泉水亮介さんのCSO就任について

 今日づけのリリースにて、泉水亮介さんがMomoにジョインすることを発表しました。控えめに言って超ワクワクです。
エンジェルで前CSOの村上臣さん(現LinkedIn日本カントリーマネージャー)以来の最高の人選じゃないかと思います(村上さんももちろん変わらず戦略面についていつも超相談に乗ってもらっててめちゃ引っ張り上げてもらってます!!)。
そんなわけで、なぜワクワクなのかをここで少し書くことにしました。

IoTの難しさとGITEXでのMAMORIOパイセンとの邂逅

Momoという会社はIoTをメインのドメインとしていますが、IoT事業はとにかく難易度が高いと感じています。
そんな難しいIoT業界の中でもいつも”さすがやなあ”と思わされてきた企業がMAMORIO社でした。

MAMORIO社とのリアルでの出会いは中東はUAEのドバイで行われたGITEXという展示会でした。お互い出展者としてブースを構えたことで知り合い、ドバイのWorld Trade Centre駅のロードサイドのハンバーガーショップでCEOの増木さんたちとハンバーガーだったかタコスだったかを片手にMAMORIOについて色々教えてもらいました。埃っぽい店内と食べ物が馴染めなくて買いだめしたカップ麺のことを昨日のことのように思い出します。
ちなみに当時MAMORIOというプロダクトについてはリリース時から知っていたものの、外部から見ているとどう成功に持っていくのだろうという感想を持っていました(そのへんがまた上手いのかもしれません)。

MAMORIO SPOTの衝撃

そんな中MAMORIO SPOTの記事を見て、”あ、これか!!!これが答えやわ”と膝を打ったのを覚えています。
”モノのインターネット”とはよく言いますが、ほとんどの場合”モノのインターネット”どころか”アプリと連動するガジェット”止まりです。
IoTというのは、SaaSビジネスなどと同様インフラにまで持っていくときに本当の価値が発揮されると考えているのですが、自社のプロダクトがそこまで持っていけるというのは極めて稀有な例だと感じています。
そして、MAMORIO SPOTの各駅への配備のニュースを見た瞬間、あの小さなBLEビーコンがインフラにまで昇華されたのだと確信したと同時に、一体誰がそれを主導し、実現させたのだろうと思いました。

泉水さんとの邂逅

その後色々と調べていく中で、MAMORIO SPOTを主に担当していそうな人としてCOOの泉水さんを見つけ、コンタクトをとって、忘れもしない一年前の秋葉原のルノアールでMAMORIO SPOTやIoT事業の戦略について図々しくも議論させてもらいました。そしてその時に確信しました。

”これはどうにかしてうちに入ってもらうしかねえ.....”

MAMORIO SPOTについて、思ってたのの512倍くらい泥臭いやり方で実現したということを聞いて、自分のぬるさと温室ぶりが恥ずかしくなるレベルでしたし、スケールの大きい戦略思考とその場その場での柔軟な戦術的判断、そして自ら手足を動かしたときの戦力としてのパワフルさにとにかく驚きました。あと、泉水さんが基本的に結果第一でワイルド志向なタイプなので自分的には非常にコミュニケーションしやすいというのもありました。

その後折にふれて連絡するようにしていたのですが、いよいよMomoの戦略を進化させる必要に迫られる中、2020年11月から泉水さんの独立のタイミングでMomoへのジョインが実現しました。


IoTにおける普遍的戦略とは何か?


村上臣さんとPalette IoTリリース時に議論していたのは、
”IoTサービス立ち上げの難しさ”でした。
特に村上さんは当時Yahooの"my things"がクローズした前後くらいで、孫さんの”ありとあらゆるIoTデバイス、1兆個をつなげる”という掛け声と現実のギャップが大きかったことを聞いていました。

そしてそれに対する一つの打開策としてPalette IoTに共感してもらってエンジェルと初代CSOとしてジョインしてもらえました。
一方で、それから3年が過ぎ、Momoは複数のIoTサービスの立ち上げに成功し、すでに次の問いへの答えを出す必要に迫られています。

すなわち”IoTサービスのスケールの難しさ”
”IoTサービスをどうやってスケールさせるか?”
への答えです
(しかも厄介なことに頭に”複数の”が付くかもしれない)。

すでに1ヶ月ほど議論を深めてきた中である程度見えてきたのは
もともと自分の中にあった”Collective IoT”という概念の整理と戦略への落とし込みがキーだということでした。

”Collective IoT”というのは僕が勝手に作った言葉ですが、プラットフォームにおけるネットワーク効果・ネットワーク外部性をIoT事業向けに適合させたようなもの、といえばよいかもしれません。
Momoにおいては複数のIoTサービスを成長させる必要があるため、IoTデータの価値を最初から高める必要がある。
逆にいえば”最初からIoTデータの価値を高めるには?”という問いへの答えを用意して拡大の施策を実行すること。
これが”Collective IoT”の核心です。それはまたいつか機会があれば記事にします。


Momoは事業構造上複数のIoTサービスをスケールさせるという、ベンチャー事業のセオリーに反するような性質を持っています。
それだけ大きな矛盾を抱えているだけに、自分としては取り組みがいがあると感じています。

泉水さんのジョインにより、その大きな問いに答えを出すことと、泥臭く地道ながら有効な取り組みができることを確信し、また楽しみにしています。