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【人が動く理由①】内発的動機と外発的動機

「部下の仕事に対するモチベーションを上げたい」
「この商品を買ってほしい」
「子どもが勉強、本好きになってほしい」
「子どものゲーム(youtube)をやめさせたい」
etc...

「人を動かしたい」

は永遠のテーマですね。

では、上記のことをさせる良い方法は?
ぱっと思いつくのはこんな感じでしょうか。

・目標を達成したらご褒美、報酬を与える
・行動するよう脅す、叱る
・褒める、励ます

もちろん、それで動く人もいますがそのモチベーションは一時的なものになることが多いのではないでしょうか。

では、どうすればよいか。
結論は

「自分からやりたいと思わせる」

です。
「当たり前だろ」「それができれば苦労はしない」
と思いますよね。

では、どうやって?
今回紹介するのはその具体的な方法です。

もちろん、100%ではありませんが知っているか知らないかで
大きく違う知識なので早速紹介しましょう。


その前に大前提として、人が行動する時には以下のどちらか。

①内発的動機
 ・やりたい(wan toの状態)
 ・前向きな欲求
 ・活動自体が楽しい
 ・結果は問わない
 ・メリット:自分から行動する、モチベーションが続く
 ・デメリット:本人の興味に左右される
 ・脳内ホルモン:ドーパミン(報酬系)
 ・重要ポイント「自分で行動を決められる(自己決定感)」

②外発的動機
 ・やらなきゃいけない(have toの状態)
 ・危険、損失の回避
 ・報酬が目的(収入、ご褒美、地位など)
 ・結果を目指す
 ・メリット:即効性がある
 ・デメリット:モチベーションが短期的
 ・脳内ホルモン(ノルアドレナリン)


これを踏まえると普通こうですよね。
ゲーム:want to(内発的動機)
勉強、仕事:have to(外発的動機)

であれば、have toとwant toをそれぞれ反対にすればよいことになります。

【ゲーム】

want to(したい)have to(しなくちゃいけない)へ変更
この方法は、ゲームを強制的にさせることです。
「クリアするまで毎日すること」「日曜までにまでに10レベル上げる事」
「誰々に5回勝つ事」など。
最初こそ「やったー、親公認で遊べる」となるでしょう。
しかし、キツいノルマを設定して「have to」状態になると段々とゲームも苦痛になるはずです。

このように、そもそも活動自体が楽しい内発的動機(want to)を報酬などで外発的動機に変えてモチベーションを下げる事をアンダーマイニング効果といいます。
サッカーのリフティングが楽しくて練習してるのに「○○回達成したらご褒美あげるよ」は逆効果な場合もあるという事ですね。


【勉強】

have to(しなくちゃいけない)→want to(したい)へ変更
「周囲が楽しんでいる」環境づくりが有効です。
周囲が楽しんでいたら気になるバンドワゴン効果。
人間は群れから外れることを嫌う本能に合わせた方法です。
バーゲンで取り合いになっていたら、なんか気になるアレ。
なので、ちょっとハードル高いかもしれませんが親が「楽しさ」を伝える、というよりは「表現する」方が効果が高いでしょう。

自分はこの言葉が好きです。
三流の先生は問題の「解き方」を教えてくれる
二流の先生は勉強の「仕方」を教えてくれる
一流の先生は勉強の「楽しさ」を教えてくれる

スポーツのコーチで上手い人も理論より、コーチ自体が競技を楽しんでいる事が多いのではないでしょうか。
自分は学生時代から英語が好きです。 もちろん洋楽の歌詞を「知りたい(want to)というのは後から来ましたが、その前に知り合いの先輩が「英語は楽しいなぁ」と毎日近くで言ってたからですw 間違いない。

なので習い事をさせてあげたい時にも有効だと思います。
ヴァイオリンの教育方法で有名な鈴木メソードでは、子どもの演奏の前に親に楽器を弾かせるという方法もあるようです。
子どもに「いいなぁ」「楽しいのかな?」という内側からの欲求を出させるのですね。

ちなみに、外発的動機である「報酬」が時にモチベーションになって内発的動機に変わる事や人もあります。 これをエンハンシング効果といいます。
なので、人によっては使うテもあるので使い分けが難しいところかもしれません。


どうでしょう?
ちょっとだけ、内発的動機と外発的動機のイメージができてきたのではないでしょうか。
一方で、「そんなにうまく行ったら苦労しない」と思いますよね。

そうなんです。
これがうまくいく大前提の条件があります。
それは、「信頼関係が築けている」こと。
なので、順番としては信頼関係を築くことが先です。
スポーツのコーチもまずは「この人信頼できそう」から始まります。
信頼関係を築く方法はまた別途説明が必要なので、今回は人を動かす前提の

内発的動機:want to
外発的動機:have to

この2つだけでも意識して対応すると結果は大きく違うと思います。


最後に、音楽的な具体例を1つ紹介して終わります。

以前、今回の記事を書くきっかけになったこんな話題を取り上げました。

シニアのロックファンは若い人に「これ良いから聴きなよ」などおせっかい、ハラスメントをしてしまうという内容。
良い音楽に興味を持ってほしいおじさんの気持ちはわかるのですが、
今回の記事でいえば「have to」にしている状態です。
これだと当然聴くのが精神的負担になるでしょう。

そこで本文に出てくる漫画家のシマあつこさんのコメントが見事。

「私たちが楽しそうにしている様子を見れば、興味を持って惹きつけられる若者はいるんじゃないでしょうか」

それが伝われば自然と「want to」が生まれます。
「なんか楽しそうなのかな?」「少し聴いてみようかな?」
これ、内発的動機のお手本だと思いました。

そう、自分も洋楽を広めたい気持ちが強いからこそこのようなnoteを行っていますが、強制はいっさいしないつもりです。

ではなく、自分がいかに楽しめるか。
そこを意識して楽しみながら書いているつもりです。

気楽に、引き続きよろしくお願いします(^^
楽しみましょう!



【オマケ】
読んでないけど(爆)、参考文献。
モチベーション1.0 欲を満たすため
モチベーション2.0 報酬、罰(外発的動機)
モチベーション3.0 活動自体が楽しい(内発的動機)


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