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夢のような旅!バースデイきっぷをフル活用で四国を一周!

2021年11月。私は四国へと旅立ちました。その手に持っていたのは「バースデイきっぷ」。

「バースデイきっぷ」とは、誕生月の連続3日間、JR四国全線と土佐くろしお鉄道が乗り放題。普通車自由席用が12000円、グリーン車用が15000円という破格の値段。グリーン車用なら、特急のグリーン車だけでなく、観光列車の「ものがたり列車」も乗り放題となる、凄いきっぷなのです。
さらに、1名につき3枚まで「お連れ様用」が同じ値段で発売できるので、グループ旅行にも最適なのです。

今回は2021年に「バースデイきっぷ」で四国を巡った時の話。この時の旅のスケジュールは
『3つのものがたり列車と2つのトロッコ列車を乗り継いで四国を1周する』
というスケールの大きなスケジュールを立てたのでした。

[1日目]四国上陸!伊予灘ものがたり往復乗車

[行程](しおかぜ5号)岡山9:25→松山12:10(伊予灘ものがたり・八幡浜編)松山13:28→八幡浜15:52(伊予灘ものがたり・道後編)八幡浜16:05→松山18:17(宇和海25号)松山18:43→宇和島20:10 (※2021年の時刻です)

山陽新幹線で「岡山駅」に到着。いよいよここから四国1周の旅が始まります。まずは「しおかぜ5号」に乗車し、一気に松山を目指します。
ちなみにバースデイきっぷの効用は「児島駅」から。岡山〜児島間は別にきっぷの用意が必要です。

最新型の8600系

やってきたのは、JR四国の電車特急では最新型の「8600系」。レトロフューチャーがコンセプトというデザインは、新しさの中に蒸気機関車をイメージさせる部分もあります。

利用するのはもちろんグリーン車。
2列と1列でゆったり並ぶ座席。3列9席の狭い空間を思わせない、静寂で落ち着いた空間が広がります。

グリーン車は車両の半室

フットレストは電動。大きな座席で身体を包み込んでくれるよう。ふかふかのヘッドレストもまた、豪華さを演出します。

列車は瀬戸大橋へ。いよいよ四国へ上陸です。

小さい窓ながら前面展望も楽しめる

瀬戸内海が望める区間を走る列車。カーブを物ともせず、直線区間は130km/hでぶっ飛ばす8600系。

「松山駅」に到着。松山駅では高架工事の真っ最中。完成すればこの駅舎ともお別れです。

高架化は2024年度に完成予定

次の列車まで1時間ほどあるので、駅からすぐの所にある喫茶店で休憩。店名の通り、時計台が素敵な外観。

珈琲舎時計台

レトロな雰囲気の純喫茶で、美味しいコーヒーをいただきました。

かわいくてレトロな器

松山駅からは1つ目のものがたり列車「伊予灘ものがたり」に乗車します。

当時のこのキハ40を改造した車両で2021年まで活躍し、2022年から新しい車両にリニューアルしました。
現在の「伊予灘ものがたり」については別のnoteに記事をあげているので、こちらを参考にして下さい。

車内では事前予約制の食事を堪能!松山にある「レストラン門田」の松花堂弁当。牡蠣や真鯛など、愛媛の冬の幸が詰まったお料理でした。

「伊予灘ものがたり」のハイライト。海が目の前に広がる「下灘駅」に到着。数々の映画やドラマのロケ地や、青春18きっぷのポスターにもなった、日本一有名な海に近い駅のひとつです。

伊予灘ものがたりから見る伊予灘の眺め
下灘駅と伊予灘ものがたり

終点八幡浜駅に到着。ゆっくり観光したいところですが、今回はすぐに折り返し再び「伊予灘ものがたり」に乗車し松山へ戻ります。

帰りは柑橘色の車両が先頭

松山にある「Petit Paris」のアフタヌーンティーをいただきながら、列車に揺られながらのんびり過ごすティータイム。とっても優雅な気分。

四国のものがたり列車といえば、地域の皆さんとのふれあいが魅力。沿線や駅で盛大にお見送りや手を振ってくれるのです。本当に四国って良いところだなと思うし、またものがたり列車に乗りたいと思わせてくれます。

五郎駅のたぬき駅長
これらが全て住民の自主的お見送り
なのだから凄い

再び「下灘駅」。昼間とは表情が全く違います。

昼間とは違った姿を見せる伊予灘ものがたり
陽が沈みゆく伊予灘

沈む夕日でオレンジ色に染まる伊予灘。地元の方も、今日は特別きれいだと言っていました。いい日に来れて良かった。

松山駅からは「宇和海25号」に乗車。今夜の宿泊地・宇和島へ。
「伊予灘ものがたり」で八幡浜まで2時間半かかった道のりが、「宇和海」だとたったの50分。宇和島までも1時間30分。

松山〜宇和島間を結ぶ宇和海

今日のホテルに行く前に、駅から徒歩5分ぐらいの所にある「ほづみ亭」で今日の夕食をいただきました。

いただいたのは、宇和島名物の「鯛めし」と「さつまめし」が両方味わえるセット。

宇和島の「鯛めし」は生の鯛を生卵、タレと一緒にかきこむスタイル。生鯛だから、新鮮な鯛のコリコリ食感が味わえるのです。
甘めの醤油と卵そして海苔が相まって、とっても美味しい卵かけご飯になってます。うまい!

宇和島の鯛めし

「さつまめし」は、焼いた鯛のほぐし身と麦味噌をすり鉢で合わせたもので、冷や汁みたいな感じ。これがものすごく濃厚で、麦味噌のコクと香ばしい魚の風味が合わさって絶品。どちらもご飯が進んで、ついついおかわり。お腹満腹です。ごちそうさまでした!

さつまめし

[2日目]しまんトロッコと夜明けのものがたりで高知県を横断

[行程](鉄道ホビートレイン)宇和島6:04→江川崎7:15(普通列車)江川崎7:26→宇和島8:37(しまんトロッコ2号)宇和島9:33→窪川12:06(あしずり3号)窪川12:49→中村13:24(普通列車)中村13:49→窪川14:51(志国土佐時代の夜明けのものがたり・開花の抄)窪川15:13→高知17:54 (※2021年の時刻です)

乗り鉄の朝は早い。まだ暗い「宇和島駅」から2日目の旅がスタート。
まずは「鉄道ホビートレイン」に乗車。新幹線がない四国を走るのは、0系を模したディーゼルカー。

キハ32という車両を改造
見た目はまさにミニ新幹線

車内はロングシートですが、2脚だけなんと0系で使われていた本物の転換クロスシートが設置されています。

本当はクロスシートに座りたかったけど
朝から争奪戦で負けました

「鉄道ホビートレイン」の名の通り、車内には鉄道模型が展示されています。

昔四国を走っていたキハ181系などが展示されていました

車内の運賃表。予土線の駅名に混じって、なんと東海道新幹線の駅名が書いてありました。芸が細かい!

東京・新横浜・小田原…

「鉄道ホビートレイン」は「江川崎駅」まで。

今度はウルトラマン列車で、来た道を折り返します。予土線には他にも「かっぱうようよ号」や「鬼列車」など、様々な楽しいラッピング列車が走ります。

ウルトラトレイン号 現在は走っていない

ホテルに戻って荷物を取り、再び「宇和島駅」へ。「しまんトロッコ」に乗って今度は予土線を横断します。

しまんトロッコ号 後ろにトロッコが連結されている
トラ152462

少しマニアックな話になるが「トラ152462」という車両番号。
「トラ」とは「無蓋車」の意味で、蓋が無い車両。つまり、雨に濡れても構わない荷物を運ぶ貨車。そう、この車両は荷物を運ぶ"貨車"なのです。という事は、乗客は荷物!?

「トラ」の台車は二軸車といって、一つの台車に4輪あるところ二軸車は2輪だけ。「ガッタンゴットン」という独特な走行音とゴツゴツした乗り心地が楽しめる、貴重な車両です。

二軸車に乗れる貴重な列車

トロッコ車両には江川崎駅から乗車します。眼下には沈下橋が見えてきました。普段は穏やかな四万十川ですが、洪水時には水中に沈下します。そのため水の抵抗を受けないように、欄干が付いていないのです。

江川崎から先の予土線は1974年に開通した、比較的新しい路線。そのため地面より高い位置に線路が敷かれたため、国道から見るよりも四万十川の眺めがいいのです。

最高の景色
川の底まで見えるほど透き通っている

四国最長の川である四万十川は、本流に大規模なダムが建設されていないことなら、柿田川、長良川とともに「日本三大清流」の一つと呼ばれるほど美しい川です。

終点の窪川駅に到着。ここからは「志国土佐時代の夜明けのものがたり」に乗車しますが、まだ時間が2時間以上あるので、バースデイきっぷのフリー区間にも入っている「土佐くろしお鉄道」に乗車。
特急「あしずり3号」に乗って中村へ。

高知〜中村・宿毛間を結ぶあしずり


途中、海沿いの区間を走る土佐くろしお鉄道。眼下には美しい太平洋が広がります。観光列車が走ってもおかしくないぐらいの絶景でした。

土佐くろしお鉄道から見る太平洋

「中村駅」まで足を伸ばした理由は鉄印。土佐くろしお鉄道の鉄印を頂きました。

鉄印とは御朱印帳の鉄道版
全国40社の鉄道会社全てを集めると
マイスターカードが貰えます
ちなみに私はマイスターカード保持者です!

窪川駅に戻り、今度は「志国土佐時代の夜明けのものがたり」に乗車します。

「KUROFUNE」「SORAFUNE」の2両編成
レトロSF小説で描かれる空想上の宇宙船をイメージ

車内では、土佐の食材をふんだんに使った和食料理をいただきました。特に鰹のたたきは新鮮で美味しかった!

高知家満喫 土佐流のおもてなしコース

安和駅から望む太平洋は絶景。天気が良く波も穏やかで、濃いブルーに染まって海が窓いっぱいに広がります。

高知駅に到着した頃は、外はすっかり真っ暗。明るく照らされた高知三志士の像が出迎えてくれました。これで2日目は終わり。

[3日目]千年ものがたりからよしのがわトロッコへ乗り継ぎ

[行程](南風6号)高知8:01→多度津9:44(四国まんなか千年ものがたり・そらの郷紀行)多度津10:18→大歩危12:48(特急南風14号)大歩危13:05→阿波池田13:22(藍よしのがわトロッコ)阿波池田14:33→徳島16:58(うずしお24号)徳島17:28→高松18:32(マリンライナー56号)高松18:40→岡山19:33 (※2021年の時刻です)

最終日は「四国まんなか千年ものがたり」に乗車するため、まずは多度津駅まで移動。乗車したのはアンパンマン列車の「南風6号」。ちょうどアンパンマンの列車でした。

アンパンマン列車は他にも岡山〜松山間の「しおかぜ」や高松〜徳島間の「うずしお」、さらに瀬戸大橋には「アンパンマントロッコ」も走っていて、子どもたちにも絶大な人気があります。

多度津駅からは「四国まんなか千年ものがたり」に乗車します。

車内では、金刀比羅宮が運営する「神椿」の洋風プレートをいただきました。讃岐の食材がふんだんに使われたお料理は、どれも絶品です。

さぬきこだわり食材の洋風料理

列車は、秘境駅ランキングの上位にも入る秘境駅「坪尻駅」に停車。

右下に見える坪尻駅
日本でも珍しいスイッチバックで入線する
周りに人家はなく、徒歩でしか訪れることはできない
紅葉は色づき始め

阿波池田駅に到着。ここでは、甲子園で有名な池田高校の蔦元監督をご当地キャラ化した、その名も「つたはーん」がお出迎え。

蔦監督も自分がゆるキャラになるとは
夢にも思わなかっただろう…

大歩危峡・小歩危峡の絶景が「四国まんなか千年ものがたり」のクライマックスです。

列車から見る小歩危峡

終点大歩危駅に到着。17分後にやってきた「南風14号」で阿波池田駅まで戻ります。

またまたアンパンマン列車

阿波池田からは、この旅最後の観光列車「藍よしのがわトロッコ」に乗車します。

深い藍色に染まってゆくグラデーションの色合い

秋風が冷たいですが、雄大な吉野川と紅葉真っ盛りの四国山地が望める車窓にうっとり。

紅葉に染まる山々
穏やかに流れる吉野川
11月のトロッコは防寒対策必須

最後は「うずしお24号」「マリンライナー」を乗り継いで四国を離れます。

JR四国の3つのものがたり列車と2つのトロッコ列車を乗り継いだ今回の旅。絶景を眺めながら四国の自然を満喫し、美味しい料理をいただきながら四国を味わう。まさに四国を堪能した旅となりました。

どの観光列車でも印象深かったのが、地元の皆さんのお見送り。盛大なお見送りだけでなく、道ゆく人や農作業中の人も手と足を止めてこちらに手を振ってくれる。四国の人たちの優しさと温かさにも触れることができました。

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