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【HOW TO】MYOGは熱意とミシンがあればはじめられるよっていう話

山登りやハイキング、キャンプを嗜まれている人なら一度は聞いたことがあるMYOG(Make Your Own Gear)、平たく言うとDIYと同義で、自分のアウトドアギアは自分で作っちゃおうという考え方だ。

やってみたくても、技術がないし、設備もないし、色々ハードルが高い…
自分もそう思ってたけど、はじめてみたら思いの外、簡単にできたよ!という話を残しておきます。

興味があったり、やってみたい!という人の参考に少しでもなれば幸いです。

Make Your Own Gear

アメリカのロングトレイル文化に端を発する考え方で、山歩きやハイキングなどのアウトドア活動で、自分のギアは自分で作ろうという考え方。略してMYOG(ミョグ)。
ウルトラライトハイキング(必要最低限の荷物を持ち、身軽に歩こう)に出会った時から憧れを抱いていたが、自分でギアを作っちゃうのかっこいいとか思いながらも、ミシンも持っていないし、バックパックや、テントなんて作れっこないと思っていた。

きっかけ

ウルトラライトハイキングを入り口として、一緒に山を歩いたり、座学で勉強したりと毎回楽しく参加させていただいているHLC。
2024年4月、HLC北関東の【MYOGワークショップ】に参加したことが大きな転機とりました。

プログラムの中でレイジャーディンのインタビュー記事を目にして、ビビビッと衝撃が走った。

「自分で縫ったりつくったりした衣服やギアは、自分にとってより意味をもつ。すべて買うのは無意味だ。あなたが何かをつくるときに心や魂を込めれば、そこには意味が生まれる。」

「バックパックをつくるとき、そのバックパックは自分自身の一部となる。それとつながるんだ。」

生存のための装備を自らの手で縫うということ:ULハイキングの父祖 レイ・ジャーディン訪問記
https://wired.jp/article/vol52-myog-ray-jardine/

「自分で作ったギアでハイキングがしたい!」

これまでMYOGに踏み込むのに足りていなかった「情熱」が沸々と湧き上がってくるのを感じた。

最初に買ったもの

MYOGをはじめるにあたって、最初に買ったのはミシンです。

よく見るJUKIのシュプールというモデルをおすすめされたが、価格を見てびっくり約60,000円・・・
この金額があればバックパック買えるし、まだはじめてもいないのにそんなにいいの要らないかと、手ごろなものにすることに。

選んだのはコチラ。Singer社のSN773というモデル。
家庭用ミシンでシンプルな一台。

ある程度厚手のものにも対応し、シンプルな機能だが必要十分だと判断。
実際にこれを使ってスタッフサックやタープを作ってみたが、物足りなさはあるものの、問題なく使用することができています。

細かい点でいえば、フットコントローラーでの操作しかできない点がやや面食らったけど、慣れればどうにかなる。

ミシンを選ぶ際に、工業(職業)用か家庭用どちらがいいかと悩む人も多いけど、余裕があるなら工業用を選ぶことをおすすめする。

工業用ミシンが家庭用ミシンと決定的に違うのは、その貫通力。
厚手のもの(例えばバックパックのショルダーパットなど)を縫ったりする場合にはやっぱりパワーがあるものの方がスムーズに縫えるはず。

ただ家庭用で大物を作るのが難しいかと言われれば、そんなことはなく、根気よく作業すれば家庭用でもバックパックやテント、ギアは作れる。

ミシンを使ってみて、唯一「あるものを買えばよかったな…」と思った機能がある。それは「自動糸切り機能」。縫い終わった後に針を外すと、自動で余った糸を切ってくれる便利な機能だ。
何度も縫い直す自分にとっては余った糸を切るという行為は、想像以上に手間がかかり、面倒な作業だった。

便利な小物たち

ぶっちゃけミシンを買いさえすれば、後は家に転がっているようなもので、どうにでもなる。

でも結局小物も買うことになるから、買ったものを挙げてみる。

・リッパー
糸が絡まったり、詰まってしまった時に、切ってほどくための道具。ハサミや糸切りバサミでも代用できるけど、あると便利。

・糸切りバサミ
自動糸切り機能のついたミシンであればそれほど多用しないけど、そうじゃないミシンの場合は一番使う。

・カッティングボード
シルポリやDCFなどの素材を切り出す際に敷くマット。最初はダンボール等で代用していたけど、生地のカッティングは出来栄えに直結するので、あった方が絶対にいい。
小さいのは100均にもあるけど、大きいサイズを一つ持っておくと楽。

・カッター
布きりバサミ、一般的なカッターでも代用可能。でもこれを定規に沿って使うと、あっという間に真っ直ぐ裁断できる。

・クリップ
まち針でも可。ただ薄い素材や、アウトドア製品の場合は耐久性への影響を考えると、穴は少しでも少ない方がよく、クリップだと生地へのダメージがほとんどないのでおすすめ。
100均でもあるけど、ちょっと挟む力が強すぎる感じがする。

他にも糸や針、ボビンやチョーク、定規など、基本的に揃えておきたいものもあるけど、上記は特にあると便利という視点でピックアップした。

あと、やってて一番欲しいなと思ったのはプライスレスですけど、「広いスペース」。
数mある生地を広げたり、線を引いたり、と広いスペースがあればと何度も思いました。(今も思ってます。

作業台でもいいし、床でもいいんだけど、とにかく少しでも広いスペースがあると特にタープやバックパックなどの大きめなものを作る時には便利です。

初期費用

結局いくらかかるの?という感じだと思いますが、自分は20,000円くらいでした。もちろんギアを作るための生地は別ですけど、環境を整えるくらいなら案外手頃にはじめられるのではないでしょうか??

作ったもの

そんな設備でも作れるものはたくさんあって、今はバックパックを作っています。

これまでにいくつか作ったものをご紹介します。

DCF製グランドシート入れ
ツリーストラップ入れ
コンテナ
タープ(240×300)

まだまだ勉強、練習中なので、裁縫とかは酷いあり様ですが、どうにか形にはなるものです。

ネット上に沢山パターンや縫うためのtipsが溢れているので、情報に困ることはあまりないです。

基本的には直線縫いと返し縫い

この2通りを丁寧にできれば、ほとんどのギアは製作可能かと思います。

あと、一番大切なのは「Do」!
やる前にあれこれ調べすぎて、頭でっかちになることが多い私ですが、やってみてわかることの方が遥かに多く、やってみると意外とどうにかなることの方が多いです。

自分の欲しいを形にする。
欲しいものを作る。

色々と目的はあるかと思いますが、ミシンを踏んで没頭する時間は楽しいので、ぜひチャレンジしてみてください。

自分のギアを持って、山歩くとまた違った楽しさがありますよ!

enjoy Myog time!

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