を変えた不死の細胞、HeLa細胞の物語

生物学や医学の分野で使われるHeLa細胞の物語。
今や世界中の研究室で使われているこのヒト細胞株、実はアフリカ系アメリカ人女性ヘンリエッタ・ラックスさんの細胞から取られたものだということが明かされるノンフィクションをご紹介。
この本では、彼女の人生と、どうやってHeLa細胞が誕生したのか、その数奇な運命が語られています。

『一九九〇年の初期に、イェール大学にいた科学者がヒーラ細胞を使って、ヒトの癌細胞には、テロメアを再構築する〝テロメラーゼ〟という酵素が含まれていることを発見した。テロメラーゼが存在するということは、細胞が自らのテロメアを無限に再生できるということである。これこそ、ヒーラ細胞に永遠の命をもたらしていたメカニズムだったのだ。』

HeLa細胞は、強い増殖性と不死化という特性を持っています。
その秘密は、通常なら細胞が分裂を繰り返すたびに短くなっていくテロメア(染色体の端にあるDNA配列で、命のロウソクのようなもの)が、自分自身で再生するという特性にあります。

ヘンリエッタ・ラックスさんは今から70年前に亡くなった女性ですが、その一部の細胞が今も生き続けているというのは、なんとも不思議で驚くべきことですよね。


ヒーラ細胞の数奇な運命 医学の革命と忘れ去られた黒人女性

#読書 #HeLa細胞 #ノンフィクション #医学の歴史

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